映画の誘惑

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新作公開情報

『ラスト コーション』
監督:アン・リー 出演:トニー・レオン/タン・ウェイ
内容:1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ウォンは敵対する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺の機会を狙う。しかし、危険な逢瀬を重ねるうちうつしかウォンは虚無の匂いを漂わせるイーに魅かれていく…
(正月第2弾〜シャンテ シネ/Bunkamura ル・シネマ) 配給:ワイズポリシー

『レンブラントの夜警』
監督:ピーター・グリーナウェイ 出演:マーティン・フリーマン/エヴァ・バーシッスル
内容:オランダの至宝といわれ門外不出の名画「夜警」。1642年、この作品を完成させたレンブラントは名声と経済的地位を揺るぎのないものにし待望の男子誕生を祝い、人生の頂点にいた。だが、画家の人生はこれを機に転落していく。彼は一体この絵に何を描いたのか…
(1/12〜テアトルタイムズスクエア) 配給:東京テアトル/ムービーアイ

『ランジェ公爵夫人』
監督:ジャック・リヴェット 出演:ジャンヌ・バリバール/ギョーム・ドパルデュー
内容:ナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍はパリ社交界の花、ランジェ公爵夫人に恋心を抱く。夫人は思わせぶりに振る舞い、彼を翻弄する。追い詰められた彼は夫人に対し反撃に転じる…
(4/5〜岩波ホール) 配給:セテラ・インターナショナル

『かつて、ノルマンディーで』
監督:ニコラ・フィリベール
内容:実際の事件とフーコーのテキストを元に、登場人物はすべて地元の農民たちが演じる…
(正月第2弾〜銀座テアトルシネマ) 配給:バップ/ロングライド

『動物、動物たち』
監督:ニコラ・フィリベール
内容:四半世紀ものあいだ扉を閉ざしていたパリ国立自然史博物館の動物学ギャラリー。その改修工事に際して、数万にもおよぶ標本やはく製が眠る世界を探検する…
(正月第2弾〜銀座テアトルシネマ) 配給:バップ/ロングライド

『牡牛座 レーニンの肖像』
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
内容:妻クループスカヤが付き添う末期のレーニンをスターリンが見舞う。じっと見つめるレーニンの表情は虚ろである。足取りも軽いスターリンの表情は晴れやかだ…
(正月第2弾〜ユーロスペース) 配給:パンドラ

『ファーストフード・ネイション』
監督:リチャード・リンクレイター 出演:グレッグ・ギニア/ポール・ダノ
内容:ファーストフード業界の実態を暴いたエリック・シュローサーのベストセラー「ファストフードが世界を食いつくす」を元に、今、まさに世界が注視する食の安全性、格差社会、環境破壊など、現代社会が抱える様々な問題を盛り込んだドラマ。
(2月〜ユーロスペース) 配給:トランスフォーマー

『潜水服は蝶の夢を見る』
監督:ジュリアン・シュナーベル 出演:マチュー・アマルリック/エマニュエル・セニエ
内容:ジャン=ドミニク・ボビーは目覚める。そこは病室。自分が脳梗塞で倒れ、運び込まれたことを徐々に思い出す。だが、おかしい。意識ははっきりしているのに、自分の言葉が通じない。しかも、身体全体が動かない。唯一、動くのは左眼のまぶただけ…
(新春〜シネマライズ) 配給:アスミック・エース

『人のセックスを笑うな』
監督:井口奈己 出演:永作博美/松山ケンイチ/蒼井優
内容:19歳の美術学校生のみるめ。ある日、絵のモデルを20才年上の講師ユリに頼まれ、その自由奔放な魅力に、吸い込まれるように恋におちた。初恋に有頂天のみるめだったが、実はユリは結婚していた…
(1/19〜シネセゾン渋谷) 配給:東京テアトル

・『オフサイド・ガールズ』
監督:ジャファル・パナヒ 出演:シマ・モバラク・シャヒ/サファル・サマンダール
内容:イランでサッカーは、国民的スポーツといっていいほどの大人気。しかし、女性がスタジアムで男性のスポーツを観戦する事は法律で禁止されている。そんな中、代表チームのワールドカップ出場がかかった大事な試合を見ようと、男装してスタジアムに乗りこむ少女たちがいた…
(8月下旬〜シャンテ シネ) 配給:エスパース・サロウ

・『サッドヴァケイション』
監督:青山真治 出演:浅野忠信/石田えり/宮崎あおい
内容:幼い頃に自分を捨てた母との運命的な再会を果たした息子。母への復讐を胸に秘めてともに暮し始めた息子の前に、偉大なる母性が立ちはだかる…
(秋〜シネマライズ/新宿武蔵野館) 配給:スタイルジャム

・『僕のピアノコンチェルト』
監督:フレディ・M・ムーラー 出演:テオ・ゲオルギュー/ブルーノ・ガンツ
内容:高い知能指数を持ち、ピアノの才能も天才的なヴィトス少年。次々に問題を解決し、家族を幸せにしていく。その一方で、彼が自分自身でいられるのは大好きなおじいさんと一緒にすごす時間だけだった…
(晩秋〜銀座テアトルシネマ) 配給:東京テアトル

