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和茶


阿茶のいなくなったびーさんちでは、
7年前に彼がやって来た「7月15日」に奇跡が起きるという「再来説」が、
まことしやかに話題にされるようになりました。
結局、当日は何ひとつ起きませんでしたが、
その2日後、ご主人がキジトラの子猫と遭遇し、
それで触発されてしまったびーさん夫妻。
考えた末、動物愛護センターというところに出かけました。
ここには市内のあちこちから、迷ったり、捨てられたりした犬や猫が集められており、
希望者は里親になることができます。
すぐに登録し、それから2週間、連絡を受けて再びセンターに出かけた夫妻は、
キジトラのオスの子猫を1匹もらう手続きをしました。
名前はすでに決まっていて、「吾輩は和茶である」という連載も始まりました!



和茶
「白猫ってか」
顔の真下からカメラが捉えた和茶。
全身で唯一、白くある顎がドアップに。


新連載
 吾輩は和茶である 

第1回〜第10回はこちら
第11回〜第20回はこちら
第21回〜第30回はこちら
第31回〜第40回はこちら
第41回〜第50回はこちら
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第81回〜第90回はこちら

第91回 (2015.05.11)

大のお気に入りの一つ、キャットタワーが壊れてしまった。
話は何日か前に遡る。
2階の支柱がぐらぐらするようになったことを、おばさんがおじさんに訴えた。
その支柱の上の棚板で寝そべることの多い吾輩を心配してのこと。
吾輩としてはぐらぐらするのだって気持ちいいぐらいにしか思ってなかったのだが、たしかに事故が起きてからでは遅い。
そうなる前にとおじさんが修理を言いつかった次第。
支柱は他に2本あって、爪とぎの役目も果たしている。
吾輩に限ったことではないだろうが、爪とぎをする場所というのは結構決まってて、同じところばかりがボロボロになってしまうため、おじさんが前に一度、すべて解体して支柱の場所替えをしたことがあり、それで今度も上手く行くと思ったのか、簡単に引き受けたようだった。
ところがこれが、そうは行かない。
歳月とともにタワーが歪んだのか、おじさんの能力が低下したのか、解体しようにも螺子が途中までしか回らなくて外せない。
それじゃあと作戦変更し、反対に回して締め上げて行き、ぐらぐらする余裕をなくそうと考えたらしかった。
振れ幅を小さくはできたものの、まだぐらぐらする。
もうひと締めした途端、すこんと急に軽くなった。
支柱が本体と底とに分離して、底だけが棚板に残されてるではないか。
要するに、おじさんがキャットタワーを壊してしまった瞬間だった。
結局、2階まるごと粗大ゴミとなり、タワーと呼ぶには高さのなくなった代物が置かれることとなってしまった始末。
と、おばさんが新しいキャットタワーを購入してくれた。
今までよりずっと高くて2代目なので、キャットスカイツリーとでも名付けようか。
複雑な構造にもなってて、おじさんが迷いながら組み立てる。
ハウス付き、ハンモック付き、ロープ付き、そして最上部に猫耳まで付いている。
ここで吾輩ならではの問題が生じた。
ハウスを体格が、ハンモックを体重が、それぞれ超過しているのだ。
早い話、猫用とは言っても標準サイズの猫しか対象にしていないらしいのである。
寄れる場所がなくては寄るに寄れない。
憂えたおばさんが、さっさと最上部およびハウスを取り外してくれたので、キャットタワーよりちょっと高いだけのスカイツリーにはなってしまったが、やっと吾輩相応の空間ができた。
並べて置かれた2基を独り占めし、自由に往来する。
吾輩、お蔭さまで本日をもって満7歳、超標準サイズの猫として過ごす毎日である。


第92回 (2015.08.11)

今年はどういうわけか無警戒、無抵抗なまま、ひょいとおじさんに捕まって、出かけた先がツジカワ犬猫病院、てな具合だった。
ほんと、あっと言う間だった。
診察室にこそ先客がいたものの、次がすぐ吾輩の番で、ここもとんとん拍子かと思いきや、意外と待たされる。
先客がちょっと大変だったようで、結局そのままご入院に。
この間、別の扉から助手のおねえさんが出てきて、吾輩の熱と体重を測りますって。
熱は平熱、体重は7・6kgだった。
まあ、減量も増量もしていない。
それから診察室に呼ばれたので、その分さっさと済むのも分からないでもないが、それにしても早かった。
坊主頭先生はどこに行ってしまったのか、呼んだのはツジカワ大先生。
ワクチンをお尻に打つと「はい、結構ですよ」でおしまいに。
おじさんが慌てて「質問があるんですが」と粘る。
毎年よりによって過酷なこの時期に外出することになるので、接種をもっと早く、またはもっと遅くできないか?とまず第1問。
きちんと伝わらなかったのか、夏にワクチン接種してもトラブルはありません、と。
その後どうにか、秋にしてもらってもいい、という答えをもらって引き下がる。
吾輩が7歳になったことで食事を変えなくてよいか、という第2問はとても聞けなかったそうな。
まっすぐうちに戻る。
今年はほんと、あっと言う間のできごとだったにゃあ。


