Movie Review 2004
◇Movie Index

理由('04日本)-Dec 18.2004
[STORY]
1996年荒川区にある高層マンションで一家4人が殺害される事件が起こった。この部屋は小糸信治と妻の静子、そして息子の3人が暮らしているはずだったが、3人は静子の実家で暮らしており、殺された4人は全くの他人同士であった。マンションの防犯カメラは現場から逃げる男を捉えており、この部屋を競売で買った石田直澄(勝野洋)という男が容疑者として浮上する。
監督&脚本・大林宣彦(『なごり雪』)
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原作は第120回直木賞を受賞した宮部みゆきの同名小説。本作は今年のゴールデンウィークにWOWOWですでに放映されている。
私はもうWOWOWはやめてるので放映は見てないんだけど、そういう作品を映画館で見るのは何か損したような気持ちがしないでもない(笑)でも2時間40分もある作品を家でじっくり見るのは私には無理!と思って、集中できる映画館を選びました。

映画は事件の関係者へのインタビュー形式で綴られていく。出演したのは総勢107人の俳優やタレントたちで、誰々が主役とは決まっておらず、キャストクレジットは出演順となっているのが公平(?)で面白い。でもチラシでは、ずぶ濡れの岸辺一徳が警察官に両脇挟まれて立っている写真が使われていて、私はてっきり彼が石田直澄なんだと思いこんでたよ(笑)彼はマンションの管理人で、事件のあった部屋に警官を連れて行くところのシーンだったのね。なにも怪しくない(笑)でも同じように誤解した人が多いんじゃないだろうか。

このインタビュー形式でストーリーをすすめていく形式は成功していると思った。原作は既読だったけど私はあまり面白いと思わなかったのね。でも映画は次から次へといろんな人が登場するのが飽きなかったし、次の人へのつなぎが違和感なくスムーズなのがスゴイと思った。原作を壊すこともなく丁寧に描いていて、これなら『模倣犯』で絶句(笑)した原作者も絶賛するはずだわ、と納得した。ただ、このインタビュー中の彼らの周りに演出をつけるのがイヤだったな。例えば小糸信治の姉へのインタビュー中に塾の生徒たちがやってきたり、水道の蛇口から水がジャジャー出てたりね。他人の人生の一部を語る彼らにもまた人生があるのだ、ということを伝えたいんだと思うんだけど、そこにイヤらしさを感じてしまった。演技のわざとらしさもあったと思うが。それとクライマックスは「も、模倣犯ふたたび?!」なヘンなCGで、すっかり事件の余韻が消えてしまった。管理人があの部屋で語るところで終了で良かったのに。思いっきり蛇足だ。さらに追い討ちをかけるように世にも怖ろしい主題歌が・・・!今でも頭の中をぐるぐる回っています。さーつーじーんじーけーんがむーす(やめれー)

出演者の中ではノーメイクの古手川祐子と南田洋子がやっぱり印象的。その老けっぷりにビックリしながらも、こういうのができるっていうのは強いな、と感心してしまう。南田洋子は連続テレビ小説でも同じ訛りのある老婆を演じているが、こちらもドラマの中でいいアクセントになっていて、うちの母なんかはこの人が見たいからドラマを見てる、なんて言ってる。今後もお婆さん役でひっぱりだこになりそう。
また、何人か中学生の女の子が出演してるんだけど、どの子も顔のパーツがちんまりした長い黒髪なのだ。最近の大林作品は全然見てないのでよく分からないのだが、こういう子がやっぱり好みなんですかねえ。そこにもイヤらしさを感じました(笑)
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Mr.インクレディブル('04アメリカ)-Dec 14.2004オススメ★
[STORY]
かつてスーパーヒーローが世界を救っていた時代があった。しかし彼らの桁違いのパワーによる損害も大きく、裁判沙汰が増えていった。悩んだ末に政府はスーパーヒーローたちにパワーを使うことを禁じ、普通の生活を余儀なくされる。Mr.インクレディブルとして人気絶大だったボブ(声:クレイヴ・T・ネルソン)もまた、現在は保険会社で働き、同じくスーパーレディだった妻ヘレン(声:ホリー・ハンター)と3人の子供をもうけ、それなりに幸せに暮らしている。しかしヒーローだった頃がいまだに忘れられずにいた。そんなある時、謎の女性からヒーローとしての仕事を依頼され、ボブは大喜びでその仕事を引き受けるが・・・。
監督&脚本ブラッド・バード(『アイアン・ジャイアント』
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ブラッド・バードは元々ピクサー社の人間ではなかったが、本作の企画をピクサーに持ち込み、それが採用されて、現在は『アイアン・ジャイアント』の時のプロデューサーだったジョン・ウォーカーらとともにピクサーの社員となっているという(面白いね)
人間のキャラクターだけが登場するアニメはピクサーでは初。コスチュームデザイナーのエドナ・モードの声はバード監督自らが演じている(って後から知ったんだけど、てっきり声の低い女の人が喋ってるとばかり思ってたよ!びっくりした)