・『マラノーチェ』
監督:ガス・ヴァン・サント 出演:ティム・ストリーター/ダグ・クーイヤート
内容:街角の小さな食料品店に働くウォルトの前に、突然現れたジョニー。彼はメキシコからの不法移民。その野生児のような荒削りの美しさにウォルトは忽ち虜になってしまう。しかし2人には共通の言語がない。そして2人に最悪の夜が訪れる…
(夏〜シネマライズ) 配給:ワイズポリシー

・『長江哀歌』
監督:ジャ・ジャンクー 出演:チャオ・タオ/ハン・サンミン
内容:大河・長江の景勝の地、三峡。そのほとり、二千年の歴史を持ちながら、三峡ダム建設によって、伝統や文化、記憶や時間も水没していく運命にある古都・奉節を舞台に綴られる2人の男女の物語。
(夏〜シャンテ シネ) 配給:ビターズ・エンド/オフィス北野

・『石の微笑』
監督:クロード・シャブロル 出演:ブノワ・マジメル/ローラ・スメット 内容:25歳フィリップは母と二人の妹と暮らすハンサムでナイーブな青年。彼が愛するのは美しいものだけ。妹の結婚式で花嫁付添人をしたセンタと愛し合うが、センタが二人の愛の証明として、殺人を犯すことを約束させるのだが…
(6月下旬〜Q-AXシネマ) 配給:CKエンタテインメント

・『インランド・エンパイア』
監督:デヴィッド・リンチ 出演:ローラ・ダーン/ジェレミー・アイアンズ 内容:ニッキーとデヴォンは映画監督のキングスリーが手がける、ある秘密を抱えた映画に出演することになる。役にのめり込むに従い、次第に役柄と私生活を混同していくニッキー。彼女はいったい何者なのか…
(夏〜恵比寿ガーデンシネマ) 配給:角川映画

・『街のあかり』
監督:アキ・カウリスマキ 出演:ヤンネ・フーティアイネン/マリア・ヤンヴェンヘルミ
内容:厳しい社会の中で何とか自分の居場所を探すコイスティネン。しかしそんな彼のはかない夢は次から次へと打ち砕かれる。彼は仕事、自由、そして夢を奪われることになるのだが…
(夏〜ユーロスペース) 配給:ユーロスペース

・『不完全なふたり』(フランス・日本)
監督:諏訪敦彦 出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ
内容:マリーとニコラは結婚して15年になる夫婦。彼らは友人の結婚式に出席するために、リスボンからパリへやって来る。周りからは理想的なカップルと見られている2人だったが、彼らは別れることを決めているのだった…
(初夏〜新宿武蔵野館) 配給:ビターズ・エンド

・『終りよければ すべてよし』(日本)
監督:羽田澄子
内容:すべての人にとって、絶対に避けられないのが死。現在、自宅での安らかな死を望んでも、ほとんどの人が病院で死んでいる。日本での先進的な在宅医療、さらにオーストラリア、スウェーデンの状況も取材する、終末期医療についてのドキュメンタリー。
(6/2〜岩波ホール) 配給:自由工房

・『ロストロポーヴィチ 人生の祭典』
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
内容:チェロの巨匠ロストロポーヴィチ。彼の妻でロシアのボリショイ劇場を席巻したソプラノ歌手ヴィシネフスカヤ。彼らの人生を通じて紐解かれる人間愛と芸術の歴史を描いたドキュメンタリー。
(4月〜シアター・イメージフォーラム) 配給:デジタルサイト

・『黒い眼のオペラ』
監督:ツァイ・ミンリャン 出演:リー・カンション/チェン・シャンチー
内容:クアラルンプール。怪しげな賭けに負け瀕死の重傷を負った宿無しの男を必死に介抱する出稼ぎ労働者。同じ街の片隅で、ウェイトレスをするかたわらオーナーの昏睡状態の息子を介護している女。日々の暮らしに疲れた女は傷の癒えた男と出会い、惹かれていく…(3月〜シアター・イメージフォーラム) 配給:プレノン・アッシュ

・『叫(さけび)』
監督:黒沢清 出演:役所広司/小西真奈美/伊原剛志/葉月里緒奈
内容:刑事・吉岡は連続殺人事件を捜査しているうちに、現場に残る妙な偶然や遺留品に自らの影を感じるようになる。はっきりと無実を証明する術も無い上に、自分自身の記憶でさえ自らの潔白を語らない。そしていつしか「自分が犯人では…」と思い始める…(陽春〜シネセゾン渋谷/新宿武蔵野館) 配給:エイベックス・エンタテインメント/ザナドゥー/ファントム・フィルム

