Movie Review 2003
◇Movie Index

パリ・ルーヴル美術館の秘密('01フランス)-Dec 20.2003
[EXPLANATION]
1987年のパリ、ルーブル美術館。この世界最大の美術館の舞台裏にカメラが初めて潜入した。美術館に携わる1200人ものスタッフたちの仕事ぶりを映していくドキュメンタリー。
監督ニコラ・フィリベール(『音のない世界で』)
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死ぬまでに一度は行ってみたい美術館の1つであるルーブル美術館。この裏側を見ることができるということで喜び勇んで行ってきた。普段はさほど混まない映画館が満席で、しかも年齢層の高いこと。やっぱり興味がある人いっぱいいるんだねえ。

改装工事中に美術館に、美術品を運び入れて設置していくシーンから映画は始まる。最初はこの人たちがただの運送業の人だとばっかり思ってたので、何の慎重さもない運び方にハラハラしてしまった。壊れたらもう替わりはないんだぞ!って心配で心配で。でも危惧するようなことは全くなく、手際よく美術品が並べられていくのを、ただ口をあけて見ていた。美術品専門の人なのか本当に運送業の人だか分からないけど、やっぱりプロなんだわ。その後も学芸員や美術品の修復の人やら、次々とプロが出てきては黙々と仕事をこなしていく。美術品と、それを作り出した人はもちろん素晴らしいんだけど、それを守る人々も素晴らしい。彼らのおかげでいつまでも美しいままの姿を、私たちは見ることができるわけなんだよね。少しでも美術品や美術館に興味のある人は、絶対に見たほうがいい。

と、熱弁をふるってアレなんですけど・・・薄暗い館内をカメラが静かに進んでいくシーンで何度かウトウトしてしまった。『エルミタージュ幻想』を見た時と同じような心地よさで、ちょっと記憶が飛んでたりする(ダメじゃん)いやぁ、だって館内広すぎるよ。すべて見ようと思ったら一週間は掛かるっていうじゃない(ゴダールの『はなればなれに』では10分で回ってたけどさ)
それよりさらに凄いのは美術品が保管してある地下通路。盗難防止のためなんだろうけど、まるで迷路みたい。学芸員の人はよくあんなところを迷いもせずにグルグル回れるよなあ。美術品の名前はもちろん、描かれた時代や背景についての知識もすごくて、彼らの頭の中まで見てみたくなる(笑)
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ファインディング・ニモ('03アメリカ)-Dec 14.2003
[STORY]
オーストラリア、グレートバリアリーフ。カクレクマノミのマーリン(声:アルバード・ブルックス)は亡き妻が守ったたった1の卵から生まれた一人息子ニモを溺愛していた。ニモが小学校に上がる歳になっても心配するマーリンにニモは腹を立て、行ってはいけない場所に飛び出してしまう。そして人間のダイバーに捕まり、連れ去られてしまった。マーリンはナンヨウハギのドリーとともにニモを探す旅に出る。
監督&脚本アンドリュー・スタントン(『バグズ・ライフ』で共同監督)
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ピクサー製作、ディズニー提供のフルCG長編アニメの第5弾。声の出演にはウィレム・デフォーやジェフリー・ラッシュら大物も参加。その中で監督もまたカメのクラッシュの声を担当している。

難しいと言われた海をCGでここまでリアルに美しく描いたところにまず感動。なんかもうストーリーなんかどうでもいいから(←失礼)魚が泳ぐ海の映像と音楽だけのリラクゼーションDVDでも出してくんないかな。

と、書いたということは、映画的にはいまいちだったということです。心配性の父親と健忘症のおばちゃんコンビがまず好きになれず、ベジタリアンになろうとするサメだなんて・・・こういうネタはもう飽きた(『ダイナソー』でも怒ったけど、肉食のどこが悪いのさ!食うもんは食うんじゃ!)マーリンたちに次々に襲いかかる危機もそれほどハラハラせず、こちらのパートはあんまり面白くなかったね。

逆に人間にさらわれたニモが水槽に入れられるんだけど、この水槽の中の世界がすごく面白い!特に新入り歓迎会は最高。本当に人間が寝静まった頃にやってるんじゃないかって信じてしまいそう。というか、こういう可愛らしいけどおバカな空想を、そのままアニメに使ってしまうところに感心してしまった。魚たちの天敵である女の子のキャラクターも好きだ。
でもこの映画を見た子供たちがカクレクマノミを熱帯魚屋から買ってきて、トイレや洗面台に流してしまわないかとちょっと心配です。

個人的には予告で見た『Mr.インクレディブル』がすっごく面白そう。多分この映画よりはヒットしないと思うけど、大好きな映画になりそうだ。
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