Movie Review 1999
◇Movie Index

ワイルド・ワイルド・ウエスト('99アメリカ)-Dec 10.1999
[STORY]
1869年南北戦争後のアメリカ。騎兵隊員のジム・ウエスト(ウィル・スミス)は、南軍のマグラス将軍を追っていた。ある時、ウエストは同じく将軍を追っていた合衆国法執行官のゴードン(ケヴィン・クライン)と衝突して将軍を逃がしてしまう。大統領からコンビを組んで捜査するよう要請された2人は、マグラスと黒幕のラブレス博士(ケネス・ブラナー)を追いかけることになった。
監督バリー・ソネンフェルド(『メン・イン・ブラック』
−◇−◇−◇−
略して『W・W・W』ですが「悪いけど・笑うに・笑えない箇所多し」って感じ(つまんない?ダメ?)

たぶんダメだろうと期待度をぐんと下げて見たけど予想通り。まぁこんなもんでしょう。以上。

って書きたくなるような感じだった(苦笑)いくらここで感想書いても意味ないんじゃないかって気がする。ストーリーなんてあってないようなものだからね。ということで箇条書きだ。

・オープニングタイトルはめちゃカッコイイ。これがすべて
・同じウィル・スミスなら『MIB』のT・L・ジョーンズとのコンビのほうが面白かった
・ブラナーは何を狙ってたのかな〜つーか単なるヤケっぱち?ご苦労さんです
・巨大ロボグモの動きは好きだな。脚の先がちゃんと細くなってるところがいいぞ
・バイ・リンのセリフにニヤリ(内輪ウケ)
・ビクター犬がかなりツボだった(爆笑)
・半ケツ。これにかぎる
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御法度('99日本)-Dec 2.1999
[STORY]
池田屋事件の翌年1865年、西本願寺の新選組道場で、総長の近藤勇(崔洋一)、副長の土方歳三(ビートたけし)らは新隊士を選ぶ試合を行っていた。志願者は沖田総司(武田真治)と試合を行い、その中で加納惣三郎(松田龍平)と田代彪蔵(浅野忠信)だけが選ばれた。それからひと月も経たないうち、美少年の惣三郎を巡る噂が囁かれはじめる。
監督&脚本・大島渚(『戦場のメリークリスマス』)
−◇−◇−◇−
「え〜?この子が美少年の役〜???」と龍平君を見た時、正直うへっと思った。それこそ綺麗な男の子なら今の世の中そこらじゅういるだろうに、よりによって何でこの子なのさ?優作の息子で話題作り?って感じなのかなーあざといなーと。でも映画を見て、どうして彼じゃなきゃいけなかったのか分かった。綺麗なだけじゃ惣三郎は務まらない。何を考えてるのか分からない、得体の知れない妖怪じみた雰囲気がないとダメなのだ。そういう意味では彼の色白さや睫毛の長さ、妙なトーンの声は合っていた。そして隊をかき乱すような存在感も。

さらに「何でコイツが?」と思った武田真治もこの作品での沖田役は適任だった。あの飄々として我関せずといった表情をしながらもどこか夢見がちなところがね。そして監察役を務めたトミーズ雅のお笑い芸人らしい間の取り方に爆笑した(ホントに場内爆笑だったのよ)んでもって遊女役の神田うの(笑)この子に演技なんてできるんかぃ!と心配していたら、まさかそういう風に起用するとはね。これはうまい使い方だ。む、これが大島マジックなんですかね。
しかし私の1番のお目当てだった崔さんが・・・。役者じゃないからしょうがないんだけど、顔がアップになると眼球の動きが異様に早くてちょっと恐くてですね(以下略)

