日々の映画日誌、というか備忘録です。暇な人だけ読んでください。
■3月29日
『血槍富士』(55年、内田吐夢)
『三代の杯』(62年、森一生)
『ハンナとその姉妹』(86年、ウディ・アレン)
『ホワイトナイツ 白夜』(85年、テイラー・ハックフォード)
スコリモフスキーがソ連の高官役でいやらしい演技を見せている。
『ピアノ・レッスン』(93年、ジェーン・カンピオン)
『サボテンの花』(69年、ジーン・サックス)
バーグマンが歯医者(ウォルター・マッソー)の助手役で。完璧なミスキャスト。
『深紅の愛・DEEP CRIMSON』(96年、アルトゥーロ・リプスタイン)
『ハネムーン・キラー』のリメイクかと思ったが、リメイクではなく同じ事件をもとにした映画化ということになるらしい。悪くないが、『ハネムーン・キラー』を見たあとだと、あまり新鮮味は感じられない。
■3月20日
○堀江敏幸『郊外へ』
■3月9日
○阿部和重『ニッポニアニッポン』
■2月25日
『追憶』(73年、シドニー・ポラック)
両大戦後のフィッツジェラルドのハリウッド。ウディ・アレンの『世界中がアイ・ラブ・ユー』で全員がグルーチョのパーティが話題になったが、この映画にすでに、同じパーティが描かれている。これはハリウッドの伝統? 意外と悪くない。どうも好きになれないバーブラ・ストライザンドの演技がなんとか耐えうるものになっているだけでも、よしとしよう。
■2月24日
『明日に向かって撃て』(69年、ジョージ・ロイ・ヒル)
列車強盗。「壁の穴」。自転車。岩場づたいの長い逃走。ボリビア。
■2月23日
『或る夜の出来事』(フランク・キャプラ)
マイアミ-ニューヨーク。長距離バス。面が割れたために途中から歩きに。にんじん。娘の結婚に反対する大富豪の父親。令嬢の結婚に協力するかたちで結局それを妨害してしまう新聞記者。スクリューボール・コメディとしてはエロチシズムに乏しい(たしかキス・シーンもないはず)。
アカデミー主要5部門を全部撮ったのは後にも先にもこれだけという記録はいまも破られていない?
■2月20日
○島田雅彦『失われた帝国』
『偶然の旅行者』(89年、ローレンス・カスダン)
スクリューボール・コメディをシリアスに描いたような作品。ジーナ・デイヴィスはやはり好きになれない。
『普通の人々』(80年、ロバート・レッドフォード)
別に悪い映画でもないのだが、見たことがまるで記憶に残らない映画がある。というか、テレビで見る映画というのはたいていがそうだ。これは映画館という特定の「場所」を持たないテレビゆえの現象なのか、最近の映画の質の低さのせいなのか、
それともたんなるわたしの老化現象か。 この映画には映画的な刺激はほとんど皆無だが、ドラマとしての完成度は評価してもいいだろう(もっとも、精神分析によってすべてが解決するとでもいった構成には、大きな疑問を感じるが)。逆「人形の家」というか、「にんじん」というか、まあそんなファミリー・ロマンス。
『ブリキの太鼓』(78年、フォルカー・シュレンドルフ)
通俗的文芸映画。
『銭形平次』(67年、山内鉄也)
『メン・イン・ブラック』(97年、バリー・ゾンネフェルド)
『愚か者の船』(65年、スタンリー・クレイマー)
船を舞台にしたテアトル・フィルメ。ヴィヴィアン・リー、シモーヌ・シニョレ、オスカー・ヴェルナー、リー・マーヴィンなど、そうそうたる顔ぶれだが、惨憺たるできばえ。いわゆる「グランド・ホテル式」にさまざまな船客の人間としての愚かしさが描かれるのだが、メッセージ以外になにもないといったシーンの連続に終始している。しかもそのメッセージたるやあまりにも陳腐すぎる(ユダヤ人差別など)。
『暴走特急』(95年、ジェフ・マーフィー)
『沓掛時次郎』(54年、佐伯清)
『スティング』(73年、ジョージ・ロイ・ヒル)
『レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い』(94年、エドワード・ズウィック)
前に見ていたことを完璧に忘れていた。
『初姿丑松格子』(54年、滝沢英輔)
『旅路』(58年、デルバート・マン)
こちらはまさにホテル(といっても2階しかないが)が舞台の「グランド・ホテル式」。『愚か者の船』の場合とまったく同じことがいえる。メッセージも陳腐だ(ブルジョアの偽善など)。
ただし、バート・ランカスターとデイヴィッド・ニーヴンが出ているだけで映画が引き締まる。ぎすぎすしたブルジョア娘を演じているデボラ・カーもはまり役といえるだろう。ランカスターの別れた妻役のリタ・ヘイワースも悪くはない。役者によって救われている映画だ。