・『蒼き狼 地果て海尽きるまで』
監督:澤井信一郎 出演:反町隆史/菊川怜/若村麻由美
内容:チンギス・ハーンの、出生の秘密にまつわる苦悩、生涯の友との友情と裏切り、母や妻への愛、そして同じ宿命を背負った息子への愛と憎しみ。一人の男の真実はほとんど知られていない…(3/3〜全国) 配給:松竹/

・『今宵、フィッツジェラルド劇場で』
監督:ロバート・アルトマン 出演:メリル・ストリープ/トミー・リー・ジョーンズ
内容:伝説の公開ラジオ歌番組のライブショウを舞台にした群像劇。監督の遺作。(春〜銀座テアトルシネマ/Bunkamura ル・シネマ) 配給:ムービーアイ

・『鉄コン筋クリート』
監督:マイケル・アリアス 出演:(声)二宮和也/蒼井優
内容:宝町を根城に自由に飛び回るネコと呼ばれる2人の少年、クロとシロ。ずっと変わらなく見えた宝町に、再開発という名目の不穏な動きが見え始める…。松本大洋原作『鉄コン筋クリート』のアニメ。
(12/23〜渋谷東急ほか松竹・東急系) 配給:アスミック・エース

・『エレクション』
監督:ジョニー・トー 出演:サイモン・ヤム/レオン・カーファイ
内容:NO.1になるのは誰なのか?3世紀の歴史と伝統をもつ組長選挙がマフィアの熾烈なパワーゲームを引き起こす。一瞬の判断ミスが命を落とす危険な頭脳戦であり、力と力のぶつかり合いが選挙(エレクション)の真実である…
(正月第2弾〜テアトル新宿) 配給:東京テアトル/ツイン

・『ディパーテッド』
監督:マーティン・スコセッシ 出演:レオナルド・ディカプリオ/マット・デイモン
内容:マフィアに潜入した警察の男VS警察に潜入したマフィアの男。『インファナル・アフェア』のハリウッド版。
(正月第2弾〜サロンパス ルーブル丸の内ほか松竹・東急系) 配給:ワーナー・ブラザース映画

・『恋人たちの失われた革命』
監督:フィリップ・ガレル 出演:ルイ・ガレル/クロティルド・エスム
内容:1968年5月、パリ。20歳になったばかりのフランソワは、兵役を拒否し、街に出て行く。そこには、彼と同じく、失うものはない若者達が大勢いた。ある日彼は、彫刻家を目指す美しい女性リリーと出会う。一瞬にして恋に落ちる二人。彼らの関係は永遠に続くかと思われたが…
(1/6〜東京都写真美術館ホール) 配給:ビターズ・エンド

・『幽閉者』
監督:足立正生 出演:田口トモロヲ/PANTA/大久保鷹
内容:空港襲撃作戦のメンバーM。手榴弾の不発で1人だけMは自爆作戦に失敗し、この世界へと残された。捕らえられた彼を待っていたのは、悪夢のような水滴拷問。そして豚の飼育と呼ばれる人体実験。Mの前に現れる革命家の幻影。Mの頭は混乱する…(正月第2弾〜ユーロスペース) 配給:スローラーナー

映画のニュース

映画関連のニュースと新作公開情報を紹介するコーナーです。ネットでかき集めたニュースがほとんどなので、不確かな情報もあります。二次使用にはご注意ください。

最新映画ニュース

2007年7月5日
エドワード・ヤン亡くなる

エドワード・ヤンが、6月29日、7年間煩っていた癌の合併症のため、ビバリー・ヒルズの自宅で69歳の生涯を終えた。

癌だったとは初耳だし、アメリカに住んでいたことも知らなかった。『ヤンヤンの夏休み』以来7年ぶりとなる新作『The Wind』が、ジャッキー・チェン製作によるアニメ映画になる予定だったと聞いて、さらに驚いた。ジャッキーをモデルにしたカンフーの達人を描く映画になるはずだったという。ジャッキー・チェンはカンフーの指導もすることになっていたそうである。はたして、この新作がどの程度完成しているのか不明だが、完成していれば、それまでのエドワード・ヤンとは一線を画する作品になっていたはずだ。エドワード・ヤンの新時代が始まっていたかもしれないと考えると、残念でならない。

2007年4月11日
ルイジ・コメンチーニ、亡くなる

『ブーベの恋人』で知られるルイジ・コメンチーニがなくなった。『ブーベの恋人』はゴダールがベストテンに入れたりしているので見ているものの、正直いってそんなに関心をもっていた監督ではない。しかし、「リベラシオン」に載った追悼文や、フランスで出ている映画ガイドなどを読んでみると、その評価が非情に高いので驚かされる。考えてみれば、わたしは『ブーベの恋人』と『パンと恋と夢』ぐらいしかこの監督の作品は見ていない。メロドラマの傑作といわれる『天使の詩』、未公開だが代表作の一本とされている「Le Scopone scientifico」ぐらいは見ておかないと、正当な評価はできないようだ。それにしても、「リベラシオン」の記事その他で、テレビ映画『ピノッキオの冒険』の評価がやたら高いのだが、本当だろうか。