久しぶりに私好みのピクサー作品だった。『モンスターズ・インク』『ファインディング・ニモ』もあまり好きじゃなかったけど(でも大ヒット)本作はボブのベルトが締められない第1弾予告の時点で、私の大好きな『トイ・ストーリー』に近いものを感じていて、これは絶対面白いはず!と期待していたのだが、それ以上だった(ということは、これはあんまりヒットしないかも(笑))

たしかにあのデフォルメされたキャラクターが受け付けないっていう人は多そうだな。特に日本のアニメを見慣れてる子供なんか。だけど、あのキャラクターが動くとものすっごいリアルなのよ。パーツは単純なのに、顔の表情が本物の人間に見える時があって驚いた。ヘレンが赤ちゃんに離乳食を食べさせるシーンの顔の表情は絶品だ。たぶん世界中のお母さんが共感しながら見たと思うね(このヘレンは性格から何からすべて萌えますよ。キャラクターの中で一番好き!)
登場人物1人1人に個別にスタッフがついてたんじゃないかっていうくらい性格や特徴がしっかりしてて細かいのだ。特に私も弟がいるせいか、姉ヴァイオレットと弟ダッシュのやりとりは子供の頃を思い出した。普段はつまんないことでケンカばっかりしてるのに、いざという時は助け合うところ。とにかく感心するばかりだった。

実は第1弾予告を見た時に、Mr.インクレディブルは家族に自分がヒーローであることを内緒にしてて、奥さんや子供は普通の人なんだと想像していた。悪と戦いながら、家族にはごく普通の仕事をしていると隠し続けるコメディなのかなって。だからその後、家族全員にスーパーパワーがあると知り、あの赤いコスチュームを家族全員が着てポーズを取ってるのを見て、一度はガッカリしたのよ。なーんだ、キャラクター商品を売るためかよ!なんて思った。
だけどパワーを持つゆえのそれぞれの悩みがきちんと描けていて(誰かに感情移入できるようになっているのがまたスゴイんだな)バラバラだった家族の気持ちが1つになっていく過程や子供たちの成長も丁寧で、ちゃーんと家族の物語になっていた。もちろん単純に笑えるシーンもあるし、アメリカの訴訟問題を風刺したような設定もあり、アメコミマニアや映画マニアに嬉しい小ネタも満載。あの人が『MIB』だというのは後から知りました。