■2月15日
『ホフマン物語』(51年、マイケル・パウエル)
オペラで始まる冒頭からいきなり舞台と客席の境目が曖昧になる。ホフマンが影というか反映(reflet)を奪われるくだりを切り返しだけで表現するところなど見事。
『愛する者よ、列車に乗れ』(98年、パトリス・シェロー)
パトリス・シェローはむかし『傷ついた男』見て以来ずっと敬遠していたのだが、 これは意外に悪くない出来だった。人物の関係がわかりにくいのが難点。
『銭形平次捕物控 美人鮫』(61年、三隅研次)
麻薬。寺社奉行。
『雀鬼列伝』(96年、小沼勝)
『15ミニッツ』(01年、ジョン・ハーツフェルド)
犯罪とメディア。犯人がひたすらデジカメを回しているところが面白いといえば面白いが、このシチュエーションはどこかで見た覚えが・・・。意外と面白い部分もあるが、殺人家の刑事と放火捜査員の関係にどうも説得力がないのが最大のネック。
『宮本武蔵第二部・第三部』(40年、稲垣浩)
『戦場にかける橋』(57年、デヴィッド・リーン)
『グリーンフィッシュ』(97年、イ・チャンドン)
韓国版やくざ映画です。
『ラブ・レター』(98年、森崎東)
浅田次郎原作の映画化。森崎色はちょっと薄いが、さすがにうまい。抑えて抑えて描いておいて最後に手紙一枚で泣かすというパターン。
『天国の約束』(95年、ジェームズ・フォーリー)
ジェームズ・フォーリーがいいという人が結構いるのだが、どこがいいのかわからない。わたしが出会った作品がたまたま悪かっただけなのか。
『つばさ』(27年、ウィリアム・ウェルマン)
ゲーリー・クーパーが目の覚めるような美男子で登場するが、五分足らずであっけなく墜落死してしまう。『あれ』で知られるクララ・ボウだが、どちらかというとひょうきんなキャラクターだったのでは。
『トラフィック』(00年、スティーヴン・ソダーバーグ)
まあ、楽しめるのだが、題名のわりには物や人が国境を越えて流れている感じが全然伝わってこない。どうでもいいが、フィルターの使い過ぎじゃないの?
『ユリョン』(99年、ミン・ビョンチョン)
良くも悪くも、普通の潜水艦映画ですね。
■2月8日
『淑女と髯』(31年、小津安二郎)
マルクスのひげのギャグは脚本家の趣味だとか。 小津とマルクス主義の関係ってどうなの(『東京の女』とか)? そのほか、壁にローレル・ハーディのポスター。
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■1月30日
○島田雅彦『夢使い レンタチャイルドの新二都物語』
○Richard Matheson『I am legend』
■1月27日
渡辺謙がゴールデングローブ賞を逃したのは残念だったが、あれはノミネートされるだけで一生栄誉として残るものなのだし、これからもチャンスはいくらでもあるからまあいいんじゃないか(『ミスティック・リバー』の演技でゴールデン・グローブ賞の主演男優賞を受賞したショーン・ペンも、過去3回ぐらいノミネートされたことがあって、今回はじめての受賞じゃなかったかな)。名前を覚えてもらっただけでもよかったよ。わたしなんか、正直な話、これまで渡辺謙と松平健はいまいち区別がついていなかったことに、今回初めて気づいたぐらいだ。渡辺謙という俳優はたしかに悪い俳優ではないんだけど、ちょっとインパクトに欠けるんだよね。ま、これで渡辺=ラスト・サムライ、松平=離婚と、明確な区別がついたわけだし、よかったよかった。
『トパーズ』(69年、アルフレッド・ヒッチコック)
『続・新悪名』(62年、田中徳三)
『新・悪名』につづいて、田宮二郎がモートルの貞の弟役で出演。一作目の舞台となった因島がふたたびクライマックスの場として使われ、シルクハットの親分がまた出てくるところが面白い。
『ザ・カップ 夢のアンテナ』(99年、)
『アンフォゲタブル』(96年、ジョン・ダール)
主人公の検死医が死体の記憶を自分に移植して(注射器で簡単に記憶が移植できるという設定が、あほらしいが)、自分の妻を殺した真犯人を捜し当てる。『逃亡者』の二番煎じ気味。
『24時間4万回の奇跡』(99年、ブノワ・マリアージュ)
全体としては共感の持てる作品。 もう少し笑える映画にしてほしかった。脚本の展開も甘いし、鳩を飼ってる男の描き方も中途半端。それでも光る部分はいろいろある。ときおりなかなかセンスのいい音楽がなっていたが、あれはだれのものか?