2006年11月22日
ロバート・アルトマン亡くなる

先頃亡くなったジャック・パランスについてなにか書かなければと思っていた矢先に、今日、ロバート・アルトマンが亡くなったことを知った。癌による合併症によるものだという。病気だったとは知らなかった。享年80歳。 正直いって、最近のアルトマン作品はあまりいいとは思えず、わたしのなかではアルトマンはフェイドアウトしつつあった。しかし、『ゴスフォード・パーク』などを見ると、まだまだいけそうな気がしていただけに、残念である。 いまDVDで見ることができるジャック・パランスとロバート・アルトマンの作品はここ

2006年10月20日
ダニエル・ユイレ亡くなる

日記にも書いたように、ダニエル・ユイレが他界しました。このニュースは日本のメディアではほとんど伝えられていないようですが、ブログなどを通じてつぎつぎと報告され、日本の映画ファンにも大きな衝撃を与えています。 幸い、日本では、ストローブ=ユイレの作品が続々DVD化されています。これがとぎれることなくつづいてほしいですね。

ストローブ=ユイレ・セレクション3 今日から明日へ

モーゼとアロン

2006年10月5日
田中登、亡くなる

日活ロマンポルノの名匠として知られる田中登監督が4日に亡くなった模様。 『実録阿部定』、『人妻暴行致死事件』、『(秘)女郎責め地獄』など、田中登の名作は数多いが、わたしにとっては田中登はなによりも『(秘)色情めす市場』のひとだった。

2006年8月31日
グレン・フォード亡くなる

グレン・フォードが30日死去した。90歳。死因は不明。

実は、このニュースを最初に聞いたときは、まだ生きていたのかと驚いた。ついこないだ、グレン・フォード主演の『ポケット一杯の幸福』について書いたばかりである。先日、たまたまテレビで『スーパーマン』(78)を見ていたので、ああ、グレン・フォードがでてる。このころは結構年を取ってたんだなと、思ったりしながら、その数分だけの出演にスターの貫禄を感じると同時に、なにか寂しい気持ちにさせられたことを思い出す。晩年はほとんどゲスト出演ばかりだった。 91年の『JFK』がたぶん最後の出演作だろう(どの役で出ていたのか思い出せない)。

幸い、『ギルダ』『決断の3時10分』『カウボーイ』『復讐は俺に任せろ』など、グレン・フォードの代表作の多くは日本版DVDで見ることができる。これにヴィンセント・ミネリが監督した『黙示録の四騎士』『けっさくなエディ』、ジャック・ターナーによる冒険活劇『地獄の道連れ』、ジョージ・マーシャルの『縄張り』などが加われば完璧だ(マーシャルの『掠奪の町』は『ザ・ウェスタン・ムービー Vol.3 』に収録されている)。ほかにも、リタ・ヘイワース主演の『カルメン』 などが日本でDVD化されている。

   

2006年8月30日

『キャビン・フィーバー』のイーライ・ロスの新作『ホステル』が今秋公開される模様。アメリカの大学生が旅先のヨーロッパで体験する出来事を描いた映画らしいが、ホラーなのかどうかは不明。『キャビン・フィーバー』も正確にはホラーと呼んでいいのか迷ってしまうような作品だったから、今度もそういう映画になっているのかもしれない。タランティーノに激賞され、阿部和重・中原昌也も絶賛した『キャビン・フィーバー』だが、わたしにはいまひとつぴんとこなかった。とりあえず、『ホステル』を見るまでは保留ということにしておく。

2006年8月23日
▽ブレッソンの『シネマトグラフ覚書』が復刊

長らく品切れ状態の続いていたロベール・ブレッソンの名著『シネマトグラフ覚書』(松浦寿輝訳)の復刊が決まった模様。9月に復刊するらしいという情報しかつかんでいない。

http://www.kinokuniya.co.jp/01f/fukken/index.html

定価は2千円強なのに、Amazon のマーケットプレイスでは6万円なんてばかみたいに高い値段がふっかけてあります。復刊が決まってざまあ見ろって感じですね。まあ、わたしは持っているから関係ないんだけれど(ちなみに、わたしのブログのサブタイトルみたいにしてつけてある、"Notes sur le cinématographe" というのがこの本の原題です)。

とりあえず報告まで。

2006年8月2日

これからどんな映画が公開されるかをひさしぶりに調べてみた。なんとラウール・ルイスの『クリムト』が公開されるではないか。もう何年も前にホームページで紹介していた作品だが、いっこうに公開される気配がないのであきらめかけていたものだ。クリムトほどのビッグネームがからんだ作品でもだめなのだから、ラウール・ルイス映画祭なんて夢の夢かと思っていたのだが、とりあえずこれが見られるだけでもありがたい。

