Movie Review 1998
◇Movie Index

スターシップトゥルーパーズ('97アメリカ)-May 2.1998
[STORY]
未来。地球は、昆虫のような異星生物によって滅亡の危機に瀕していた。ジョニー・リコ(キャスパー・ヴァン・ディーン)は、恋人のカルメン(デニース・リチャーズ)に倣うように、軽い気持ちで地球連邦軍に志願する 。ところがカルメンはパイロット、自分は機動歩兵部隊へと配属になる。苛酷な訓練の後、実践のため惑星に降り立つジョニーたち。そこで待ち受けていたのはとてつもない数の敵だった。
監督ポール・バーホーベン(『氷の微笑』)
−◇−◇−◇−
あたしの彼って超COOLなスポーツマン。だけどちょっと頭が弱いのよね。だからあたしと一緒に連邦軍に志願したけど彼の場合は身体しか使わないようなところに配属になっちゃったわけ。あたしはいつも彼氏と一緒にいないとイヤなタイプ?てゆーか。だからあたしの教官のザンダーのほうがいいな〜と思って振っちゃったの。でもあたしのために喧嘩する2人を見るのって快感。

(以下ネタバレ反転)それからあたしはパイロットの中でもかなりスゴくなったわけ。そんな時、死んだと思った彼が生きてたんだけど、しばらく見ないうちにワイルドになっててやっぱり彼の方がいいなぁと思ったし、彼の新しい彼女も死んじゃったし、寂しい彼を慰めるのはあたししかいないでしょ。そろそろただのパイロットじゃなくて偉くなりたいなぁと思ったら艦長が死んでくれて超ラッキーだし。だけどザンダーは虫に脳ミソ吸われちゃってサイテー!役たたず!ここで死ぬなんていくらあたしが美人でもイヤ!と思ってたらやっぱり彼が助けてくれたの。やっぱりあたしのことが好きなのね。だけどあたしは束縛されるのはイヤだから彼には「友達でいましょ?」って言っとくの。あたしって魔性の女?(ここまで)

まぁそういう話でした・・・ホント(笑)ネタバレばっかりでごめんなさい。つまり真面目に見ちゃいけないってことね。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ジャッキー・ブラウン('97アメリカ)-May 1.1998
[STORY]
武器密売業者オデール(サミュエル・L・ジャクソン)の片棒を担ぎ、メキシコから金を輸送しているスチュワーデスのジャッキー・ブラウン(パム・グリアー)が逮捕された。捜査官からはオデールを挙げるために協力を要請され、またオデールからは口封じのために命を狙われたジャッキー。しかし彼女にも秘策があった。
監督&脚本クエンティン・タランティーノ(『レザボアドックス』)
−◇−◇−◇−
タランティーノファンの間ではやはり『レザボア』が人気があるようだが、私は『パルプフィクション』が大好きだ。ユマはステキだしトラボルタってこんなに良かったんだ!と気づかせてくれたし。そして無駄話の面白さ。『レザボア』の冒頭のマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」の話で延々盛り上がるあれもだけど。

この映画もP・グリアーってこんなにカッコ良くてセクシーなんだ!って気づかせてくれたのはすごいと思うけど、残念ながらほとんど無駄話がなかった。それなのにどうしてこんなに長い映画なんだ?!(つまり言いたかったのはそれ(笑))原作を読んでいないと楽しめなかったらしい。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

エイリアン4('97アメリカ)-Apr 30.1998
[STORY]
死んだリプリー(シガニー・ウィーバ)を、軍の研究者たちはクローン化し見事成功する。そしてエイリアンを増殖させようとしていた。そしてその宿主になる人間を輸送してきた密輸グループのコール(ウィノナ・ライダー)はリプリーの存在に気づき彼女に接触する。
監督ジャン=ピエール・ジュネ(『ロスト・チルドレン』)
−◇−◇−◇−
この映画の前に『エイリアンサーガ』(1〜3までと4のメイキング付きビデオ)で予習していたので、その作品の違いがめちゃめちゃよく分かった。まずはエイリアン。1ではその生態や成長が克明に描かれデザインもシンプルだった。2ではマザーなんて出てきちゃってこれはカッコ悪かった。3は1匹だけのせいか迫力不足。ただしCG部分の動きが良かった。4ではその1〜3までのすべてが融合されておまけに進化までしている。エイリアン好きには堪らないだろうけどちょっと出過ぎだよ。

次にリプリー。1ではただの乗組員、2では大活躍、3では演技にとまどいがあったか?そして4では特殊メイクじゃないのにエイリアンに見えました(失礼)