■1月25日
『悪魔のシスター』(73年、ブライアン・デ・パルマ)
『サイコ』+『裏窓』+シャムの双生児。きわめて稚拙だがそれなりに魅力的な細部もある。ピーピング・トム・ショーのゲストにヒロインとその未来の犠牲者(黒人)が出演し、その参加賞にもらうのがナイフのセットというのはいかにもひどい筋立てだが、黒人がケーキを買いに寄り道しているうちに、ヒロインが妖変していてそれを知らずに彼がケーキにナイフを添えて彼女に差し出すという展開はなかなかいい(ケーキに書かれた証拠の文字が消えてしまうのは、もちろん『バルカン特急』だ)。チャールズ・ダニングとしてはかなり初期の出演作か?
■1月20日
アラン・ドワンの『逮捕命令』はすごい。これだけ密度の高いウェスタンを見るのは久しぶりだ。あらぬ罪を着せて主人公を窮地に陥れる悪役の名前がマッカーシーというのもすごいが、その悪役が自分の撃った弾に当たって死ぬ(?)ラストまで、三一致の法則を貫きながら一気に見せてしまう力業。文句なしの傑作だ。テーマ的には、ラングの『激怒』やウェルマンの『オックス・ボウ・インシデント』などと比較されるべき作品。
■1月18日
今日はなぜかホームページへのアクセスがいつもの倍近くある。謎だ。ま、考えてもしょうがない。どうせ一時的な現象だろう。ともかく、そろそろレビューもアップしないといけない。が、昨年末から今日まで、劇場ではまだ一本も映画を見ていないのだ。
録画しておいた「小津シンポジウム」の記録を見る。オリヴェイラ、ペドロ・コスタ、侯孝賢などなど、すごい顔ぶれだ。黒沢清が「小津の映画は速い。なぜみんな小津の映画は遅いというかがわからない」といっていたが、まったく同感だ。カットが変わるといきなり10年たっていたり、原っぱで服をたたいていたかと思うと次のカットでは同じ動作を繰り返しているのにもう室内になっているとか、省略の仕方がすごい。失敗作といわれている『宗方姉妹』(実際、はじめての他社企画ということでうまくいっていないのだが)では、失敗している分そのあたりの時空の断絶感がいっそう強調されて、ほとんど『去年マリエンバードで』のような実験映画に近づいている。京都ではじまった映画は、気がつくと舞台は東京になっていて、そうかと思うと知らないうちに次のカットでは神戸に移っていたりするので、最初見たときはひどく混乱した。いわゆる「枕ショット」がこの映画ではあまり使われていないせいかもしれない。
人に借りたデレク・ベイリーのアルバムを立て続けに10枚ばかり聴く。悪くないが、2、3枚聴けば十分な気もする。そうそう、間章の『非時と廃墟そして鏡』を京都の丸善で見つけた。高校のころ図書館で借りて読んだ本だ。つい買ってしまった。奥付を見ると1988年刊の初版となっている。なんでこんな本が今頃売っていたのか。とうに絶版になってるはずなのに。謎だ。謎が多い。しかし、こういうことは京都の本屋でしか起こらないのだ、なぜか。以前、三条大橋の近くの普通の小さな本屋(古本屋ではない)でデフォーの『ロビンソン・クルーソー』を手に取ってみていたら、なかに鉛筆で線が引いてあった。新書なのになぜこんなことが? 謎だ。It's a strange world!
