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Rose Muscosa (Engraving)
Redoute, Pierre Joseph
 

酸性水もどき



電解酸性水
の項をお読みになった方は、その効力に興味を持っていただけたことと思います。しかし、興味はあっても、生成装置の値段が高くて...というのが多くの方のご意見でしょう。その問題を解決すべく、単漕式の電解水生成器を自作して紹介しようと思っていましたが、当ホームページの読者のすべてが、そんなもの作るだけの工具や電気知識をお持ちというわけではないでしょう。

そこで、手っ取り早く台所や洗面所にあるものを、まぜまぜしただけで、かなりの殺菌力をもち、しかもすぐに分解して残留しない散布液は作れないものか?というテーマについて考えてみました。

 

まず、もっとも強力な食塩添加電解酸性水の殺菌力のもとは何か?に立ち戻って考えてみますと、(確立された説はまだありませんが)その効力の大半は、電解中に発生する次亜塩素酸によっているであろう、という考えが大勢のようです。では、水中で次亜塩素酸を生成するために、水に次亜塩素酸ナトリウムを添加すればいいじゃないか?と、次に考えるのが自然でしよう。

実際、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、目的により広範囲な濃度で医療用消毒剤として利用されています。しかし、液中の塩素濃度を電解酸性水中のそれ(〜50ppmくらい)とそろえた場合には、その殺菌力は電解酸性水には及ばないことも知られています。

では、この次亜塩素酸ナトリウム溶液中の次亜塩素酸の活性を一層高めて、電解酸性水にせまる方法はないでしょうか? 次亜塩素酸ナトリウム液中では、つぎの平衡が成り立っています。

NaOCl+H2O ⇔ NaOH+HOCl

この最後の項が次亜塩素酸です。もともと、次亜塩素酸ナトリウム液はアルカリ性の液体ですから、殺菌に寄与する遊離HOClはそれほど多くありません。HOClの液中濃度を増やすには、溶液を酸性側にかたむければよいことに気づきます。

一方、単漕式の電解水生成器から得られる酸性水は、pH5〜5.5程度であり、それゆえに次亜塩素酸の高い遊離濃度をもち、強力な殺菌作用を持つといわれています。

つまり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に、なんらかの混ぜものを加えて、pH5〜5.5程度にもっていけば、かなり強力な殺菌液ができあがるのではないか?と考えられます。

では、次亜塩素酸ナトリウムと+αの混ぜものはどこで調達すればよいでしょう。実はどちらも普通のご家庭でおなじみのもので可能です。


必要な原料

●次亜塩素酸ナトリウム液 → 花王ハイター(塩素系洗濯用漂白剤)
●混ぜもの        → 食酢(ちょっと贅沢に、ミツカン純米酢「金封」ヾ(^^;)
(注)台所用ハイターは、界面活性剤が入っているのでダメです。



では、これらを、どのような割合で混ぜるかというと...

水1リットルあたり

(A) 花王ハイター(1cc)+食酢(3cc) または、

(B) 花王ハイター(2cc)+食酢(4cc)


あたりが適当のようです。当然ですが(B)のほうが強力です。

なお、これらの数値は、塩素系消毒剤の有効塩素濃度や次亜塩素酸水溶液の安定pH範囲を参考にした暫定値で、実際のフィールドテストから割り出したものではありません。今後、最適値はフィールドテストの成績をもとに調整していく必要があります。
下表にこの付近の組み合わせにおけるpHとORPの関係を示します。

ハイター・食酢の量とpH/ORPの関係   (pH/ORP(mV))

ハイター\食酢

2cc

4cc

1cc

6.1/900

4.7/950

2cc

5.6/950
原水: pH 7.3  ORP 780mV(横浜市水道)
(参考)食酢なし、ハイターのみ1ccでは(9.5/700)

この数値だけを見ると、少なくとも、最強力なアルカリイオン整水器と同等のORPが得られているのが分かります。実際にこの液でミニバラを用いた予備散布実験を行いましたが、アルカリイオン整水器でつくった酸性水(pH2.9、ORP:900mV以上)と同等以上のうどん粉病抑止効果がありました。ただし黒点病対策には、もう少し高濃度にする必要がありそうですが、まだ実験してませんので最適混合比率は未知です。

実は、混用する酸としては、食酢が最適というわけではありません。というのは、次亜塩素酸が食酢中に含まれるアミノ酸と反応して、分解してしまい、濃度が低下してしまうおそれがあるからです。この点では無機酸のほうが良いわけですが、今回はもっとも手軽な食酢でTryしました。これでも上記のように十分な効果が期待できるようですので、当面は食酢でいくつもりです。

98年はNeem Oilの評価のために、残念ながら酸性水は当面お休みしていますので、HTやFLに対する本格評価はすぐにはできません。興味のあるかたは試してみてはいかがでしょうか。バラへの薬害の有無については未検討ですので、もちろん、ご自身の責任で...(ミニバラでは薬害は観察されませんでしたが...)