ベルイマンの『サラバンド』も公開されるようだ。ついでにジャン=クロード・ビエットの『サルタンバンク』も公開してもらえるとありがたいのだけれど。

2006年4月29日
カンヌ映画祭

5月17日より始まる第59回カンヌ映画祭は、話題の『ダ・ヴィンチ・コード』で幕を開ける。コンペ部門の注目作は、ソフィア・コッポラの『Marie-Antoinette』、リチャード・リンクレイターの『Fast Food Nation』、ペドロ・コスタの『Juventude em marcha』、アキ・カウリスマキの『Les Lumières du faubour』など。審査委員長はウォン・カーウァイ。コンペではないがほかの部門でモンテ・ヘルマンも審査員をつとめるらしい。

2006年2月21日
『DEATH NOTE』が映画化

前に紹介した『DEATH NOTE』が映画化される模様。これってまだ完結していなかったと思うのだが・・・。9巻まで読んだが、最新刊の10巻で完結するとも思えない(したのか?)。主演が藤原竜也だというのはぴったりだ。しかし、あの話をどうやってまとめるつもりなのか。ワーナーがバックについての映画化ということらしいが、詳細は知らない。

2006年1月19日
シェリー・ウィンタース亡くなる

女優のシェリー・ウィンタースが84才で亡くなった。40年のなかばにデビューして以来、つい最近になるまでずっと映画に出演しつづけた名女優だった。主役作品はほとんどなかったと思うが、脇役としてなくてはならない存在だった。キューカーの『二重生活』、『陽のあたる場所』、『狩人の夜』など、なぜか殺される役ばかりが記憶に残っている。そのほかの代表作は、『赤い河』『ウィンチェスター銃'73』『ビッグ・ナイフ(悪徳)』『拳銃の報酬』など。ロジャー・コーマンの『血まみれギャングママ』では珍しく主役を務めているようだが、実はまだ見ていない。惨めで、哀れっぽい女の役をやると実に様になった人だったが、ギャングママの彼女も見てみたい。

2005年10月16日
ダグラス・サークの季節到来?

ダグラス・サークの『Scandal in Paris』『Accord final』ほか数作品が東京横浜などで上映される模様。ちなみに、『Scandal in Paris』はDVD上映。これはたぶんわたしがもっている北米版のDVDだと思う。2000円も出せば手に入るものだが、今回の上映では入場料に1200円も取るらしい(青山真治をゲストに呼んでのレクチャー付きだから、妥当な値段か)。

まあどうでもいい。それより『Accord final』は関西では上映されないのだろうか。東京フィルメックスでの上映だから、今回だけの特別上映ということか。こういうときだけは、さすがに東京に住んでいるヤツがうらやましい。東京国際映画祭で上映される映画はあまり見たいとも思わないが、東京フィルメックスの上映作品には見たいものがいろいろある。国際映画祭の名にふさわしいのはむしろこっちのほうではないかという気がしてくる。 『サーク・オン・サーク』も出版されるそうだが、詳細はわからない。これもわたしは大昔に英語で読んでいる。自分で翻訳しようかと思ったこともあるが、売れそうにないのでやめた本だ。

サーク情報はここで。

■2005年10月13日
ハロルド・ピンターにノーベル文学賞

ジョゼフ・ロージーの『できごと』『召使』、『恋』などで知られるイギリスの劇作家ハロルド・ピンターがノーベル文学賞を受賞した模様。

できごと 『できごと』

2005年9月15日
ロバート・ワイズ亡くなる

『ウェスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』などで知られるロバート・ワイズ監督が14日、亡くなった。 というか、まだ生きていたのかとちょっと驚いた。個人的には、物語の時間と映画の時間をシンクロさせて描いたボクシング映画(フィルム・ノワールといってもいい)の名作『罠』やSF『地球の静止する日』、黒沢清がホラー映画ベスト50の第9位に選んでいる『たたり』などが心に残っている。

たたり 『たたり』

RKOの編集者として出発し、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』と『偉大なるアンバーソン』の編集などを担当したのち、ヴァル・ニュートンの製作で『キャット・ピープルの呪い』を監督してデビューする。彼の代表作としては『ウェスト・サイド物語』『サウンド・オブ・ミュージック』が挙げられることが多いが、この二作がワイズの才能を十分に示しているかどうかは疑わしい。とりわけ、ミュージカル映画をある意味で終わらせてしまった『ウェスト・サイド物語』の功罪の罪の部分はもっと問われるべきだろう。この機会に『拳銃の報酬』をDVD化してほしい。

2005年9月12日
ヴェネチア映画祭閉幕

第62回ベネチア国際映画祭の授賞式が最終日の10日夜(日本時間11日未明)おこなわれ、金獅子賞は『グリーン・デスティニー』の名匠アン・リー監督のカナダ映画「ブロークバック・マウンテン」が選ばれた。「ブロークバック・マウンテン」は1960―80年代の米国を舞台に、愛し合う2人の男性が保守的な社会の現実に直面していく物語。 監督賞(銀獅子賞)は、フィリップ・ガレルの「エブリデー・ラバーズ」、審査員大賞は「マリア」(アベル・フェラーラ監督)が受賞した。 残念ながら、北野武監督の「TAKESHI’S(タケシズ)」は無冠に終わった。