ストーリーはやっぱり1がいいと思うけど、キャラクターに関しては今回が1番個性的だと思う。ロン・パールマンやドミニク・ピノンといったジュネ監督レギュラーががんばっていた。だけど今までのジュネ作品の方が彼らには合っているように思う。そのジュネらしさも今回あまりない。鉄梯子で火花バチバチとかエイリアンに寄生された男の喉から体内をグーンとズームしたところとか。いやぁだけど水中のシーンはすごかった。ここだけはどの作品よりも好き。メイキングでも1番大変だったと皆言ってるが、よくあんな動きや演技を水中でやったと思う。エイリアンの泳ぎはヘンだったけど。

1〜4の中でどれが1番か、とは言えないが、3はあんまり・・・。シガニーも「1と2のいいところが4で出てるのよ」などと3のことは口にしないのが笑った。さて5はあるのか。そして舞台は地球なのか?!
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

パーフェクトサークル('97ボスニア=フランス)-Apr 30.1998オススメ★
[STORY]
1992年サラエボ。詩人ハムザ(ムスタファ・ナダレヴィッチ)の妻と娘は街を脱出したが、ハムザ自身は1人残った。そこに両親を殺され家を追われた兄弟が迷い込んできた。兄ケリムは聾唖者だったが、弟のアーディスと助け合っている。最初は嫌がっていたハムザだったが2人の面倒を見るうちに家族のように思いはじめる。
監督&脚本アデミル・ケノヴィッチ(他監督作は分かりません)
−◇−◇−◇−
95年に『ビフォア・ザ・レイン』と『アンダーグラウンド』という旧ユーゴの内戦を描いた2本の映画を見た。前者は民族問題を扱いながらもメビウスの輪のような不思議なストーリーがとても良かったし、後者は地下で暮らす人々と地上の戦争を強烈に風刺した映画で、どちらも私の中では印象深い。しかしこの『パーフェクト〜』は最も現実に近い映画じゃないかと思う。

街の銃弾跡はおそらく本物だろう、セットでは決して表現できない廃虚。常に響く銃や砲弾の音。UNの装甲車。監督は戦火の激しい中で脚本を書き、街へ出てカメラに収めたという。経験した者でなければ表現できないだろう生々しさがあった。そんな中で登場する子供たちは、生きることに必死だけれどとても純粋で無垢なのだ。何気ない言葉が可笑しくもあり、ズンと胸にくる。そして兄弟の世話をするハムザが、彼らのために銃弾の中を走る場面には涙が出た。今もこれを書きながら思い出してまた泣いている(うぅ)血の繋がりはなくとも一緒に生きて、いつかやってくる平和な時を夢見ているのだ。比べるのはおかしなことだが、アクション映画での銃撃シーンには最近ほとんどハラハラしないのだが、この映画で弾から逃げるシーンには心臓が止まるかと思うほどハラハラした。彼らは何の武器も持たずにただ逃げるしかない。映画は感動させようとかそういう意図はまるでなくて、事実と希望と絶望とを、どちらかというと突き放したように描いている。だからこそ世界に平和を訴えるに説得力ある映画なのだろう。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ウインター・ゲスト('97イギリス)-Apr 26.1998
[STORY]
フランシス(エマ・トンプソン)は夫を亡くして、カメラの仕事も何もかもできない状態だった。彼女の母エルスペス(フィリダ・ロー)はそんな娘を見ていられなくてあれこれ口を出し世話を焼きたがった。
監督アラン・リックマン(俳優・初監督作)
−◇−◇−◇−
この映画は元は舞台で上演されている作品で、その演出をリックマンがしていたらしい。またその舞台でエルスペスを演じていたローに映画化を打診、ローの実娘トンプソンとの共演も実現したという。ローとトンプソンは本当に顔がそっくりだ(笑)

物語はフランシスと母、葬式に向かう中年の女2人、フランシスの息子アレックスと彼に想いを寄せる少女の2人、と2人ずつのエピソードをかわるがわる描いていく。しかもそのエピソードはみな1日の出来事である。そのあたりが舞台っぽいというか、舞台ではないのだからもっと柔軟性を持って欲しかった。でもトンプソンはいつもの大袈裟演技でなくて好感が持てた。そしてさすが親子、ローとの会話にはリアリティがあった。私がこの映画を見ようと思ったのは予告ですごくいいシーンがあって、その部分だけで泣けてしまったからなのだが、本編でのいいシーンはまさにそれしかなかった。つまり予告で1番の見せ場を見せてしまったわけだ。まぁそれまでの過程も大事だけれど、もっと泣けるもっと素晴らしいシーンがあると思っていたのでこれには拍子抜け。他ではほとんど泣けなかった。

だけど母と娘というのは、父と息子よりも複雑な気がする。大きくなるに従って親子ではなく女と女になるのだ。友達のように話もするし嫉妬もする。けれど離れたくない。うちの母も弟は遠くに行っても構わないと言うが、私には傍にして欲しいらしい。映画自体にはそれほど感動しなかったが、この映画のおかげでいろいろ考えた。
home