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Rose Centifolia
Redoute, Pierre Joseph


はじめに



当ページに興味を持っていただき、ありがとうございました。

このホームページは、化学合成農薬を用いずにバラ栽培をするいくつかの方法について紹介するのを主な目的としています。それらの方法には大別して、

 
  1. 耐病特性の優れた品種の選定
  2. 生育環境の整備による耐病性の向上
  3. 非化学農薬に分類される散布液による病害虫防除
  4. コンパニオンプランツによる病害虫防除

などの方法が考えられますが、当ページでは主に(3)について紹介し、一部(2)について考えてまいります。(1)については、各種ナーセリーのカタログや、バラの入門書が参考になると思います。(4)に関しては、LINK集をご覧下さい。無農薬・自然エキス栽培のパイオニアのお一人であり、パソ通でもアクティブな、KihoさんのKiho's Gardenなどがおすすめです。

Kiho's Gardenへ直行→

なお、上記の方法の根本に位置する技術として、「総合防除:IPM」(Integrated Pest Management) の考え方がありますが、当HPも将来的にはこの方向に展開できればと思っています。(もっとも庭のような狭い環境では、どこまで有効か分かりませんが(^^;)


 

テレビや新聞をはじめとするマスコミ・ジャーナリズムの過剰な扇動によって、我が国では、一般人の農薬に対する印象は極めて悪いものになっています。農薬栽培と聞いただけで、ほとんど条件反射的にその作物を忌避する一部の人々などにその弊害が見てとれますが、残留農薬の持つリスクの程度や食料問題とのバランスに関する問題への無関心、あるいは食用作物にも当然ながら含まれている植物本来が持つ天然防御物質(これは同時に人間にとって毒性物質でもある)の、無農薬栽培による増大等に関するリスクの可能性(これは確定していないが)に対する無見識など、大騒ぎしている人々の中には、ただ煽られて「流行」に乗せられているだけの人も多く存在しているようです。

意外に思われたかもしれませんが、私は農産物に対する農薬使用に関しては、消費者の立場として「安直な反対者」、つまり代替案の提示なくして、ただやみくもに反対するだけの人間にはなりたくありません。決して現状が望ましいものとは考えていませんが、現状の栽培技術と防除技術のレベルを考えれば、「絶対反対」を唱える人たちの「正気」を逆に疑わざるをえないという立場です。

一方、バラ栽培のような趣味園芸の世界ではどうでしょうか?
この世界では、私たちは苗木や用品の消費者であると同時に、栽培者でもあります。つまり、農薬を使用する側に立つわけですが、これで事情が180°逆転します。趣味の世界は基本的に「自分個人の楽しみ」のためにあります。生産農家においては、農薬を利用することが、生産の効率化による生産量や利潤の増大を生み、さらには製品作物による消費者への貢献につながるわけですが、趣味の世界では、このようなことは通常、一切関係ありません。したがって原則として趣味園芸は社会貢献にはなりえないと考えられます。せいぜいキレイなバラの花を道行く人が眺めてよい気持ちになる程度のものでしょう。運よく一輪進呈されたら、きっとその人は嬉しいでしょうが...
そのようなステージに、生産農家が自身への健康リスクも承知で使用しているのと同等の農薬を登場させることを、リスクとメリットのバランスを考慮した場合どのように考えればいいのでしょうか?

これは、喫煙の問題と似た状況を含んでいるように思われます。最近では、たばこの煙による周囲の第三者への害が広く認識されるようになってきましたが、それでも人前で堂々と煙と火の粉をまき散らす輩のいかに多いことでしょう。彼らにとって、喫煙における自己に関するリスクとメリット(快楽)のバランス意識は大いにメリット側に傾斜しているわけです。また同時に、自分の行いが他者におよぼすリスクに関する意識が、自身の「完全なる自己弁護と正当化」を可能にするほどの膨大な自己へのメリット(喫煙による快楽)によって完全に遮断されているわけです。間接喫煙の害が知られる以前は、単なる「マナー」の問題だったものが、すでにその害が周知のものとなり、結果として人前での喫煙は「モラル」の問題へと変化していったにもかかわらず、です。
誤解を招くといけませんが、私は自制と良心を伴った喫煙を否定するものではありません。自分ひとり書斎で思索の合間にくゆらすパイプの煙は「知性」の香りがするのかもしれません。園芸作業が終わった後の、庭での一服も格別でしょう。私は喫煙しませんしタバコは嫌いですが、昨今は希少な存在となってしまった「良識ある紳士の喫煙」は、逆に「文化の一部」として認めてもいいくらいに思っています。一方、ここで問題にしているのは、人混みでの歩行喫煙等に代表されるTPOをわきまえない「文化を破壊」する、卑しく「痴的」な喫煙習慣です。この両者の区別は重要ですし、これらは次元の異なったものです。