2005年9月11日
パナソニックDVDレコーダーのニューモデル

パナソニックのDVDレコーダーの秋モデルが発表された。現行モデルに「どっちも録り」、二層DVD-Rなどが追加される模様。わたしが期待していたマニュアル・モードやXP+モード、2パス・ダビングなどは機能追加されないようだ。二層DVDにはいまはあまり魅力を感じないし(メディアがいっこうに安くならないし、まだまだ不安定らしいのも心配だ)、すでにあるレコーダーを使えば「どっちも録り」はそれほど必要でない。現行モデルよりも数万円よけいに払って買うこともないだろう。パイオニアの秋モデルに期待したいが、出るのは10月末ごろだろうし、それまで待てるだろうか。

2005年9月8日

こんなページを書いているが、実はあまり映画のニュースにそれほど気を配っているわけではない。『シンデレラマン』の監督がロン・ハワードだということも、ついさっき知ったばかりだ。 このサイトに来る人は基本的にみんな ROM ばかりなので、情報はひとりで集めている。というわけで、あまり大したネタはないのだが、最近入手した情報をいくつか書いておく。 ・先頃亡くなった石井輝男の『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』がヴェネチア映画祭で追悼上映された模様。 ・テレンス・マリックの新作『The New World』の米公開日が延期。 ・新作 "Where the Truth Lies" のレイティングがNC-17とされたことに対し、アトム・エゴイヤンが裁判で争っていたが、結局破れた模様。

2005年9月6日
ヴェネチア映画祭

「ル・モンド」のWeb版に、ヴェネチア映画祭で上映されたオリヴェイラ、パク・チャン・ウォク、北野武の作品についての簡単なコメントが出た。武の作品については、サプライズ上映のことと作品の簡単な説明があったあとで、最後を「sympathique mais mineur」(「好感が持てるが、重要ではない小品」)という文句で結んであった。海外メディアの記事を読んだのはこれだけだが、おおかたはこういう評価になっているのではないかという気がする。 オリヴェイラの作品は悪くないようだが、真の驚きはグルジアの Gela Babluani が撮った『13 (Tzameti) 』だ、とこの記者は書いている。ガレルの新作の評判もかなりいいようだし、『TAKESHI'S』の受賞はきびしいだろう。

▽デジタルDVDレコーダーの行方

デジタル放送のコピー規制が緩和されるという話がある。そうなると、一部デジタルDVDレコーダーのなかには対応できなくなるものが出てくるらしい。ファーム・ウェアーでアップデートできるものもあれば、それではだめなものもあるということだ。とはいえ、わたしがつかんだ情報は曖昧なものが多いので、詳しく調べてみる必要がある。

2005年9月3日
北野武の新作がヴェネチアのコンペに出品

武が新作を撮ったらしいということは、テレビの発言で知ってはいたのだが、まさかヴェネチアに出品されていたとは知らなかった。完成が間に合わなかったので、本人は出すつもりはなかったところ、ヴェネチア映画祭のスタッフがパイロット版を見て是非コンペにと向こうからいってきたという。映画祭では監督名を伏せて覆面上映され、大反響だったと日本のメディア(というかインターネットのメディア)は伝えている。実際はどうだったのか確認しようと思ったが、昨日上映されたばかりで、まだ Liberation や Le Monde には記事は出ていない。

その新作『TAKESHI'S』は、大物タレントビートたけしと、芸人を目指してコンビニでアルバイトする北野武の、同じで別の二人の武が対話しあうという破天荒な作りになっているという。ヒットするかどうかは全然考えず、あえて違和感のある作品をそれまでの集大成として作り上げ、次のステップへと踏み出そうということらしい。とんでもない失敗作になっているかもしれないが、こういうことができるのだから、まだまだ彼には可能性がある。

11月、全国松竹系ほかロードショー 

公式ホームページ:http://www.office-kitano.co.jp/takeshis/

▽次世代DVDの規格統一が決裂

一週間ほど前、ソニー陣営と東芝陣営によって薦められていた次世代DVDの規格統一をめぐる話し合いが、決裂したとのニュースが流れた。両陣営はまだ話し合いはつづけるといっているが、事実上もうだめではというのがおおかたの見方だ。なんとなく予想はしていたが、これは困ったことになった。二つの企画が併存するということになれば、競争原理が働いてものが安くなることをのぞけば、ほかにまったくいいことはない。 さしあたっての問題は、2台目のDVDレコーダーをどうするかだ。だいぶ前からあれこれ悩んでいて、結局 Panasonic の DIGA の新機種(LPモードが綺麗というのを売りにしている)の BSチューナー付きのやつに決め、もう少し待てば秋モデルが出るというのも視野に入れて、値段がまだ下がるの待っていたのだが、こうなってくるとブルー・レイも念頭において考えておいたほうがいいのだろうか。