なお、本散布液は、電解酸性水に比較して次亜塩素酸濃度が数倍になっていますので、残留性の点で電解酸性水と全く同じではありません。念のため。

【電解酸性水に戻る】


注意!

お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、花王ハイターのような塩素系漂白剤と酸を混ぜると、塩素ガスが発生して危険です。ハイターと食酢を原液同士で混合しないで下さい。たとえば1リットルの散布液を作る場合は、次の順番で作ります。

(1)500ccの水に花王ハイター(1リットル分の必要量)をいれてよく混ぜる
(2)別の500ccの水に食酢(1リットル分の必要量)をいれてよく混ぜる
(3)上記の2液を混ぜる(合計1リットルとなる)

原液同士を直接混合するわけではないので必要以上に恐れることはありませんが、液の調製は換気の良いところで行って下さい。なお、散布時には吸い込んだり目に入らないようにご注意下さい。

なお、写真の花王ハイター(塩素系洗濯用漂白剤)以外の製品を使用した場合の希釈率は調べていません。

 


酸性水もどき Ver.2 リリース

一部の方には、だいぶ前にメールで予告しておりましたが、公開が遅れてしまいました。

Ver.1では、溶液のpH調整に酢をつかっておりますが、すでに書いたように、酢をつかうと、含有する酢酸以外の成分により活性な次亜塩素酸のロスが出る可能性がないとは言えず、また、酢の銘柄による成分の違いにより「もどき」の出来に差が出ることも懸念されます。

これらを回避するために、他の酸を物色しました。どこでも誰にでも入手でき、危なくない物というと、ミョウバンなどが思い浮かびます。しかしこれにはアルミが含まれており、土壌中に蓄積するとロクなことがありません。実際には極めて微量しか使いませんので問題などないはずですが、もっといいものを見つけたので、そちらにしました。

それは、クエン酸です。ご存じのようにクエン酸は英名では Citric Acid。 つまり柑橘類の酸っぱさのもとであり、クレブスサイクルなどで知られる、生物のエネルギー代謝になくてはならない物質です。薬局で純粋なものを安価で購入できるのも魅力です。

で、このクエン酸を薬局で買ってきたら、体積比で約5%のクエン酸水溶液を作って下さい。体積比で作るのは、正確な秤がどこのお宅にもあるわけではないからです。5ccの計量スプーンで計りとったクエン酸粉末を100ccの水に溶かして下さい。出来上がりの水溶液に対して5%などとコマカいことにこだわらなくても大丈夫です。

で、これを酢の替わりに使います。

下図にこの組み合わせにおけるpHとORPの関係を示します。

ハイター・クエン酸水溶液の量とpH/ORPの関係
(ハイター2cc、出来上がり総体積1000cc)
(原水: pH 7.3  ORP 780mV(横浜市水道))

この関係から、溶液の安定性を考えると、クエン酸水溶液は5.5ccくらいを狙うのが良さそうです。実際、ハイター2cc、クエン酸5.5ccで99年前半に試用してみましたが効果的でした。

酢を使った場合とのパワーの単純比較はしていませんので、どちらがベストかはわかりませんが、酢の銘柄によるバラツキがないのでその点は安心かもしれません。

まあ、特殊な健康食品の高価な酢ならともかく、一般の食酢として売られているものならそんなに気にしなくても大きな差はないとは思いますが...

 
結局、おすすめレシピは水1リットルあたり
花王ハイター(2cc)+クエン酸水溶液(5.5cc)

となりました。もっと強力なのが欲しい方には、ハイター4cc、クエン酸10〜11ccというのもありますが、普通はそこまでしなくても十分でしょう。

混ぜ方は「もどきVer.1」と同じです、原液同士をまぜないようにしてください。


散布の際の注意点

電解酸性水のページにも書きましたが、注意する点は同じです。「もどき」も不安定な物質です。
以下のことは絶対に避けてください

これらを行うと、「もどき」は効力を失ってしまいます。また、吸い込まないことや目に直接入れないようにすることはもちろんです。

「もどき」は一般の化学農薬とは異なり、乾くまでの短い時間が勝負です。散布のしかたも、細かいミストが葉裏にうすくかかるようにするのではなく、粗めの水滴で葉の両面や茎を洗うように散布してください。したがって、農薬散布の場合よりも多くの液を使用します。

 

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