■1月17日
アマゾン・コムに注文していたリチャード・マシスンの吸血鬼小説が先日届く。早く読みたいのだが、読みかけのトマス・ピンチョンの『重力の虹』をどうするか。20世紀アメリカ文学を代表する一作だが、わたしにはいまいちピンと来ない。いっしょに買ったアメリカ版のDVDでは英語字幕が入っているのが一枚しかなかったのに失望。アメリカ映画はできるだけフランスから買った方が得策か。
どこの本屋でも品切れ・絶版扱いになっていた島田雅彦の『忘れられた帝国』の文庫本を近くの本屋で発見。文庫と漫画と雑誌しか売っていない田舎の本屋で唯一好きなのはこういうところだ。
■1月16日
『ムッシュ・カステラの恋』〔00年、アニエス・ジャウィ)
タイトルとはちょっとイメージの違う映画。好感を持った。
『五条霊戦記』〔石井聰互)
『トラック野郎 男一匹桃次郎』
『今そこにある危機』〔94年、フィリップ・ノイス〕
『漂流街 THE HAZARD CITY』〔三池崇史)
『エバー・アフター』〔98年、アンディ・テナント)
『助太刀屋助六』〔01年、岡本喜八〕
『どら平太』〔00年、市川崑)
『ザ・チェイス』〔94年、アダム・リフキン)
『親指タイタニック&親指スターウォーズ』
『やかまし村の子どもたち』〔96年、ラッセ・ハルストレム)
『ロッタちゃんはじめてのおつかい』
『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』
『黒蜥蜴』(62年、井上梅次)
『誘拐騒動/ニャンタッチャブル』(96年)
『荒野のガンマン』(61年、サム・ペキンパー)
ペキンパーの記念すべきデビュー作。モーリン・オハラがプロデュースし、主演もしているのだが、シナリオはまずいし、なんだかもの寂しい映画だ。同じ年に撮られた『昼下がりの決斗』の出来からいって、たぶん自由に撮らせてもらえなかったのだろう。
『シャレード』(63年、スタンリー・ドーネン)
『アラベスク』(66年、スタンリー・ドーネン)
『シャレード』の二番煎じを狙った映画。やはりグレゴリー・ペックにはケイリー・グラントのまねはできず、シナリオもあまりよくない。
『マラソンマン』(76年、ジョン・シュレシンジャー)
紋切り型の寄せ集めでできたサスペンス映画で、一瞬先の展開がことごとく予想がつくのだが、それはある意味よくできているとも言えるわけで、決して悪くはない。ナチの残党が歯医者というのもどこかであったような気がするのだが・・・。
『ゴースト・チェイス』(ローランド・エメリッヒ)
途中で断念。
■1月15日
『まらそん侍』(56年、森一生)
『オー』(68年、ロベール・アンリコ)
『山田長政 王者の剣』(59年、加戸敏)
初の日タイ合作映画。アスビン・ピクチャーとはなにか。
『ドドンパ酔虎伝』(61年、田中徳三)
堀部安兵衛もの。
『西部開拓史』(62年、ハサウェイ、フォード、マーシャル)
シネラマ版でオンエア。ビデオ版とは違うと思うので今度機会があったら要チェック。
『ほんだら剣法』(65年、森一生)
『ヨーロッパ』(91年、ラース・フォン・トリアー)
『ロルカ、暗殺の丘』(97年、マルコス・スリナガ)
「突入せよ! 『あさま山荘』事件」(02年、原田真人)
犯人側の視点を100パーセント切り捨てたのはそれはそれで潔いのだが・・・。ただの銀行強盗立てこもり映画と大して変わらないものになってしまっているね。
『バンディッツ』(97年、カーチャ・フォン・ガルニエ)
ドイツ発女囚もの。
『天上の恋歌』(99年、ユー・リクウァイ)
ジャ・ジャンクーの撮影監督による長編第一作。ビデオ録画の最後のほうが切れていたので、またの機会に見なおしたい。完成度はそれほどないが、見るべきものが結構ある映画に思えた。
『弟切草』(下山天)
途中で断念。ひどすぎる。
『丹下左膳 妖刀濡れ燕』(60年、松田定次)
『ハンネス、列車の旅』(98年、ペーター・リヒテフェルト)
『マークスの山』(95年、崔洋一)
『模倣犯』(02年、森田芳光)
『殺人遊戯』(78年、村川透)
『千年の恋・ひかる源氏物語』(01年、堀川とんこう)
途中で断念。
『焼け石に水』(00年、フランソワ・オゾン)
『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(96年、ウディ・アレン)
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