Movie Review 2002
◇Movie Index

ヴィドック('01フランス)-Jan 14.2002
[STORY]
1830年パリ。泥棒から警察官、そして名探偵になり民衆の人気を集めていたヴィドック(ジェラール・ドパルデュー)が何者かに殺された。彼の伝記を書くことになっていた作家のエチエンヌ(ギョーム・カネ)は、彼を殺した犯人を探し出そうとする。
監督ピトフ(長編初監督)
−◇−◇−◇−
監督は『デリカ・テッセン』や『エイリアン4』の特殊効果担当を経て本作で長編初監督。ピトフと共同脚本を担当したのは『クリムゾン・リバー』の原作者ジャン=クリストフ・グランジェ。美術は『宮廷料理人ヴァテール』のジャン・ラバス。そしてキャラクター・デザインには『ロスト・チルドレン』のマルク・キャロが担当──とかなり豪華でした。

一番の見所である映像に関しては、建物から空から全部イジってるせいか、のっぺりして奥行きが全然感じられなかった。まるで昔の童話の挿絵にベッタリと色を塗ったみたい。だからアクションシーンは見にくかったし、顔面アップの多用もきつすぎた。

犯人探しは想像以上に面白かった。手がかりから事件の関係者に行き着き、そこからまた次の手がかりを得るといった展開は、オーソドックスだけど探偵モノの王道といった感じで自然とのめり込むことができた。犯人登場シーンも「おっ!」とちょっとビックリしたし。でもビックリしたのはあまりにも今までのストーリーと辻褄が合ってなかったからでもある(笑)それを強引に押し切ってるあたりが『クリムゾン〜』とカブるかな(笑)

とりあえず次回作もチェックみようかなぁというところか。フランス映画でこういうタイプの映画はもっと作られると面白いと思うが。

そうそう、一番面白かったのは映画本編じゃなくて『あしたまにあ〜な』で濱田マリがこの映画を紹介した時に、監督の名前に対して「おいしそう」とコメントしたことかな。ピラフ?ポトフ?確かに(笑)
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金色の嘘('00アメリカ=フランス=イギリス)-Jan 12.2002
[STORY]
20世紀初め。アメリカ人のシャーロット(ユマ・サーマン)は、恋人同士だったイタリア人貴族のアメリーゴ公爵(ジェレミー・ノーザム)からアメリカ人富豪ヴァーヴァー(ニック・ノルティ)の娘マギー(ケイト・ベッキンセール)と婚約したことを告げられる。傷ついたシャーロットは一旦アメリーゴの元を去るが、結婚式の3日前になっていきなり彼に会いに来る。さらに数年後にシャーロットはヴァーヴァーと結婚することになり、シャーロットとアメリーゴは義母と娘婿の関係となる。
監督ジェームズ・アイヴォリー(『眺めのいい部屋』)
−◇−◇−◇−
原作はヘンリー・ジェイムス。『ある貴婦人の肖像』『鳩の翼』もこの人の原作。アイヴォリーも『ヨーロピアンズ』と『ボストニアン』という作品ですでに彼の原作を映画化済みだそう(どちらも日本未公開)

そんなわけで原作は全く読んだことないんだけど、偶然にも映画だけは3本も見てたんだな〜。そういえば、全部違う監督の作品ではあるけれど共通点があるかもしれない。3作とも主人公の女性に共感できないこと(ハハハ)と「さて、これからどうなるのよ?」ってところで物語が終わっちゃうところかな。前述の通り読んでないから分かんないけど、こういう終わり方なのは原作がそうだからなのかなぁ。これで納得しろと言われればできるけど、結局何だったんだ・・・(脱力)ってな気持ちにもなる話なんだな。

ビジュアルはやはりよいです。さすがユマ・サーマンはどんなドレスでも着こなしてる。ベッキンセールはわざとかもしれないけど野暮ったくて2人のギャップが面白い。でも男性陣のビジュアルが・・・これを見たのはジェレミー・ノーザム目当てでもあったんだけど、今回も全然萌えられず。(『理想の結婚』もいまいちだったからなぁ。もうダメかも)それどころかシャーロットが何でこんな男にいつまでも執着するのか分からなかったほど(ごめん)彼女くらいの女だったらもっと若くて綺麗な男が寄ってくるだろうにとまで思いましたさ。

原題は『金色の盃』といって、映画の中でも金色の盃が登場する。その盃が“一見完璧に見えて見えないところに傷がある”ということを象徴しており、また“嘘”を見破る道具としても使われている。だから映画のタイトルもそのままにして欲しかったと思う。なんか『金色の嘘』というと、その嘘がついてもいい綺麗な嘘って意味に取れそうでね。
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コラテラル・ダメージ('01アメリカ)-Jan 1.2002
[STORY]
テロに巻き込まれて妻子を殺された消防士のゴードン・ブルーアー(アーノルド・シュワルツェネッガー)は“目的の為の犠牲〜コラテラル・ダメージ”という大儀のもとに事件をうやむやにしようとするアメリカ政府に業を煮やし、復讐のためコロンビアへと向かった。
監督:アンドリュー・デイビス(『チェーン・リアクション』)
−◇−◇−◇−
午前3時頃からの上映&見る前に呑んじゃった♪(←おい)のため細かいところは記憶がちょっと・・・。それにしても久しぶりにシュワちゃん映画を劇場で見たなぁ。『イレイザー』以来かも。ってことは5年ぶりか。この人の映画って王道パターンなのであんまり見る気しなくて。次に見る時は『ターミネーター3』だろうな。あ、これ一応今年公開するんだっけ。

