Movie Review 2002
◇Movie Index

ピンポン('02日本)-Jul 20.2002
[STORY]
天真爛漫で自信家のペコこと星野裕(窪塚洋介)と、めったに笑わず他人を寄せ付けないスマイルこと月本誠(ARATA)は幼馴染み。2人とも子供の頃から近所の卓球場に通いつめていたおかげで、高校1年ですでにレギュラーになるほどの才能の持ち主だ。しかし2人もほとんど練習することなく、ぶらぶらする毎日だ。そしてインターハイが始まるが、ドラゴンこと風間竜一(中村獅童)率いる海王学園が優勝してしまう。
監督・曽利文彦(『タイタニック』のCG、『ケイゾク/映画』等のVFXスーパーバイザーを経てデビュー)
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原作は松本大洋の同名マンガ。脚本はクドカンこと宮藤官九郎が担当している。ちなみに私は原作読んでません。映画のみの感想となりますのであらかじめご了承下さい。

「俺って天才!」と思ってる男の子と「天才?だから何?」と思ってる男の子、この才能ある2人の男子に、「日本かよ、ケッ」なチャイニーズと「何でお前らが天才なんだよ!」な坊主と「自分の限界は分かってる」坊主が戦いを挑む。
分かりやすいというか、人間をタイプ別に分けるとだいたいこういう分類になるんじゃないか、という登場人物たちのため、ストーリーも試合運びも想像範囲内に進んでいく。でも自分の思った通りに進んでいくのを見るのも快感だったりする(笑)特にこういうスポーツを扱ったドラマにはそれが必要。大笑いするほどじゃなかったけど、自然と口元が緩んで、次にくるお約束な展開をワクワクしながら待ち望んだ。

エキセントリックな役のせいか上手いかヘタか分からない相変わらずの窪塚、ひょっとしたらマンガでは吹き出し部分が「・・・・」ばっかりでも背景部分にいっぱい自分の気持ちを訴えてるかもしれないが、映画ではただのボンクラにしか見えなかったARATAと、主役2人は少々物足りなかった(まぁ一番ダメだったのが竹中直人というのがなぁ。同じパターンでもう飽きた)そのかわり海王学園のアクマとドラゴンが良かったな。自分も天才ではないから彼らの気持ちが伝わったし、特に2人がトイレで交わす会話が好きだ。あとキャプテンのぽそっと言うセリフが好きだ。最高だ。

地味に見える卓球というスポーツを、女の子が好みそうなポップで可愛いトーンにしながらも、実は男同士にしか分からないしがらみを描いたりしてて、なかなかバランスがよい。ただ、やっぱりクライマックスはもっとしつこくしても良かったんでは?(これもある程度予想してたけど)それまでのシーンでかなりしつこいなぁと思ってたところがあったのに、あそこであっさりバサッと切ったのは不満。(ちょっとネタバレ)だって天才同士の試合だよ?どんな技(どんなCG)が見られるのか楽しみにしてたのに。あと2人の表情の変化も見たかった。他の人との試合シーンを多少削ってでも、やるべきだった。(ここまで)

ところでワタクシ映画館で窪塚たち出演者を目撃したのでした。ちょうど舞台挨拶を終えて映画館の非常階段から降りてくるところで、一番最初に窪塚が出てきてそこばっかり見てたせいか、あとはよく分からなかった(笑)坊主が何人かいたのは分かったんだけど。彼は細くて頭小さくてマッチ棒みたい。服のセンスは相変わらずちょっとハズしてると思った。
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タイムマシン('02アメリカ)-Jul 20.2002
[STORY]
1899年ニューヨーク。科学者のアレクサンダー(ガイ・ピアース)は、恋人エマに公園でプロポーズをする。しかしその直後、強盗が現れ、エマを撃ち殺してしまう。悲しみに暮れたアレクサンダーは4年かけてついにタイムマシンを作り上げる。そしてエマにプロポーズした日へ戻るが・・・。
監督サイモン・ウェルズ(原作者H・G・ウェルズの曾孫で『プリンス・オブ・エジプト』の助監督を経てデビュー)
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うわ〜とんでもない映画見ちゃったよ。予告だけ見て信じて見に行ってビックリだ。何ていうのかな、ちょうど『バトル・フィールド・アース』を見た時と同じような脱力感。予告で流れたシーンは確かに悪くなかった。でも配給会社はこのあとの展開を全く予告に入れなかったよね。それで正解なんだけれども(笑)なんだか詐欺にあったような気分。でも私は原作も読んでないし、1960年に作られた『タイムマシン』も見てなかったから、こう思ったのかもしれない。原作もそういう展開だそうだし、60年代版を見たという父もやっぱりそうだと言っていた(かなりアレンジしてる部分もあるようだけど)
でもやっぱりこれだけは言いたい。以下ネタバレ

 ま〜さ〜か『猿の惑星』とは思わなかった〜!!

