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中途解約

継続的なサービス(役務)の契約の場合、民法上の原則としては、いつでも中途解約できることになっていますが、現実には「中途解約できない」旨の契約を交わしていることが多いと思われます。(契約書を見てみましょう。)この場合、理由がなければ中途解約はできません。(なお、消費者契約法に違反する場合は、契約書の条項が無効になる場合があります。)

しかし、特別法で片面的強行規定として中途解約権が認められているものがあります。

特定商取引法では、エステティックサロン・語学教室(英会話教室等)・学習塾・家庭教師等・パソコン教室・結婚相手紹介サービスの6業種を「特定継続的役務」と定め、継続的なサービス契約のうち、この6業種について中途解約権を認めました。(特定商取引法49条

また、特定商取引法では、マルチ(まがい)商法についても中途解約権が認められています。(特定商取引法40条の2

その他、特定商品預託等取引契約法では、預託取引(現物まがい商法)について中途解約権が認められています。(預託等取引契約法9条
消費者契約法

消費者契約法は、消費者と事業者との契約につき消費者保護を目的に制定された法律で、次の2つの点を規定しています。

(1)事業者の一定の行為により消費者が誤認し、または困惑した場合に、契約の申込みまたは承諾の意思表示を取り消すことができる。(消費者契約法4条

《誤認型の取消し》

@ 不実の告知
A 断定的判断の提供
B 不利益事実の故意の不告知

《困惑型の取消し》

C 住居からの不退去
D 勧誘場所からの退去妨害

(2)消費者の利益を不当に害することとなる契約条項の全部または一部を無効とする。(消費者契約法8・9・10条

@ 事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部免責条項
A 事業者の故意または重過失による債務不履行の場合の一部免責
  条項
B 事業者の不法行為による損害賠償責任の全部免責条項
C 事業者の故意または重過失による不法行為の場合の一部免責条
  項
D 目的物の隠れた瑕疵による損害賠償責任の全部免責条項
 (代物交付責任・修補責任等の規定があれば無効にならない。)
E 契約解除による損害賠償額・違約金の条項で、事業者の平均的損
  害を超える部分
F 消費者の履行遅滞による損害金の条項で、年14.6%を超える部分
G 消費者の利益を一方的に害する条項
合意解除

契約の解除は、なにも法律の規定による場合だけではありません。契約の両当事者が契約の解除に合意すれば、契約は解除されます。
契約不成立

契約は、申込みの意思表示と承諾の意思表示の合致のみで成立すると言われていますが、商品の価格や内容などの主要な事項が合意されることが当然に必要です。

ですから、例えば、送り付け商法のように業者が勝手に商品を送ってきたとしても、それだけでは契約は成立していません。また、電話で勧誘された場合に、「結構です」と言って断ったのに、業者が、契約することに対して「結構です」と言ったのだから契約成立だと主張しても、契約は成立していません。
未成年者

婚姻経験のない20歳未満の未成年者が契約する場合、親権者または後見人の同意が必要です。同意のない契約は、取り消すことができます。(民法4・5・6条

ただし、次の場合は取り消すことができません。

@ 未成年者が、単に権利を得たり義務を免れる行為
A 未成年者が、処分を許された財産を処分する行為
B 営業を許された未成年者がするその営業
C 未成年者が、自分を成年である、あるいは親の同意を得ていると
  嘘をついた場合
錯誤

勘違いして契約してしまった場合、真意の意思表示の合致がないので契約は無効となります。ただし、契約の相手方を保護する必要性があることから、数量や品質といった契約の重要な部分(要素)に錯誤がある場合で、かつ、本人に重大な過失がない場合にのみ無効を主張できます。(民法95条
詐欺

騙されて結んだ契約は、取り消すことができます。(民法96条
強迫

強迫されて結んだ契約は、取り消すことができます。(民法96条
信義則違反

信義誠実の原則に反する契約は無効となります。(民法1条2項
公序良俗違反

公の秩序または善良の風俗に反する契約は無効となります。
民法90条

例えば、愛人契約、売春契約、賭博、ねずみ講、暴利行為などは公序良俗違反で無効です。
債務不履行や担保責任による解除など(法定解除権)

業者が契約どおりにきちんと履行してくれない場合や商品に隠れた欠陥があった場合などには、民法上、契約を解除することができます。

 

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