ストーリーは、今の時期これを上映するのは微妙でしょうというテロリストへの復讐モノ。時期が悪かったというが、でもね、あの大事件が起こってなかったとしても、こういうストーリーってどうなのかな。見ながらつらつら思ってたんだけど、ゴードンの行動にどれだけの人が共感できる?そしてエンディングを見て「あ〜良かった」って満足できる?私はどちらもできなかった。むしろ思わず虫唾が走っちゃいましたね。それは(ネタバレ)テロリスト夫婦を故意ではないにしろ殺してしまったその直後に、その手で彼らの子供を抱き上げたところ。いくら子供が何も知らないからって無神経すぎない?いかにも犯人は憎かったけど子供には全く罪はない、と言わんばかりのアピール!(ここまで)とても後味が悪かった。アメリカの映画は大好き、でもこういう“アメリカ一番!アメリカこそ正義”な映画はやっぱり苦手だ。

キャストについてはゴードンがコロンビアで出会うテロリストの妻を演じたフランチェスカ・ネリが良かったね。『ハンニバル』ではパッツィの妻を演じてた人ね。これからもっと活躍しそう。
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オーシャンズ11('01アメリカ)-Jan 1.2002オススメ★
[STORY]
窃盗で刑務所に入っていたダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)が仮出所した。獄中で立てたラスベガスのホテルから現金を奪う計画を実行するため、親友で詐欺師のラスティー(ブラッド・ピット)ら10人がオーシャンの元に集まった。ターゲットはホテル王ベネディクト(アンディ・ガルシア)が管理する金庫。そのベネディクトの恋人は何とオーシャンの元妻テス(ジュリア・ロバーツ)だった。
監督スティーブン・ソダーバーグ(『トラフィック』
−◇−◇−◇−
1960年公開でフランク・シナトラ主演の『オーシャンと11人の仲間』のリメイク。こちらは未見なので分からないけど、本作は面白かった!ただ豪華キャストに寄りかかった作品じゃなくて話がよくできてるのだ。見終わったあとに、確認のためにもう1回見てみようかなって思わせる。

はっきり言って上のSTORYに書いたキャスト以外はそれほど目立ってないが(あ、マット・デイモンも出てます)それぞれに特徴があり役割があるので覚えやすい。さらにそんな彼らにまんまと騙された箇所もありで、最終的にはピッタリ嵌まる感覚が気持ちよかった。あ〜新年早々いい気分。
どうでもいいけど11人の中にA・ガルシアやジュリロバも入ってるってずっと思いこんでました。

ジョジクルの役は『オー・ブラザー!』とカブりまくってたけど、わざと、か?設定そのものが笑いドコロというかパロディみたいなもんなのかな。今回の役も好き。ビバだて男!(笑)オーシャンという男が持つ粋なところがこの作品そのものを表しているような感じ。さすがタイトルになってるだけのことがある。

唯一気に入らないのがジュリロバ。全然いい女に見えなくてガッカリ。いい服着てても似合ってないし、 姿勢は悪いし歩き方もヘン。ソダーバーグの『エリン・ブロコビッチ』繋がりで出演したのは分かるけど、それなら『トラフィック』繋がりのキャサリン・ゼタ=ジョーンズのほうが役に合ってそうだし、いい女だと思うんだがどうでしょう?
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RAIN('00タイ)-Jan 1.2002
[STORY]
バンコク。生まれつき耳が聞こえないコン(パワリット・モングコンピシット)は、殺し屋のジョーと出会い、彼もまた殺し屋としてジョーとともに仕事するようになる。数年後、ジョーは利き腕を負傷し、仕事はコン一人で仕事をこなしていた。ある日、コンは香港での仕事を終えたあとに風邪を引いてしまい薬局に行く。そこでフォン(プリムシニ・ラタナソパァー)という美しい店員に出逢い、彼女に恋してしまう。
監督&脚本オキサイド&ダニー・パン(初監督作)
−◇−◇−◇−
双子のパン兄弟による1作目。それまで2人はそれぞれカラーリスト、映画編集者として香港でキャリアを積んでいたそうだ。だから香港でのシーンがあったり、香港映画らしいテイストも見られたのね。なるほど。

ストーリーはこれ以上ないくらいにベタベタなんだけど、あざとさを感じないせいか、すごく素直に見ることができた。ストーリーもだけど、映画の作り方がとてもピュアな感じがしたのね。回想シーンもひとりよがりにならずにちゃんと観客に対して説明するようなかたちになってて、すごい親切だなぁと感心するほどだったしね(ああ、見てるこっちの心が汚れてるぜ)殺し屋の話にしてはあまり緊張感が漂ってなかったのが残念だったけど、ラストはカッコよくて好きだ。

登場人物に関しては、まずコン役の人が東幹久ソックリ(笑)人を殺す時はそうでもないんだけど、笑った時が特に。っていうか、耳が聞こえないのに普段の彼はぼんやりしすぎじゃないっすか?バイクに乗れるのもちょっと不思議だったり。
そしてフォン役の人がこれまた細川直美に激似!びっくりした。本人かと思った(笑)ほかにもジョー役の人とか至るところで誰かに似てるような・・・って人をちょこちょこ見かけたりして。それとジョーの恋人オームは、喋るまでニューハーフだと信じて疑いませんでした。ゴメン。
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