2005年8月16日
ルーヴル美術館が映画をプロデュース

ルーヴルで撮影された映画についてこのあいだ少し触れたが、今度はルーヴル美術館がみずから出資して映画を製作するという企画が現在進行している。数作品が順次撮られる予定で、この企画においては、ストーリーにルーヴルをからませるという唯一の制約をのぞいて、あとは監督の自由に任せられる。 この企画の最初の監督として指名されたのが、ツァイ・ミンリャンだ。主演はすでに『ふたつの時、ふたりの時間』で共演しているリー・カンションとジャン=ピエール・レオ。2作目以後の監督もある程度決まっているらしいが、秘密とのこと。

2005年8月5日

物議をかもしているスピルバーグ監督の次回作のタイトルが「Munich」に決定した模様。内容は72年のミュンヘン・オリンピックで実際に起こったテロ組織「黒い9月」によるテロ事件を題材にしたもので、ピュリッツァー賞作家トニー・クシュナーが初の映画脚本を担当している。撮影はすでに開始されており、今年の12月23日に全米で公開される。新イスラエル的なスピルバーグが事件をどう描くか(だいたい予想はつくが)。ある意味『宇宙戦争』の続編的な映画になるかもしれない。 言うまでもないこととは思うが、「黒い九月」という名称は、ゴダールの『ヒア&ゼア』にも深い影を起こしている事件から取られている。

2005年6月22日
ソニーも二層式DVDレコーダーを発売

パイオニアの二層式DVD-R対応HDDレコーダー DVR-530H に食指が動いていたのだが、つい先日、ソニーからも二層式に対応した DVDレコーダー新「スゴ録」シリーズが売り出され、また選択肢がふえた。 今度の第3世代となる「スゴ録」は、二層式DVD+R 録画に加え、ダブル・チューナー搭載など、前の2世代に比べ大幅にヴァージョン・アップしている感がある。正直、心惹かれる内容なのだが、問題は、今回もマニュアル録画モードが見送られたこと。これさえあれば迷うことなくこれを買うのだが・・・。

「スゴ録」シリーズは録画画質の良さに加え、チューナーの性能が抜群にいいので、ハードディスク録画の画質に関してはピカイチちといっていい。ただ、そこまで画質にこだわりながら、DVD-R にダビングするときの画質にあまりこだわっているように見えないのが残念というか、謎である。今度の「スゴ録」でも、「2時間モード」の次は「2時間半モード」しかなく、たとえば2時間5分の映画でも、「2時間半モード」でダビングするしかない。この点で、マニュアル録画モードを当たり前のように備え、さらには従来の一層式DVD-Rに長時間映画を録画する際の画質にもとことんこだわっているパイオニア機は、わたしにはやはり魅力だ。 それから、「スゴ録」が対応している二層DVDメディアは DVD+R DL で、パイオニアのほうは DVD-R DL だという違いも見逃せない。

この二つの相違点は、わたしにはイマイチわからないのだが、どうもパイオニアの DVD-R DL のほうが互換性も高いし、将来性もあるように思える(もっとも、どちらも次世代DVD がでるまでのつなぎ的なものであることは、否めないが)。ソニーのホームページを見ても、DVD+R DL の互換性についてはなにも書いていないのも、不安を感じさせる。せめて、旧「スゴ録」で再生可能かどうかぐらいは書いておいてほしいものだ。ちなみに、パイオニアの DVD-R DL は第2、3世代の「スゴ録」では再生可能だが、わたしの持っている第1世代のでは、再生できないらしい(某レビューのページで実験の結果)。 どちらのメディアも今のところ千円強の値段で、あいかわらず結構な値段である。手頃な値段になるまでにはまだ時間がかかりそうだ。

2005年6月17日
モンテ・ヘルマンの新作!

偶然だが、先日、モンテ・ヘルマンの簡単なバイオグラフィーを書いてからしばらくして、フランスでヘルマンの『銃撃』『断絶』などがリヴァイヴァルされた。「リベラション」の web サイトにヘルマン自身による略歴が掲載されていたので、それを参考に「モンテ・ヘルマン」を一部加筆訂正した。そこにも書いたが、モンテ・ヘルマンが新作を準備中とのうれしい知らせがある。ダリオ・アルジェント、トビー・フーパーらとともに、ホラー・オムニバス映画『Trapped Ashes』という映画を撮っているらしい。 ちなみに、『バッドマン・ビギンズ』がフランスでも公開中なのだが、「ル・モンド」のレビューにも、「リベラション」のレビューにも、Ken Watanabe の名前は一言も出ていない。