さて、脱線ぎみですが、趣味園芸における農薬使用の問題も、この「マナー」と「モラル」の微妙な境界上に位置を移して来つつあるように思えるのです。現時点では、趣味園芸に用いられる農薬による多数の客観的被害が顕在化しているわけではありません。しかし、「家庭園芸用(化学)農薬」として専用に設計された農薬は私の知る限り存在せず、我々が入手できる園芸用農薬はすべて、営利栽培の生産者が使用するのと同じものを、場合によっては希釈して小口に詰めなおしたものにすぎません。しかし、これを散布するときには、逆に散布液調製時の希釈率がその分低くなるだけで、結局、散布時には生産農家が使用するのと同じ濃度で使用するようになっているのです。したがって、生産者で問題になっている害を、使用頻度の差こそあれ、素人園芸家本人・家族および隣人だけが避けられる保証がどこにあるのか、はなはだ疑問です。
最近は、農薬登録時にチェックされた毒性以外にも、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)や、農薬本来の成分以外に製造上不可避的に不純物として混入する危険物質等、考慮すべき問題が浮上してきています。これはまさに、「一応大丈夫そうだ」と思っていたものが、今後も本当にそうなのか考え直す時期に来ていることを示しているのかも知れません。そして、このようなリスク・ポテンシャルをもつ物質を「自己の快楽」のためだけに使用することは、どの程度の心臓の持ち主なら許されるのか?というところが、興味津々ではあります。現在は思考停止状態で、園芸ブームにひたすら好意的なマスコミ(例の無節操で、その紙名にふさわしくない暗い内容が大好きな某全国紙など)の類も、いったん趣味園芸家による事故が頻発するようになれば、手のひらを返すように「庭の農薬批判」を開始するのは火を見るより明らかです。あ、もっとも例の新聞は例のごとく立場がヤバクなると知らんぷりして記事にはしないかもしれませんが...(^^;)
でも、どっちにしても私たち趣味園芸家は、こんなことで足を引っ張られたくありません。

かくいう私は、心臓の表面はツルツルですし、これ以上あれこれ考えるのも面倒くさいグウタラ、かつ、モラリストを装う偽善者?(^^;;)です。そこで、もうこれ以上悩まなくてもいいように、そしてご近所に対して妙な負い目を持たなくてもいいように、農薬を使うのや〜めた、他のもの使うべぇ。 と、なったわけです。

以下、私の試した方法を中心にして、近所の皆さんに「うちではアブナイ農薬は一切使ってませんよぉ!」と誇りを持って宣言しつつ、噴霧器でぶわァ〜っと、その辺のホームセンターで売っている農薬と較べてずっと危険の少ない(と思う...)防除液をまく方法を、いろいろお知らせしましょう。最初から、完全に農薬を追放する必要はありません。少しづつ試しながら切り替えることもできるでしょうし、今使っている農薬の量を半減することができただけでも大きな進歩かも知れません。出来るところから始めてみませんか?

もっとも、非化学農薬だからといって、無条件に安全と言うわけではありません。念のために、使用にあたって注意すべき点は、通常の農薬散布と同様に考えてください。デタラメな使い方でイタイ目にあっても、当方は一切関知しません。

また、ここで対象としているバラ栽培の規模は、せいぜい30〜50株までと考えています。この程度までなら極端に言えば害虫のかなりの部分は補殺でなんとか対応できますので、なんらかの散布液を使用するのは病害防除に特化でき、非化学農薬派には望ましいパターンとなります。と、いうのも、非化学農薬とはいえ、やはりカビよりは虫を殺す方が毒性が高いと考えられますので、必要以上に強力な殺虫剤は使用しない方がいいだろうと思うからです。人にもよりますが、この株数を越えますと、害虫をいちいち捕まえていては肝心の本業がおろそかになるはずですので、非化学殺虫剤も使わざるを得ませんし、コントロールはなかなか大変になると思います。


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