Movie Review 1997
◇Movie Index

失楽園('97日本)-Jul 16.1997
[STORY]
出版社で閑職についている久木(役所広司)は、書道講師で人妻の凛子(黒木瞳)に出会う。2人は密会を重ねるが、それぞれの家族にバレてしまう。久木の妻は別れるといい、凛子の夫は絶対に別れないという。そんな2人が取った最終的に取った行動とは・・・。
監督・森田芳光(『バカヤロー』)
−◇−◇−◇−
友達からタダ券を貰ったので行ってきた(じゃなきゃ見ないね)一言で言うと「どうってことない映画」。内容的にもそんなに騒ぐようなものじゃないし、話題のベッドシーンだって話題になった割にはたいしたことはない(ドラマのほうがエロいね)

役所は実年齢より10歳ほど高い役だったけど過剰な老けさせかたをしてたみたい。ホントに50歳台の、もうちょっと枯れたような人がやるべきだったと思う。黒木も各女優賞を総ナメにするほどの演技では決してない。女優なんて脱いじゃえばどんなに大根でも「体当たりの演技」なんつって、もてはやされるんですわ(厳)

ただ1個所「お」と思うセリフがあった。

――結婚したら、人を好きになってはいけないの?人の心なんて変わるものよ。それを不倫と言われてしまうのがイヤ――(だったかな)

と凛子が言うところは、何となく「そうかも」と思ってしまった。人間なんてホント勝手なもんですよ(しみじみ)
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もののけ姫('97日本)-Jul 12.1997
[STORY]
大和政権に滅ぼされたエミシの末裔で王家の血を引くアシタカ(声・松田洋治)は、怒りと憎しみのためにタタリ神になった猪神によって死の呪いをかけられる。その謎を解くためにアシタカは旅に出るが、訪れた西の国で人間と森の神々の戦いに巻き込まれる。そしてアシタカは犬神に育てられた人間の少女サン(声・石田ゆり子)と出会った。
監督&脚本・宮崎駿(『風の谷のナウシカ』)
−◇−◇−◇−
最近の宮崎アニメはあまり見ごたえがなくて(初期の『ナウシカ』『ラピュタ』『トトロ』が1番好きだ)ちょっとがっかりしていたんだけど、今回は久々に見ごたえあった。ま、正直言えばやっぱりその3作のほうが好きだけどね。

ストーリーは勧善懲悪ではない。誰が悪いって決め付けられない。それぞれの考えや主張に真っ向から反対できないものがある。深いです。でもこういうアニメ作品でいいのか?子供は特によく分かんないんじゃないかなー。でも宮崎さんが見せたかったことは伝わった。

真っ直ぐな瞳のアシタカに心打たれたし(セリフの発音も綺麗だったね)サンの狂暴だが一途で優しいところに感動もした(『ぽんぽこ』では声がおぼつかなかった石田が思ったより奮闘してて驚き)ただ美輪さんは美輪さんだったんであんなデカイ犬で出てこられても困ります(笑)なんか最近歌手とかタレントを起用するのが増えてるけど、声優さんじゃダメなの?なんかその人自身の顔がちらついちゃうのよね。
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ロスト・ハイウェイ('96アメリカ)-Jul 2.1997
[STORY]
ある朝、ジャズ・ミュージシャンのフレッド(ビル・プルマン)は「ディック・ロラントは死んだ」という謎の声で起こされる。それから毎日ビデオテープが届けられる。テープには家の外観を写したものや、部屋の内部までを写したものまであった。フレッドの妻レネエ(パトリシア・アークエット)は警察を呼ぶがあまり取り合ってもらえない。そして次に届いたテープには、惨殺されたレネエが床に倒れており、その横で青ざめているフレッドの姿があった・・・!
監督デビット・リンチ(『ツイン・ピークス』)
−◇−◇−◇−
リンチファンでなければ納得いかない内容かもしれない(笑)何せ途中でマジックのように主役が変わってしまうんだから。ストーリーも結局よく分かりません(あら)全体的に暗いんだけど、映像の恐ろしさよりもサウンドの恐ろしさの方が勝っていたように思う。不安を掻き立てる音がしょっちゅうだった。