ふう、ちょっとすっきりした(笑)うん、ホントに途中まではけっこう楽しめたんだ。1899年の街の様子とか、予告で流れる月が壊れて地球に近づいてるシーンとかね。ガイ・ピアースも、愛する人を失った悲しみから、ほんの少しの狂気を孕みながら奔走する役が(『メメント』と同じような設定だけれど)とても嵌まっている。そういえば私は彼が出てる映画は好きな作品が多いんだけど、たまにこういう映画に出ちゃうのね。『ラビナス』もかなり辛かったし。

辛かったといえば、この映画、メインの登場人物の数は少なくて、知ってたのはサマンサ・マンバ(ミュージシャン)とフィリダ・ロウ(エマ・トンプソンのお母さん)、そしてジェレミー・アイアンズ。そのアイアンズがなかなか登場しないので「おかしいな」と思っていたら・・・まさかあんな役だったなんて!見てるこっちが辛い。ああ、これだけは言わせて(またかよ)以下ネタバレ

 背中にカブトガニ背負ったマリリン・マンソンかと思った!!

何でもやるね、彼は。その役者魂に萌え。ありがとうありがとう(涙)
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スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃('02アメリカ)-Jul 17.2002
[STORY]
『エピソード1』から10年後。
銀河共和国は、共和国解体を目論む分離主義者たちの運動により、再び脅威にさらされそうになっていた。ナブー星の女王だったパドメ・アミダラ(ナタリー・ポートマン)は王位から退き、今は元老院議員となっていたが、共和国の首都コルサントで何者かに殺されそうになる。そこでジェダイはオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)とアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)が呼ばれ、パドメを警護する任務を与える。
監督&脚本ジョージ・ルーカス(『スターウォーズ』シリーズ エピソード4 5 6
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今作はデジタルカメラで撮影されており、ヨーダ先生もマペットからフルCGになりました。
今回もまたTHXの劇場で見てきた。DLPの劇場と迷ったんだけど、まずは音で快感を得たいなあと思って。本当ならどっちも同時に楽しめる劇場が必要だと思うんだが、料金は高いくせに設備が整ってない劇場が多すぎる!
肝心の音はというと、今回はEP1のポッドレースの時のような腹に響くうねる音はなくちょっと物足りなかった。ジャンゴ・フェットがオビ=ワンから逃げる時に何度か「グワァーーン」という音があったくらい。

さて本編だけど、しょっぱなのアミダラ暗殺未遂シーンの演出にいきなり「あぁん?何これ」とつまづいてしまい「いや、でもルーカスだから」と自分に言い聞かせ、またある場面では「うわ〜ベタベタだ」と思いながらも「だってルーカスだもん」と自分を納得させ続けた。でも辛かったな(泣)ストーリーがちょっと難しくなったこともあり、かなり消化不良。個人的にはEP1のほうが楽しめた。前作はもうちょっと自由に作ってたと思う。今回はとにかくEP4に繋げるための辻褄を少しずつ合わせなきゃいけない作品にしなきゃならないという堅苦しさがあった?かも。でも苦労した割には矛盾点やEP4以降とも繋がらない個所が・・・いや、それはEP3を見てからだな(笑)

あと、話題のヨーダ先生の活躍だけど、正直言って、これも期待してたのとちょっと違った。みんなが口を揃えて「スゴイ」というからどれだけスゴイのかと思ったら・・・うーん、微妙。全く情報を知らずにいたら楽しかったかもね(あまり情報入れずに見ようと思ってたのに、朝のニュースで試写会を見た芸能人たちが言ってるの見ちゃったのさ)

でも何よりこの作品で一番不満なのはアナキンですよ!いやームカツクんだわーコイツが。クソ生意気な傲慢野郎っすよ(言葉汚くてゴメン)オビ=ワンから「まだ成長してない」と言われて「俺に嫉妬してる」と激怒するけど、そういうところが成長してないっつーの。その口が言うか、ああ!?と胸倉掴みたくなるくらいイヤな奴です(熱くなりすぎ)こいつがベイダーになるんだから、ある意味正解なんですけどね。その割には傲慢で甘ちゃん以外の部分が表現不足だなあと思ったり。何でこんな男に惹かれるのよパドメちゃん。きっとあれだね、戦いでドキドキしてたのをアナキンへのトキメキと勘違いしてたんだよね?『スピード』のジャックとアニーみたいなものよね。だから長続きはしないだろう・・・って何で必死なんだろう自分(笑)いや、でも本作のアミダラはあの白塗りも妙な衣装でもなくて、とても可憐なんです。美しさもアップ。彼女ばかり見てました。