第93回 (2015.12.31)

「吾輩は和茶である。名前はまだないどころか・・・」からまた始めなくてはいけないくらい、御無沙汰していた吾輩である。
吾輩に限れば相変わらずだったのだが、おばさんたちが何やら平常を保てなくて、御無沙汰することになってしまったらしい。
「連載」という言葉を重く感じるけれども、またどうぞ御贔屓に。
さて、今年も大晦日である。
おばさんたちは、大掃除も平年どおりとは行かなかったようだが、吾輩は、ちょっとでもビニールの紐や袋が放置されていれば、見逃すことなく齧りに寄っておばさんを慌てさせたり、サッシの外側を拭くおじさんの動きに合わせて、内側でちょこまか動いたり、平年どおり参加して過ごした。
昨日今日の大掃除に限らず、冬となり、おばさんの用意する食卓に鍋物が登場するや、洗い終わった牡蛎が水を切るため笊に置かれてあれば、くっつくほど鼻を近づけてその鮮度を確認(?)したり、お皿に載ってた鶏ごぼうを1個出窓に転がし、1個シンクの中に落っことし、という具合におもちゃにしたり、ひとつも変らない毎日の生活を楽しんでいる。
それは、明日からの新年も同じだろうと思う・・・にゃんてね。
それでは、どちらさまも、よいお年を!


第94回 (2016.12.31)

前回、と言ってもちょうど一年前になるが、「連載」という言葉を重く感じる、なんて言って御無沙汰していたのに、その比ではないくらい御無沙汰を重ねてしまい、誠に恐縮している吾輩である。
どうもおじさんに問題があるとかないとか、とにかく吾輩は至って元気なのだ。
さて、今年も大晦日である。
おばさんたちの大掃除に平年どおり参加した。
状況はもうご想像におまかせします。
一年ぶりでパソコン操作にも戸惑っている吾輩、来年はどんどん更新できたらいいにゃあ・・・。
それでは、どちらさまも、よいお年を!


第95回 (2017.09.17)

今年も気がつけば9月半ば、秋に入っている。
もう少しうかうかしてたら、また、大晦日のたびに「よいお年を!」とだけ連載する紅白猫になるところだった。
吾輩に限って言えば、顔の真ん中、鼻のあたまにホクロができた以外、何も変わらない。
おばさんたちの困ることばかりして、好きなように暮らしている。
ただし、吾輩を取り巻く環境は、大きく変わってしまった。

吾輩は今、地上7階で生活している。
やたら長ったらしくて言うのも書くのも面倒な名前のマンションの一室、高所恐怖症のおじさんにすればベランダに決して出ることのできない空間を住居としているのだ。
吾輩抜きの事情が何やらあって家屋を建て替えることとなり、その間の仮住まいに引越したのが先月半ば。
まだ夏の暑さが居座ってて、引越しでへとへとになった話が山ほどあるけど、それはさておき、あっという間に1ヶ月か。

最初は、いきなり連れて来られて何が何だか分からず、うろうろした挙句に見つけた、水の抜かれたバスタブの中でじっとしてることしかできなかった。
おじさんに抱え上げられ、違う場所に連れて行かれても、そそくさと頑なにバスタブに戻り続けた。
おばさんの「マグロで釣ろう」作戦には、まんまと釣られたけど・・・。

翌朝には、熱中症になったかのように鼓動が速まり、犬のように口が開いてきてしまって舌を垂らし、はあはあ、はあはあ。
狼狽したおじさんが吾輩に聞こえるのも構わずツジカワ犬猫病院の名前を口走るので、吾輩も焦ってくる。
おじさんの服ばかりが掛けられてるクローゼットの奥を見つけ、そこに隠れたら妙に落ち着いてきた。
結局、ツジカワ行きは見合わせられた。

・・・てな訳で、今の吾輩、ご飯とトイレ以外はクローゼットの奥という生活。
それでも徐々に慣れては来ていて、お腹をびしょ濡れにしたり、廊下に足跡を残したり。
こうしてパソコンの前にも着席できた。
ひさしぶり過ぎの「吾輩」、さて、次回はどれくらい先になるかにゃ?






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