映画の誘惑

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アンドレ・ド・トス

Andre De Toth

アンドレ・ド・トス
André De Toth (Toth Endre )

(本名:Sasvrai Farkasfalvi Tothfalusi Toth Endre Anral Mihaly)

1910- 2002

経歴

マイケル・カーティスなどと同様のハンガリー系アメリカ人。

劇作家フレンツ・モリナールに師事したあと、ハンガリーの映画界にはいって、有名な撮影監督 Istvan Eiben の撮影助手を務める。30年代は、ヨーロッパやアメリカなど世界各地に移り住む。このころすでに何度か渡米し、ウィリアム・ディターレの『ゾラの生涯』(37)の脚本に協力したこともあるという。 この間、ハンガリーに帰って数本の映画を撮ってもいる。 このころ撮った作品が、ハリー・コーンの目にとまったことがあったようだ。

ロンドンにいたときは、アレクサンダー・コルダの作品に、助監督や第二班の監督として協力している。しかし、クレジットされているのは『ジャングル・ブック』ぐらいである。渡米する前に、ジュリアン・デュヴィヴィエの『リディアと四人の恋人』の脚本にも協力している。マール・オベロン作品が多いのは、コルダとの関係からだろう。

43年に、本格的に渡米。47年に、当時の妻ヴェロニカ・レイク、チャールズ・ラグルス、ジョエル・マクリー主演で撮った西部劇『復讐の二連銃』で頭角を現す。50年、ヘンリー・キングの『拳銃王』の原作で、オスカーにノミネートされる。ド・トスは、主演にグレゴリー・ペックではなく、ゲイリー・クーパーを考えていたという。クーパー主演の西部劇は『スプリングフィールド銃』で果たされることになるだろう。

53年、3-D方式で撮られたホラー映画『肉の蝋人形』が大成功を収めるが、ド・トスは片眼が見えないため、立体像を認識できなかったという。この作品は、ヴィンセント・プライスの出世作ともなった。

スターリング・ヘイドンを起用したスリラー『土曜日正午に襲え』Crime Wave(54)は、このジャンルを代表する傑作のひとつに数えられる。つづいて撮ったカーク・ダグラス初の製作作品『赤い砦』The Indian Fighter(55)は、ネイティヴ・アメリカンを新たな視点から描き、彼の西部劇を代表する作品となった。 ちなみに、フランスの批評家たちがもっとも評価していた彼の西部劇は、この作品である。

59年、フィリップ・ヨーダン脚本による美しい西部劇『無法の拳銃』 を撮ったあと、60年代になって、ド・トスはアメリカを去ってヨーロッパに渡る。そこでデイヴィッド・リーンの『アラビアのロレンス』や、「007」シリーズに協力したといわれる。また、ケン・ラッセルの『10億ドルの頭脳』(67)の脚本を書いたりもしている。

肉の蝋人形

Internet Movie Database によると、唯一、俳優として出演した作品が、トビー・フーパーの『スポンティニアス・コンバッション』なのがおもしろい。 タランティーノの『レザボアドッグス』(92)は、ド・トスに捧げられている(記憶にないが)。なんだかんだいっても、タランティーノはやっぱりセンスがいい。

ド・トスは、ヴェロニカ・レイク(44─52)をふくめて、生涯で7度結婚し、19人の子供をもうけている。

2002年10月27日、動脈瘤のため、カリフォルニア、バーバンクにて死去。

 

ド・トスは30年代から映画を撮り始めた監督だが、60年代に入ったとたん、ハリウッドから逃げるようにしてイタリアに渡り、そこでつまならない映画を撮って、やがて引退するという、晩年の暗さというか、60年代以後のフィルモグラフィーのすかすか感は、ニコラス・レイを始めとする多くの50年代作家たちと重なってくる。しかし、19人も子供を産んで死んでいったのだから、案外幸福だったのかもしれない。

フィルモグラフィー(DVD)

その他の代表作: 『黒い河』(44)、『おとし穴』(48)、『Man in the Saddle』(51)、『平原の落雷』(53)、『The Stranger Wore a Gun』(53)、など。

拳銃王

『ザ・ウェスタン・ムービーズ Vol.3』(上)に『叛逆の用心棒』が収録されている。

参考文献

 

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