バラの害虫
病気と違って、害虫は土地によってバラエティがありますね。
私の庭のバラでよくお目にかかるのは、アブラムシ、チュウレンジバチの幼虫、ホソオビアシブトクチバの幼虫、ヨトウムシ、ゾウムシ、スリップス、ハキリバチそして冬の地中でコガネムシの幼虫といったところです。ハダニとテッポウムシには、まだやられたことがありません。
これらの害虫のうち、ゾウムシと地植えバラの根際にいるコガネムシの幼虫を除いて、ほぼ実用上問題ない程度のコントロールが可能になっていますが、実はまだ害虫退治に本格的に乗り出したわけではありません。ゾウムシ以外は被害が比較的軽微なうちに手が打てるので、病気ほどには神経を使っていなかったのです。今後はむしろこちらに力を入れる予定ですが...
ただし、害虫防除はあくまで補殺が原則です。非化学農薬とはいえ、病害防除用にくらべ、殺虫用では毒性のレベルが高くなっているおそれがありますから...。非化学農薬での害虫防除は
(0)補殺あるいは追っ払う
(1)非化学農薬散布による忌避効果の利用
(2)どうしてもダメなときは殺虫を原則と考えています。(1)は、予防的に用いることも可能です。
なお、(2)が最後に来たのには理由があります。なにもGAMIがホトケ様だからではありません。理由は別項「IPMの話」(現在工事中)でお知らせしますが、邪魔者は消せ式の害虫防除の損について解説するつもりです。
ここで、各害虫の生態を詳述したいのですが、病害ほどには詳しい情報を持っていません。そこで、防除法別に、害虫を分類してみました。家庭園芸での害虫の処理は、手でとるのが基本ですが、ここではそれ以外の方法について記します。
1.窒息させる濃い石けん液等で、虫の気門を塞ぎ、窒息させる方法です。私の経験ではケムシやイモムシの類やアブラムシにはきわめて有効ですが、甲虫類には、あまり効果がありません。
2.ただの水で処理ハダニは、葉にシリンジ(霧吹き)することで溺れさせることができるといわれています。実際に効果があるようですが、実はこれ、うどん粉病の予防法でもあり、一石二鳥です。30分から1時間程度で葉が乾くようなタイミングで行ってください。長時間葉が濡れた状態では黒点病のリスクがあります。
なお、米国では水圧で吹っ飛ばすのが、アブラムシ対策の第一歩となっています。そのための道具もあるようですが、日本では蓄圧式スプレイヤーのノズルを調節したり、灌水シャワーのノズルを絞ったりして、これの代用にできると思います。
3.吸い取る小型の真空掃除機で虫を吸い取ります。ゾウムシやスリップス等に有効な方法です。ちなみに、三洋電機のハンドクリーナーのなかには、ゴミ袋の内袋としてティッシュペーパーを利用するものがあります。これだと吸い込んだ後の処理が楽です。吸い口にはフレキシブル・ストローを利用し、すきまを目張りすると、角度が自由になりますし、吸い込みの風速が稼げます。虫をゴミ袋に集めるのがどうしてもいやなら、吸い口の先に古ストッキングやガーゼをかぶせるという手もあります。まとめて逮捕したければ、掃除機の吸い口の先に、「捕虫器」をつけるというのはどうでしょうか?昔、昆虫採集で使った人もいるでしょう。
4.エキス系散布液で処理いわゆる漢方農薬を散布します。たいがいの虫に効果があるようですが、接触毒を利用するタイプでは、テントウムシなどの益虫(天敵)にも被害を与えるため、使用には注意が必要です。薬のかかった葉を食べることによって、虫に、いわば食中毒を起こさせる摂食阻害型の薬剤(例えば緑豊Uなど)では天敵(肉食性昆虫やクモ類)への影響は少ないものの、吸汁性害虫の一部(ゾウムシ等)への効果)はどの程度のものか正確には不明です。(このあたりが、今後の検討事項なんですが、すでに経験あるかたいらっしゃったら、お知らせください)
5.木酢液+植物エキスによる忌避木酢液単体では、濃度を20倍まで上げても害虫に対する忌避効果は十分には期待できません。そこで、他の植物エキスを混合することになります。混ぜる基本は、ニンニクとトウガラシです。
6.化学殺虫剤私のところでは、天然ピレトリン+共力剤のスプレー缶くらいしか使っていません。実は薬品庫には一通りの薬剤は置いてあるのですが、ずっと未開封のままです。
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