リンチはいつも自分に似た主演男優を選んでいるというが、今回のB・プルマンもリンチ顔。というより『ツイン・ピークス』のカイル・マクラクランにプルマンがかなり似ているということに気付いた。それから怪しいマフィア系おやじエディが怒り狂って「交通ルールを守れ!制限速度は55キロだろ!」などと言ってブチ切れるシーンに笑ったが、これってちょっとQタラが書きそうだなぁと思ってしまった(ホントはリンチのほうが先か)
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ライアーライアー('96アメリカ)-Jul 1.1997
[STORY]
フレッチャー(ジム・キャリー)は口はうまいがいい加減な弁護士。そのため妻とは離婚され、1人息子マックスにはたまにしか会えない。マックスはそんなパパでも大好きなのだが、1つ許せないのがパパがウソつきであること。そこで誕生日にマックスはバースディケーキに願いをかける。
「1日でいいから、パパがウソをつかなくなりますように・・・」と。
するとフレッチャーは本当にウソがつけなくなった・・・!
監督トム・シャドヤック(『ナッティ・プロフェッサークランプ教授の場合』)
−◇−◇−◇−
ジム・キャリーのようなコメディ俳優は日本人にはあまりウケない。しつこすぎるからだ。それでも『マスク』のヒットで主演映画はほぼ必ず日本に来てるけどね。私もあんまり好きじゃないんだけど今回のこの役柄は合っているし、それほどしつこくなく楽しめた。ハチャメチャだけど「子供を愛してる」っていう1本筋がピッと通ってるしね。

スーツを着て黙っていれば十分ハンサムなんですよ彼は。なのにCGだのSFXを使わなくても十分に伸び縮みする顔面を駆使しているのはもったいないような安上がりのような。『マスク』だってどこまでCGだったか分かったもんじゃない(笑)

内容的には「ドリフ大爆笑」だ(特にクライマックス!)こういうネタ絶対あったって!何も考えずに見るといいだろう。下らなくても大笑いしましょう。でも実は本編終了後のNG集の方が本編よりもずっと面白かったりする。
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コーリャ愛のプラハ('96チェコ=イギリス=フランス)-Jun 27.1997オススメ★
[STORY]
フランティ・ロウカ(ズディニェク・ズビエラーク)は55歳独身のチェリスト。かつてはチェコフィルの首席演奏者だったが、今は葬儀の追悼伴奏家に落ちぶれており、それでも気ままに生活している。しかし車を買う金が欲しくなってロシア人女性と偽造結婚するが、何とその女性は西ドイツへ亡命。5歳のコーリャ(アンドレイ・ハリモン)をロウカに残して・・・。
監督ヤン・スヴィエラーク(ズディニェクの息子)
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96年アカデミー賞外国映画賞受賞、東京国際映画祭グランプリ、と数々の賞に輝いたこの作品、やはり何といってもコーリャ君の功績が大きい。とにかく愛らしい!!そして演技のうまいこと。彼の天性の素質なのか。監督か、ロウカ役にして脚本も手がけ、なおかつ監督の実の父親でもあるズディニェクの指導がいいのか分からないが、もう脱帽っす。

最初はロウカに心を開かないコーリャが少しずつ心を通わせていく各描写がうまい。言葉ではなく彼らの動作でそれが分かるのだ。最初は手も繋がなかったコーリャ君が、いつのまにかぎゅぅ!とロウカの手を握ったシーンが特に最高!ほかにも思わずクスッと笑ってしまうシーンあり、ポロリと泣いてしまうシーンあり。

構成もうまい。チェコ情勢も政治的主張が強くない程度に挿入されていていいと思った。
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