Movie Review 1997
◇Movie Index

THE END OF EVANGELION('97日本)-Aug 4.1997
[STORY]
(TVシリーズの続きです)最後の使徒が死んで、ゼーレは人類補完計画に乗り出した。まずはMAGIにハッキング。しかしそれが失敗すると自衛隊を送り込み、ネルフは崩壊していく。目覚めたアスカによって敵を潰すも、その前には9機のエヴァンゲリオンが立ちはだかった。
監督・庵野秀明(『EVANGELION DEATH AND REBIRTH』
−◇−◇−◇−
TVシリーズ弐拾五話と弐拾六話を新たに25話、26話として上映としたもの。

映像センスとなぜか途中で出てきてしまうエンディングロールは良かった。でも何だか製作者というか庵野さんの個人的な気持ちとか、スタッフの内面が出過ぎているように感じた。

ラストなんて特に「もうエヴァ終わらせて休ませてくれ!続編なんて作らないぜ!」っていう“疲れ”のようなものを受取ってしまった。苦しいのは分かるけど、それを感じさせちゃったらいけないんじゃないか?もともと扱う世界が広いわりには個人的な話なんだが。もうちょっと自分が若かったらハマる世界なんだろうけど、つい客観的になってしまうなぁ。でも一応完結ってことでこれはこれで良かったんじゃないだろーか。

TVシリーズよりもけっこうグロいシーンがあってびっくりした。映画だからOKなのか。あと実写を混ぜるのは私はあんまり好きじゃないな。
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スターウォーズ〜帝国の逆襲('80&97アメリカ)-Jul 24.1997
[STORY]
デス・スターを破壊して帝国軍に勝利したレイア姫(キャリー・フィッシャー)たちだったが、帝国軍も彼らの基地を発見し攻撃した。逃げる途中、ルーク(マーク・ハミル)はオビ・ワンの言葉によってジェダイの師ヨーダの元へ向かう。一方ハン・ソロ(ハリソン・フォード)はレイア姫を乗せてベスピンへと逃げた・・・。
監督アービン・カーシュナー(『特攻サンダーボルト作戦』)
−◇−◇−◇−
本作ではルーカスは製作総指揮と原作を担当。

今回は戦いよりもむしろ、各キャラクターの性格が確立されてきたように思う。特にハン・ソロとレイア姫のやりとりはなかなか少女マンガチック(反目しながらもお互い惹かれあうところがね)でニヤリだ。『バックトゥ・ザ・フューチャー』もそうだけど、1ではこれで終わりにしてもいいような作り方で、2は完璧に3がないとまずいストーリー展開なのが笑える。1の時はヒットするかどうか分からないから様子をうかがっているのだな。

1作目と3作目の繋ぎ的役割の映画なので、取り立ててどうこうってのはないんだけど、ハン・ソロのラストのアレはインパクト大きいなー笑えた。

しかしスノーウォーカーってかなり不便な乗り物に思えるのは私だけ?攻撃力もなければすぐに転んじゃうし。でも1番カッコ悪くて好きだな。

前作と続編の感想→『スター・ウォーズ』 『ジェダイの復讐』
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バウンド('96アメリカ)-Jul 24.1997オススメ★
[STORY]
マフィアの情婦ヴァイオレット(ジェニファー・ティリー)と刑務所から出所した女コーキー(ジーナ・ガーション)は偶然出会って恋に落ちる。ヴァイオレットは良人のシーザーから逃れたくて、彼から200万ドルを盗む計画をコーキーに持ち掛けるのだった。
監督&脚本ラリー&アンディー・ウォシャウスキー兄弟(初長編)
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とにかくこの女2人がイイ!!ティリーは先日見た『ライアーライアー』に頭の悪い浮気妻役で出演していたが、今回も一見そんな感じ。だが実はそれを逆手に取った頭の良さを見せる。ラスト近く、キス1つで男を納得させてしまうシーンにゾクゾクした(この時の男の表情がまたうまい!)