ただ、前半ボブがやる気なく鬱々してるところはちょっと長いと思った。勤め人にとっては身につまされるし、この前半がとても重要であり、だからこそ後半が活きてくるって分かるんだけどね。上映時間が115分はやっぱりちょっと長過ぎだろう。色が鮮やかすぎて目がチカチカしているのに、さらにスピードがえらい速いシーンがあって疲れてしまった。せめて100分くらいにならなかったかな。それとエンドクレジットがNG集でなかったのが嬉しかったが(個人的に『バグズ・ライフ』のNG集以外は好きじゃない)最後にもう1つ、何かオチが欲しかった。
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カンフーハッスル('04中国=アメリカ)-Dec 13.2004オススメ★
[STORY]
文化大革命前の中国。町は斧頭会というマフィアが支配していたが、一箇所だけ豚小屋砦と呼ばれる貧しい人々が暮らすアパートだけは、その難を逃れていた。ある時、しがないチンピラのシン(チャウ・シンチー)は斧頭会の名を騙って豚小屋砦の住人から金をたかろうとするが撃退されてしまう。そこへ本物の斧頭会がやってきて住人たちと戦いはじめるが、歯が立たない。住人たちは一体何者なのか・・・?!
監督&脚本チャウ・シンチー(『少林サッカー』
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前作『少林サッカー』に続きシンチーが製作・監督・脚本・主演の4役をこなし、尊敬するブルース・リーに捧げたカンフー映画を作り上げた。1970年代に活躍していたアクション俳優や『少林サッカー』に出演した俳優を多数出演させている。アクションは『マトリックス』シリーズのユエン・ウーピンが担当(なので『リローデッド』のネオ対100人スミスにそっくりなシーンあり)本作ではアメリカのコロンビア・ピクチャーズも製作に参加した。

一足早く試写会で見たので予備知識ゼロだったのと、私は70年代のアクション俳優を全く知らないので、ただのオジサンオバサンだと思っていた人たちが異様に強いのにビックリ。意外な展開の連続で口あけっぱなしだった。シンチーの見せ場が最後のほうだけというのも驚きだった。ただ、シンチーは独特の喋りが面白いけど黙ってれば男前なので、彼のアクションはカッコイイけどあまり笑えない。それよりもオジサンオバサンのほうが面白かったのでシンチーが前半活躍しなくてもあまり気にならなかった。特にお気に入りはチウ・チーリン演じる仕立て屋さん。腕に鉄輪を嵌めるシーンが大好きだ。おデコに脂汗が浮いてるのもリアルでイイ(笑)

ストーリーはハリウッド資本が入ったせいだろうか?『少林サッカー』よりしつこさが減って見やすいなぁと思った。吉本新喜劇みたいなのが苦手な自分としては、こちらのほうが面白いと感じた。刃物を振り回したり刺したりするシーンは殴ったり蹴ったりするシーンよりも残酷な感じがするので好きじゃないはずなのに、怖くて半分目をそむけながらもあまりのマヌケさに大笑いしてしまった。普段の自分ならこういうシーンで引いてしまうのになぁ(前作のビール瓶がダメだったから)血を見せずテンポよく刺すところがポイントなんだろうか?(笑)しかもその一見ムダに見えるシーンが後の伏線になっているのに感心した。

不満だったのはシンの相棒(ラム・ジーチョン)が本筋に全く絡まないところ。しかも途中からは全く出番なし。かつてのアクション俳優たちに敬意を払いすぎたのか、前作の出演者たちが切り捨てられたカタチとなったように思う。ブルース・リーそっくりのチャン・クォックワンも前作とは全く違うオールバックにヒゲで黒いスーツというスタイルで、ブルース・リーに似てるということをあえて消しているように見えた。見せ場も全然なくて可哀相だったね。
前作で作曲家志望だった彼は本作でもまた常に半ケツという奇抜なスタイルでインパクトを与えてくれるが、背が伸びたのか体格が良くなったのか、バランスの悪いCGみたいなキャラクターからは脱していた。彼もやはり人間だったか(笑)
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五線譜のラブレター De-Lovely('04アメリカ)-Dec 11.2004
[STORY]
ミュージカル『キス・ミー、ケイト』や映画『上流社会』の音楽で知られるコール・ポーターの半生を、彼の曲で綴る ミュージカルドラマ。
1920年代のパリ。あるパーティーでポーター(ケヴィン・クライン)は8歳年上のリンダ(アシュレイ・ジャッド)と出会い恋をする。2人は付き合いはじめるが、ポーターは自分が同性愛者でもあることを告白する。リンダは彼の愛情と音楽の才能を信じ、それでも2人で成功する夢を叶えようと結婚を決意する。
監督アーウィン・ウィンクラー(『海辺の家』)
−◇−◇−◇−
コール・ポーターといえば私にとっては『地中海殺人事件』の音楽だ。映画そのものも面白かったけど、音楽がとても良かった。この映画は中学生の時、TV放映で初めて。ビデオに撮っては何度も見た。そしてテレビにラジカセを繋いで曲をカセットテープに録音して聞いていたという恥ずかしい過去を告白しよう(笑)この頃はサントラを買うなんて頭はなかったんだなぁ。印象的だったのは殺人が起こる前、登場人物たちそれぞれが島でリゾート気分を満喫しているところ(水着姿のポアロも見ることができる)このシーンでの音楽が、殺人事件がこれから起こるなんて想像させない、コミカルかつゴージャスな雰囲気を盛り上げていた。といっても、当時はポーターという作曲家の曲だなんて知る由もなかったんだけど。

