Movie Review 1998
◇Movie Index

ブレーキ・ダウン('97アメリカ)-Jan 29.1998
[STORY]
ジェフ(カート・ラッセル)と妻エミーが荒野を走っている途中、車が故障した。途方に暮れていると1台のトラックが現れた。運転手(J・T・ウォルシュ)は2人を近くの町まで乗せてくれると言うが車が心配なジェフは妻だけをトラックに乗せその場に残った。車をよく調べてみると原因はほんの些細なことで、車を走らせることができたが、町で妻を見掛けた者はいなかった・・・。
監督&脚本ジョナサン・モストゥ(デビュー作)
−◇−◇−◇−
見るつもりはなかった。だけどタダ券を貰えば話は別(笑)ぜんぜん期待していなかったせいか思ったより面白かったけど、相変わらずラッセルはアクション慣れしすぎている。ただの男じゃないよこの人。元GIだったんじゃないかっていうくらい体力も瞬発力もバッチリで「GIジェフ」(≠GIジェーン)と名付けたい。下らない。でも言わせてくれ(笑)
勢いがあって飽きないしハラハラもするけどそれの半分は派手な音楽のせい。そしてラッセルの軋んだ顔のせい。失礼だ。でも言わせてくれ(笑)

面白いと思ったのはこの手の犯罪ってもしかしたら実際やったらうまく行くんじゃないかということ。不謹慎だけどなかなかいいアイデアだと思う。やられたほうはたまったもんじゃないけど。

それから1番印象的なのはラスト(ネタバレ反転)ウォルシュが川底に落ちて死んだかと思われたが身体が一瞬ピクリと動く。そこで妻が容赦なく落ちかけたトラックをウォルシュ目掛けて落とすシーン。あれを見て彼女がどれだけ酷い目に遭ったかが分かってちょっと切なくなった(ここまで)
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ワイルドバンチ ディレクターズカット('69アメリカ)-Jan 25.1998
[STORY]
1913年のアメリカとメキシコを舞台に、強盗を繰り返すパイク(ウィリアム・ホールデン)の一味。賞金稼ぎに追われながら米軍の武器を奪いメキシコ軍に売り捌いたが、仲間の1人をメキシコ軍に捕らえられた。彼らの命を懸けた戦いが始まろうとしていた。
監督サム・ペキンパー(『ガルシアの首』)
−◇−◇−◇−
実はペキンパー映画を見るのは初めて。TVで特集をやっているのを見て、これはぜひ見ておかなくちゃと思って楽しみにしていた映画だ。29年前の映画とは思えないガンアクション、そして主演のホールデンの男っぷりに惚れた。最期の戦いの前、余計なことは言わない。目で確認し合い、パイクが一言「LET'S GO」と言う。4人の男が横に並んで行進するように敵の前まで歩く。死を覚悟して笑う。女を盾にしてその女が撃たれようともガンガン撃ちまくる。仲間を助けるという目的以外に、男として戦うことの意義を感じてシビれた。でもこの壮絶なラストまでがちょっと長かったなぁ(2時間25分だもん)ずっと力入れっぱなしで疲れました。

同時上映の『ワイルドバンチ/アルバム・イン・モンタージュ』(メイキング)を見て、その撮影の大変さやペキンパーの意図などが分かってさらに楽しめた(メイキングって面白くて好きだ。映画見る前には見たくないけど)
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この森で、天使はバスを降りた('96アメリカ)-Jan 17.1998
[STORY]
刑務所から出所し、田舎町ギリアドにやってきたパーシー(アリソン・エリオット)は、老女ハナ(エレン・バースティン)が経営する「スピットファイアーグリル」に住み込みで働くことになった。彼女のことを知りたがる町の人々。最初は頑なだったパーシーは次第に心を開いていくが・・・。
監督&脚本リー・デビッド・ズロートフ(デビュー作)
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タイトル(原題は『スピットファイアーグリル』)に惹かれ、予告で泣いてしまった作品。予想していた話とはちょっと違ってしまったが本編でもやっぱり泣いた。ストーリーを詳しく書けないが、終盤「どうしてこういう展開なんだ?納得いかない!」と怒りながらオイオイ泣いたという、何とも不思議な感情が湧きまくる。本当はこういう展開な話って好きじゃないし泣けないんだけど、でも泣けたってことは良かったってことなのかなぁ?自分でもよく分からない。

ストーリー展開も、シーンとシーンの繋ぎ目もぎこちないが、それは初々しさと取るべきか。パーシーの中にあるピュアなところとそれが重なるようにも見える。
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タンゴ・レッスン('97イギリス=フランス)-Jun 9.1998
[STORY]
映画監督サリー・ポッター(本人)は偶然見たタンゴの舞台で踊るダンサー、パブロ・ヴェロン(本人)に魅せられる。パブロに1度タンゴのレッスンを受けてからのめり込むようになり、1人ブエノスアイレスへ赴きレッスンを重ねる。そして上達して再びパブロの前に現れたサリーは本格的にパブロからレッスンを受けることになった。
監督・脚本もS・ポッター(『オルランド』)
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ポッターは1949年生まれだから私の母と同い年だ。まぁ年齢のことを言っちゃいけないけれど普通ならオバチャンである。だが確かに顔には皺があるけれどスタイルはいいし、スタントなしでタンゴを踊っちゃうのだから凄い。元はシンガーでありダンサーでもあったというから基礎は出来ているんだろうけど。そしてヴェロンという世界的ダンサーにレッスンを受けてみるみる上達していく。

終盤、3人の男性とポッターで踊るタンゴが特に素晴らしい。アルゼンチンタンゴというと足が絡み付き、官能的でねっとりした感じがする。が、ポッターが踊ると上品だが色気がない。その彼女とバリバリのアルゼンチーノのヴェロンが踊ると、何とも不思議なタンゴで面白かった。けれどレッスンを受ける傍ら、ポッターはヴェロンに恋をしていくのだが、私は純粋にダンスな映画が良かった。この2人の恋を見せつけられたのは苦痛だったな。
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タイタニック('97アメリカ)-Jun 4.1998
[STORY]
1912年、英国から米国に向けてタイタニック号が処女航海に出発した。貧しい画家ジャック(レオナルド・ディカプリオ)は、身投げしようとした令嬢ローズ(ケイト・ウィンスレット)を助けたことから恋に落ちる。そんな中、タイタニック号は氷山に激突し、沈没を余儀なくされてしまった。
監督ジェームズ・キャメロン(『ターミネーター』)
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実物大(でも30メートル短いとか)の船のセット、それを浮かべる巨大なプール、数々の装飾品、監督自らのギャラを投じて作ったという執念は買う。それにさすが水芸のプロ。『アビス』のようなオープニングや沈没する時に押し寄せてくる波などは素晴らしいと思った、だけど・・・。

この映画はアメリカでは5月公開を遅らせざるを得ないくらい撮影がずれ込み、11月の東京国際映画祭の直前まで編集作業が続いたという。だからだろう。氷山激突から先のシーンの編集が雑なのだ。1番の見せ場なのに。しかし例えばディレクターズカットだとか完全版が公開になったとして、果たしてそれがいい作品になるのかは疑問だ。

そもそもストーリー自体あまり好きではなかったし、ディカプリオにもときめかなかったし、ウィンスレットはドスコイだったし(おぃ)個人的にはなぜこんなにヒットしたのか分からない作品でありました。
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