それからもう1人の女ガーション。彼女はあのどうしょもない映画『ショーガール』で唯一光っていて私も注目していた女優だ。ティリーとは対照的なファッションとスタイル、鍵を開けるための7つ道具をピアスとしてつけているところなんてありがちだけどかっこええ!

この2人の出会いの場面、カメラがコーキーの視線になる。下から舐めるようにヴァイオレットを映す。この瞬間「ああ、コーキーはレズなんだ」って分かる。女同士のラブシーンは男女のものよりドキドキするし1歩間違うと裏切りや寝返りがありそうでハラハラする。シーザーと争う場面は長くて単調だしちょっと舞台っぽい感じなので飽きちゃうけど、初長編作でこれだけ作れるんだからこれからが楽しみだ。

製作費用1億円という低予算(この金額でも低いってんだからな)でこれだけ作れるんだから大したものだ。このあと、彼らが超大ヒット映画を作るとは、この時はまだ予想だにしていなかった(なんつって)そこそこいくとは思ってたけど。
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枕草子('96イギリス=フランス=オランダ)-Jul 20.1997
[STORY]
書道家の娘・諾子(ヴィヴィアン・ウー)は、小さい頃から父(緒方拳)に、自分の肌に書を書いてもらうことでその喜びを感じていた。しかし夫は書に無理解だったために喧嘩が絶えず、諾子は香港に逃れてファッションモデルとなる。そこでジェローム(ユアン・マクレガー)という翻訳家に出会い、諾子はその肌にさまざまな言葉を書き入れ、また愛を交わしてゆく。
監督ピーター・グリーナウェイ(『プロスペローの本』)
−◇−◇−◇−
公開2日目で休日だというのにそれほど混んでいなかった。やはりグリーナウェイ監督は人気がないのだろうか。確かに後半からは意味不明なシーン連続だし、どうも日本を勘違いしているところ多々ある、というより全部なんだが。あとはもうそれを笑いのネタとして見るしかないね。

若い時に結婚した諾子の夫の職業がよく分からないし(変なジャージ着て弓道らしきものをする選手らしい)吉田日出子が皿回ししてたりもする。そもそも顔に筆で文字を書く書道家なんているかっ!つーの。おまけにその書道家・緒方拳は出版社の老人に陵辱されるわ(よくそんな映画出たな)ユアンだってその老人に・・・(泣)しかもそのシーンで、ジェロームは身体中に諾子の書をつけていくのだが、そのお尻には「裏切」の2文字。これには大爆笑させていただきました。ホント裏切りだよなぁ、しかもケツに(下品)<でもケツに「根性」でもいいかも(何言ってんだ)グリーナウェイは分かってて書かせたのか?未見の方はそこらへんをぜひチェックしてみてね。
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世界の涯てに('96香港)-Jul 20.1997
[STORY]
白血病に冒された海運王の娘ケリー(ケリー・チャン)は、仕事場で出会った船員テッドに恋心を抱いていたが、そのテッドの行方が分からなくなる。そこで捜索屋のモンゴル人青年チュン(金城武)にテッドの捜索を依頼する。チュンのおかげでテッドと会うことができたが、彼は故郷スコットランドに帰るところだった。
監督リー・チー・ガイ(『不夜城』
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まず第1の感想。金城君の出番が少ない(笑)1番最初に名前がクレジットされているのに。まあでも明るいけどナイーヴな青年を演じてはいた、かな?

主役はというとそれはケリー・チャン。不治の病に冒されていて、ことあるごとに倒れる。でもよく走る(笑)そしてファンサービスだか何だか知らないが(もともと歌手だから)劇中に意味なく歌は唄うわで、ファン以外の人が見たら「この人結局何がしたいの?」と思ってしまう。特にケリーとテッドの出会いの場面は笑えるし、テッドがピーター・フランクルよろしくジャグラーやってる姿はやっぱり何の意味もなくて笑えます。

スコットランド人とモンゴル人との間で揺れ動く香港人。それはまるでイギリスから中国への返還にとまどう香港人を指している、とも言われているが、私にはただの薄っぺらい青春映画(昔の日本のね)にしか思えなかった。
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