そして、本作を見て彼がバイセクシャルであることを初めて知った。見る前にあらすじをちょこっと読んでたけど、そんなことどこにも書いてなかったし、ポスターだってリンダとのロマンチックな2ショットだったし。だからのけぞりましたよ(笑)
男同士のラブシーンは過激なものはなかったけど『昼も夜も Night and Day』を歌うシーンは、ドキドキしてヘンな汗かいちゃったよ。曲は名曲だし大好きだけど、今後どこかで聞くたびにあのシーンを思い出しそう。というか、この映画で一番印象的なシーンはそこかもしれない。ヤバイ(笑)

作品は晩年のポーターがジョナサン・プライス演じる演出家に連れられて、彼の半生をミュージカル仕立てにした舞台を彼自身に見せるという変わった構成になっている(これは、死期が迫ったポーターに、天使(演出家)がお迎えが来るっていう設定だと解釈したが合ってるだろうか)
でもどことなく『ライフ・イズ・コメディ!』に似ていると思った。自伝といっても忠実に描くんじゃなくて、どこか茶化したような演出が似てるのかな。主人公が自分の人生を傍観するところとか。こういうスタイルが今の流行りなのかなぁ。それとも、こういう特別な人ですから、描き方によっては遺族などに訴えられるかもしれない、その時のための逃げ道だったりする・・・?

ミュージカルシーンはどれも素晴らしかったけど、ドラマ部分はいまいち人物たちの気持ちが分かりにくかったな。リンダがポーターの才能を信じ続けるところがまず理解できず困った。ポーターがなぜリンダを必要としたのかも。ポーターは男の恋人はたくさんいたようだけど、女性はリンダだけだったんだろうか?なぜ彼女なのか?うーん。そのせいか、ポーターがリンダを失うシーンも悲しみが伝わらなかった。その後のポーターの孤独もドラマ部分では感じることができなかったが、彼の前から姿を消した人々が、彼を囲むようにして歌うシーンで初めて伝わってきて、感極まって泣いてしまった。歌で泣かせるというのも相当凄いことだと思うんだけどね。

クラインはやっぱりゲイ達・・・じゃなかった芸達者(←お約束ギャグ)だなぁと感心。歌はあまり上手じゃないけど楽しそうでとても自然だった。ジャッドも予想通り歌が上手くないんだが、ほんの1フレーズ歌うだけでも自信のなさが顔に出てて気の毒だった。
劇中ではエルヴィス・コステロやアラニス・モリセットなど、豪華ミュージシャンがクラブ歌手や役者として歌を披露しているが、私はロビー・ウィリアムスが歌った『It's De-Lovely』が一番良かったな。
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犬猫('04日本)-Dec 9.2004
[STORY]
東京のとある町。中国へ留学するアベチャン(小池栄子)が住む一軒家の留守を預かるため、友達のヨーコ(榎本加奈子)がやってくる。そこへ恋人の古田(西島秀俊)の家を飛び出し行くところがないスズ(藤田陽子)がやってくる。ヨーコもスズもアベチャンとは仲がいいのだが、ヨーコとスズは仲が悪かった。2人はいつも同じ男を好きなり、つい最近も古田を巡って一悶着あったばかり。しかし結局2人は同居することに・・・。
監督&脚本・井口奈己(8mm版『犬猫』を自らリメイク)
−◇−◇−◇−
ぴあ・フィルム・フェスティバル2001の企画賞を受賞した8mm版『犬猫』をキャストや脚本を変更して井口奈己自らリメイクした長編作品。2004年トリノ国際映画で審査員特別賞・国際批評家連盟賞・最優秀脚本賞特別賞を受賞した。