ストーリーはちょっと物足りないかな。時代劇で1時間40分は短かすぎやしないか。惣三郎がもっと隊の結束を揺るがせる存在へと変貌していく様が見たかったのに。それに、この作品の視点にバラつきがあるのが気になった。きちんとナレーションを入れたかと思えば、まるで無声映画のような文字による説明が入り、さらに土方役のたけしのモノローグもある。どうせなら最初から最後まで土方から視た物語にすれば良かったのに(「うわさ」なんていう字幕の入れ方は好きだったけどね)私にはどうしてこういうかたちにしたのかの意図が掴めなかった。
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カスケーダー('98ドイツ)-Nov 27.1999
[STORY]
考古学研究生のクリスティン(レグラ・グラウヴィラー)は、ナチスが隠した秘宝「琥珀の部屋」を捜していた。そして遂にその鍵を見つけたが、謎の組織に掴まってしまう。必死で逃げた末、偶然元スタントマンのヴィンセント(ハーディ・マーティンス)に助けられる。
監督もハーディ・マーティンス(世界で活躍するスタントマン)
−◇−◇−◇−
予告と全然違う話でした。予告を見て私が想像してたのは、バカ映画じゃないけど(だってドイツ映画だもん)スタントに命を懸けるスタントマンが、いつのまにか主役を食う演技をして、最終的には自分が主役になってしまうという映画製作コメディ――だと思っていた。まさかこんな宝捜しなお話だったとはね・・・。「NO STORY!」なんてコピーをつけてるけど、ストーリーも割合しっかりしてたなぁ。ある意味すごい予告編を作りましたね(感心&呆)

ヴィンセントがいろんな乗り物を駆使して、畳み掛けるように追いつ追われつを見せてくれる。本来アクションてこういうものだよね。ま、よく考えれば「なぜここでこんな乗り物を?!」と首捻っちゃうような黄色いカートだの黄色いミニクーパーだの(ヴィンセント黄色好き?)が出てくるが、最後のほうでは「やっちゃって下さい先生!」とこっちまでノリが良くなってくる。殺したって死なないくらい、しぶとい不死身の男だった。それに不思議とひたむきさまで伝わってきたんだな〜。

それくらいヴィンセント役のマーティンスがカッコ良かった。アクションシーンももちろんなんだけど、黙っててもこの人ハンサムですねぇ。クリスティンもドイツ美人で、ヴィンセントに負けないダイビングシーンなどをやってくれました。それとヴィンセントの友達がすげぇいい奴だ!面倒に巻き込まれても助けてあげちゃうし、迷惑こうむって怒り狂いながらも「いつでも電話してくれ」なんて電話渡しちゃうし飛行機操縦しちゃうしボート漕いじゃうしサイコー!爆笑させてもらいました。密かにヴィンセントよりもこの人のほうがスタント馬鹿かもしれない。

あともう1つ、ドイツ語の「しぶとい男だ」は「ええかげんにしろや」に本当に聞こえました!(ソラミミ〜)
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エル('99ポルトガル=フランス=ルクセンブルグ=ベルギー=スイス)-Nov 23.1999
[STORY]
ディレクターの恋人がいるTVキャスターのリンダ(カルメン・マウラ)、離婚した夫に未練がある主婦のバルバラ(マルト・ケラー)、バルバラの息子から恋される大学教授のエヴァ(ミュウミュウ)、舞台女優のブランカ(ゲッシュ・パティ)、ブランカに恋しているクロエ(マリサ・ベレンソン)彼女たち5人が繰り広げる愛と友情の物語。
監督&脚本ルイス・ガルバン・テレシュ(?)
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『ヴィーナス・ビューティ』に引続き熟年女性の恋愛と生き方を描いた作品。実はこの2作品の前売券、セットで2000円だったのだ(笑) 『ヴィーナス〜』でちょっと「む〜〜」という気持ちになってたけど、この映画で元気になった。両方見るならこちらを後にしたほうがいいかもしれない(笑)

タイトルの『エル』とはフランス語、スペイン語、ポルトガル語で“彼女たち”という意味。共通の言葉なんですね。

個人的悩みもあるだろうが、だいたいの女性が自分の年齢にコンプレックスを持ち、それでも恋愛したい気持ち、人生を謳歌させたい気持ちに満ち溢れていて、その葛藤に悩まされている。そして彼女たちはある程度のキャリアがあり、トラブルがあっても取り繕う術を知っている。しかしそれが知らず知らずのうちにストレスになってるわけ。さらについ若い女の子と自分を比較して、追い討ちを掛けている。