2005年6月10日
サマリテーヌが閉鎖

あのサマリテーヌ百貨店が閉鎖するらしい。建物が安全基準を満たしていないとかで、これから6年間かけて改築するそうだ。6年間とは長すぎやしないか。実際、雇用者のあいだではこのままずっと閉鎖されたままになるのではないかという不安も広がっているという。『ポンヌフの恋人』の橋のたもとにも姿を見せていたあの瀟洒な姿が、これから見られなくなるのかと思うと残念だ。 ちなみにサマリテーヌの名は、ポン・ヌフ橋北側の岸に17世紀初めから19世紀初めまであった揚水ポンプの名前から来ている。そこからルーブルやチュイルリーに給水を行っていた。 la Samaritaine (サマリアの女) の名称自体は、 「ヨハネによる福音書」で、ユダヤ人と交際のないサマリア人の女にイエス・キリストが井戸の水を飲ませてほしいと頼み、不審に思う女に、「わたしが与える水を飲む者は渇くことがない」と生命の水について教える説話にちなんでいる。 むろん、キム・ギドクの『サマリア』も、この聖書に登場するサマリア人のエピソードからタイトルを取ってきている。が、こちらはむしろ、強盗に遭ってけがした男を祭司やレビ人は見て見ぬふりをして通りすぎるが、サマリア人は傷の手当をして宿屋まで連れてゆき、自分の費用で主人に世話を頼むという、「ルカによる福音書」が意識されているようだ。

2005年5月23日
『神聖喜劇』がシナリオ化

以前、自分のやっているメルマガで、大西巨人の『神聖喜劇』のことを紹介したことがある。映画ファン向けのメルマガだったので、わたしの短い紹介をきっかけにしてこの長い小説を読みはじめたという人は、皆無だったと思う。まあ、映画とは無縁の話だったのだが、最近、この小説を映画のシナリオに書き直した本が出ているのを、ジュンク堂で見つけた。出版されたのは去年の年末らしい。脚本家の荒井晴彦がシナリオ化したものだが、別に映画化の話が決まっているわけではなく、荒井がやりたくて勝手にやった仕事みたいだ。荒井晴彦と『神聖喜劇』というのは、わたしにはだいぶ違和感があるのだが、そのシナリオを実際に読んだわけではないので、コメントは控えよう。それにしても、『神聖喜劇』を映画化できる人間なんていまの日本にいるのだろうか。だれが監督しても、熱血軍隊ものみたいな映画になりそうで怖い。ストローブ=ユイレならたぶん・・・などと、あり得ないことをふと夢想する。 『神聖喜劇』は今のところ光文社文庫から出ているが、5巻本で本屋のスペースも取るので、近いうちに間違いなく絶版になると思う。買うならお早めに。

2005年5月17日
セガン島のプロジェクトが挫折

セガン島のルノー工場跡に美術館を作るという一大プロジェクトは挫折したらしい。日本の安藤忠雄のデザインが採用される予定だったというから、残念である。行政側の腰が重くて、プロジェクトがなかなか進行せず、結局中途で挫折したということだ。セガン島のルノー工場はフランス労働運動の聖地といわれてきた。ゴダールが『愛の世紀』の舞台の一つにここを選んだのは、むろんそうした歴史の記憶がこの場所に刻み込まれていたからだ。その工場はいまや完全に解体されて更地になってしまっている。美術館のプロジェクトも挫折してしまったし、しばらくこの状態が続きそうだ。『愛の世紀』がこの場所を最後にキャメラに収めた映画となったのだろうか。まだ工場が残っているあいだに一度訪れようと思っていたのだが、結局果たせずに終わってしまった。

2005年4月15日
北野武が「カイエ・デュ・シネマ」の特集を飾る

フランスの映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」は今月号で600号を迎える。その記念すべき600号の編集企画を北野武が任されたらしい。武は609枚の写真をカイエに送り、様々なシネアストがそのなかから4枚の写真を選んで、それを使って1ページの " cine-manga" を作るというゲームを思いついた。このゲームに参加したのは、アサイヤス、デプレシャン、ドワヨン、クロード・ランズマン、ホン・サン・スー、ガス・ヴァン・サント、アピチャポン・ウィラーセクタン等々。そうそうたる顔ぶれだ。見てみたい。それにしてもこういうことがほとんど話題にならないとは、日本のマスコミにはほんとに感心する。(ちなみにカイエの400号はヴェンダースが、500号はスコセッシが編集した。) 長らく機能していなかった公式サイトのほうもまもなく再開するらしい。         

2005年4月2日

ポール・トーマス・アンダーソン監督の次回作は、社会主義的な活動に取り組んだことでも知られるアメリカ人作家、アプトン・シンクレアの小説『Oil』の映画化になる模様。『Oil』は、カリフォルニアの石油産業の闇に光を当てた、スキャンダルと裏切りと政治をめぐる物語とのこと。実現すれば、アンダーソンにとって初の原作ものとなる。

2005年3月7日

『ヴェルクマイスター・ハーモニー 』のベーラ・タルの新作は、ジョルジュ・シムノンの小説『ロンドンの男』の映画化に決まった模様。この小説の舞台はノルマンディーだが、ベーラは舞台をコルシカの港町バスティアに設定。2週間で古い港を駅の舞台装置に変えてしまい、撮影を行うという。原作は43年にアンリ・ドコワンによって映画化されているらしいが、日本では未公開のようだ。 これ以前のニュース&噂  

 

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