下らないことを書いてきたけど、とりあえずもう1回見ようと思う。詳しいことは次回。今度はDLPの劇場に行くつもり。
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メン・イン・ブラック2('02アメリカ)-Jul 16.2002
[STORY]
エイリアン監視組織“MIB”のトップエージェントとなったJ(ウィル・スミス)だったが、組んだ相棒とことごとく気が合わず、何人もお払い箱にしていた。見かねたボスのZはパグ犬エイリアンのフランクをJと組ませる。そんなある時、ピザ屋の主人でザルタン星人のベンが殺された。調べるうちに25年前にK(トミー・リー・ジョーンズ)が担当した事件と関係があるらしい。Jは再びKに復職してもらおうと彼を訪ねるが・・・。
監督バリー・ソネンフェルド(『メン・イン・ブラック』
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前作からもう5年も経ってたんだ。ちょっと待てよ、3年くらい前に見たはずじゃ・・・ってあれは『ワイルド・ワイルド・ウエスト』だった。しかもストーリーもごっちゃになってたし(笑)

ストーリーは1作目よりグダグダで、本筋→ギャグ→本筋 の繋ぎも悪い。おまけにT・L・ジョーンズは、記憶が失われていることを差っぴいても覇気がなさすぎてちょっと寂しい。でも個人的には今回のほうが笑えるところが多かった。それはMIBの設定や雰囲気をすでに分かっていたからだと思う。また前作よりも面白いエイリアンがたくさん出てくるし、エイリアンの個性でギャグが取れている。さらに面白い人間(ビデオ屋の彼)も出てきたしね。でも何より一番笑ったのはエージェントになりたがるあの人!最高!ぜんぜん予備知識を入れてなかったのでビックリした〜。ナチュラル特殊メイク・・・なんだろうな(ってそんなこと書いていいのか)
同じようにララ・フリン・ボイルが起用されたのもやっぱりナチュラル特殊メイクな気がする。見るたびに顔長くなってんですけど、付け足してる?(おい)眉毛の左右の位置もズレてきてますな。

あとはやっぱりパグ犬フランクでしょう。Kが登場するまでの間、飽きさせずにいられるのは彼のおかげだ。1作目で味をしめたってところもあるだろう。とりあえず動物出しておけば、という浅はかさがなきにしもあらずだが、許す!(笑)あんなダミ声で毒舌にもかかわらず、仕草が可愛らしいのでついニマニマしてしまう。「お口チャック」のシーンは必見!もしまた続編を作るとしたらやっぱり外せないキャラクターだ。あ、パート3だからちょうどいいじゃん。トリオでポスター写ってるシーンが浮かぶぞ。ん、待てよ。イニシャルがJ・F・Kだ!(お〜)
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プレッジ('01アメリカ)-Jul 6.2002
[STORY]
刑事のジェリー・ブラック(ジャック・ニコルソン)が定年退職を迎えようとしていた。しかしその夜のパーティーで、惨殺された少女の遺体が発見されたことを知り、そのまま現場へと向かった。少女の家族へ知らせる役目を引き受けたジェリーは、少女の母親に「必ず犯人を見つける」と約束<プレッジ>してしまう。
監督ショーン・ペン(『クロッシング・ガード』)
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見るのどうしようかと迷ってたんだけど、ベニチオ・デル・トロが出てると知って見てきた。で、見て思い切り凹んで帰ってきた。もうガックリ。ベニチオがああいう役だったからというわけじゃない。そりゃあカッコイイのが見たかったけど、そうじゃなくてラストの後味の悪さにやられてしまったのだ。

犯人をつきとめることを約束してしまったジェリーは、引退後も独自に調査を続ける。まるで取り憑かれたようになった彼を誰も止めることができない。ジェリーが実は真犯人なのではないかとドキドキしたほどだ。そして自分の残りの人生すべてはもちろん、他人を巻き込むことにも躊躇しなくなっていく。 でも見てるこっちも既に事件にのめりこんでいたので、犯人さえ捕まればあとはどうでもいいと思っていたし、万が一何かあっても最後はうまくいくのだろうって思ってた。でもラストを見て「ああ、自分はそういう(ご都合主義な)映画を見すぎていたんだ」ということに気付かされ、さらに凹んだ。

事件の真相についてはいくつか意見が分かれると思うのでここからネタバレ。
犯人は自殺したワデナであって、それ以降はジェリーの想像や妄想だという意見もあるようだけど(私の知り合いはそう解釈していた)私はジェリーの考えが正しかったと信じたい。というか信じさせて下さい(泣)じゃないと本当に救われない。見た自分が、だけどね。これがジェリーがまだ若い男ならばここまで凹むことはなかったと思う。でも彼は初老だし、残りの人生アル中だなんてホントに切ない・・・。こうなるとあの夜、事件が起きなければと思ってしまう。でも彼はたとえこの事件に関わらずとも、きっと別のところで約束を交わし、それに縛られていただろう。そういう運命の男なのだ。(ここまで)

約束に縛られた男が次第に狂っていくさまを描いている映画ではあるけれど、同時に同時に子供を亡くした親のやるせなさや、子を持つ親の愛がいかに深いかをしっかり見せている作品でもある。少女のむごたらしい死体や写真をしっかり見せているにもかかわらずね。ペンの、自分の子に対する愛情をこの映画によって表現しているのかもしれない(そしたらもっと優しい映画を撮りそうなもんだけど、こういう作品を選んじゃうところがペンらしいのかな(笑))
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