私はまだ20代だから彼女たちから比べれば若いけど、それでも今の高校生を見たりすると「自分も歳取ったなぁ〜」と思ってブルー入ってしまったり、急に老後を考えてしまう時もある(ホントだよ)そのギャップは外見だけじゃなくて、考え方1つを取っても違うので、さらにその差を感じてしまうのね。だから彼女たち(特にリンダとエヴァ)を見てると、自分が彼女たちの歳じゃなくてもつい肯いてしまう。

また、子供がいたからって“母”ではなく“女”でいたいと思う女性もいる。これもね、私はまだ結婚もしてない身ですが(笑)分かるんだよね。この作品のブランカがまさにそう。でも“女”である時と“母”である時のけじめをきちんとつけておかないといけない。子供がいる限り“母”でもあるのだから、それを捨ててはいけないのだ。そのことをこの映画では教えている。監督&脚本はてっきり女性かと思いきや男性なのでびっくりした。

5人の女性の描き方のバランスがどうかな?とも思ったけど(クロエの出番が他の人より少なかった)いろんな生き方の女性たちがいるので、私たち観客も誰かしらに共感できる。この映画のコピー“あなたの中に彼女はいる”っていう意味が分かったよ。そして彼女たちみんなが前向きなイイ女になっていく姿、その美しい笑顔を見て「自分も頑張らなきゃ」と自分も前向きな気持ちになった。ただラストシーンはあんまり好きじゃないなぁ。あの手前で終わってくれてよかったのに。
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エステサロン ヴィーナス・ビューティ('99フランス)-Nov 23.1999
[STORY]
パリのエステサロン「ヴィーナス」で働くアンジェル(ナタリー・バイ)は40歳のベテランエステティシャン。寂しさを紛らわせるために男を引っ掛けては一夜限りの関係を結んでいた。そんなある時、アントワーヌ(サミュエル・ル・ビアン)という年下の男から一目惚れされる。
監督&脚本トニー・マーシャル(『男と女と男』等に出演している女優で監督作は4作目)
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何をグダグダ悩んでるんでしょうねーこのおばちゃんは・・・というのが1番最初に思ったこと。
寂しさを紛らわせるために男に声を掛けまくっては寝てるくせに、男からアプローチされた途端に逃げ腰になってしまう。その理由は、1度限りならいいが続くとなるといつかやってくるであろう「終わり」が怖くて踏み込めない。もしくは、アントワーヌに婚約者がいることが引っかかる。または昔の恋人と刃傷沙汰になってしまった過去を引きずっている――など色々あるんだろうけど、そのあたりの心理描写が分かりにくい。だから私は最後までアンジェルについて行けなかった・・・。これが小説なら心情も綴られてるだろうから彼女に入り込めたと思うが、映像だとどこか表情や行動で示してくれないと分からない。ただ見てるだけになってしまう。それとも私に読み取る能力がないだけですか?(涙)

また、エステサロンという設定もこの映画に関して活かされてるのかどうかも疑問だ。個性的な客と彼女たちに接するエステティシャン、そのどちらも外見だけでなく内面まで磨かれていく様子が描かれるのかと思いきや、いかにもウケ狙いの奇を衒ったような人物を登場させてただ笑わせるだけ。そんな一瞬の面白さなんていらないから、美しく変わる様子を見たかった。唯一、エステティシャンのマリーが恋をしてだんだん色っぽくなっていったところが良かったかな。

また、チラシに書いてあったけど、そういえばどこが『髪結いの亭主』なの?アントワーヌがアンジェルからエステされるシーンがそんな感じ?(←半疑問形で読もう(笑))なのかな。でも全然官能的じゃない。あの映画は男が見て「おおっ」っというツボを押さえたフェチさがそそられるわけで、この映画のは直接的な快感を見せるだけ。比較になりません。

さらにストーリーにもちょっと疑問。ラストはアンジェルの過去の件も絡めてるんだろうが、それにしてはあまりにもあっさりしている。「そんだけ?」と思ってしまった。直前でちょっとした緊張感があったのにこれはどういうことよ?!半端な位置から撮られているのも気持ち悪かった。
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