もともと女2人が主人公の映画が好きだったのと、本作は前売券を買うとビズ・ビズ青山のビーズアクセが貰えるというので見てみることにした。8mm版は見てないばかりか存在すら知りませんでした。後から知ったんだけど、本作には8mm版のヨーコとスズが出てたみたいね。知ってたら「おおっ!」となっただろうに。DVDになったりしないのかな。何とか見る機会はないものだろうか。

始まって直後は画面の小ささ(スタンダードサイズは『エレファント』でも見てるんだけど、それよりさらに小さく見えちゃって)と、暗さ、そして食事するシーンでのガチャガチャした音が大きいのに驚いて、ひょっとしてヤバい映画を見に来ちゃったのか?!なんて思ってたんだけど、スズが古田の家を飛び出してタイトルバック出るまでの間で、こりゃ面白いと思うようになった。ああいう省略の仕方がものすごく好き。

その後のシーンでも、ストーリーの本筋より何気ないところのほうが面白かった。ヨーコとスズって、同じ男さえ好きにならなければ相性はいいと思うんだよね。家事の分担がどうなっていたのかよく見えなかったけど、スズが全般的に家事をやってるのかな?と思えば、別のシーンではヨーコがアイロンがけをしてて、その時の服が後になってスズのものだと分かるシーンがあり、なぜかそこに感激してしまう(笑)また、ヨーコが酔っ払って食い散らかした落花生を、スズが片付けるシーンの芸の細かさにニヤリとしてしまう。
さらに、いろんな伏線が随所にちりばめられている。例えば(ネタバレっぽいので伏せます)焼きいもじゃなくて生のサツマイモをお土産にするところ。焼きいもの車が映ってたのにどうして生?と思ってると、アベチャンちの庭が焼きいもができるくらい広いんだってことが後で分かるのだ。それに焼きいも屋で買うと高い!(笑)(ここまで)女の子らしい視点と発想だと思った。

始まりの良さと小ネタの良さで、これはラストも期待できる!とワクワクしてたのに、残念ながら着地はいまいちだった。ケンカした2人が、話し合って仲直りするというストーリーじゃなくていいんだけど、気持ちが通じ合わないまま中途半端で終わってしまったように感じた。例えば(ここもネタバレっぽいので伏せます)せっかくワンピースを軒下に入れるシーンで、スズがヨーコを少しだけ許す気持ちが表現されているのだから、散歩から帰ったヨーコがそのワンピースに気づいてから、家に入るシーンで終わりでよかった。結局、何だかんだ言っても2人とも帰る場所はこの家しかないのだから・・・って。(ここまで)ベタですかね?
でも、2人とも傷ついても男や友達に頼ったりしないで自分で気持ちを整理しようとするところは清清しくてよかったな。

あと、どうでもいいことですが、ヨーコはコンタクトレンズを過去に使ったことがあると思ったね。初めての人があんなに簡単に扱えるわけがない(笑)私は始めてソフトコンタクトを入れる時に1時間掛かりましたからね(私がおかしい?)取る時だって目を触れなくて「うひゃぁ!」って言いながら必死に取りましたから。どうせ自分はメガネのほうがお似合いよ!と開き直ったか、顔が隠れて便利(?)などと思ってまたメガネに戻したんじゃなかろうか。
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