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観光 ◆サロベツ原生花園 |
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サロベツとは、アイヌ語で「湿地帯を流れる川」の意味である。サロベツ原野は約4000年前、砂丘の発達によって海を隔てられ海跡湖となったのち、葦、潅木などが永い間に推積して泥炭層となり、兜沼、ペンケ沼、パンケ沼などを残して形成されたものである。このサロベツ原野は、日本における最北端に広がり東西約8キロ、南北約27キロ、面積2万3000ヘクタールに及び、やや長方形の大湿原地であり、その大部分は、泥炭層からなっている。最北端という地理的条件から、普通では、高山にしか見られない植物で覆われ、一望果てしなく続く平原と大空は、単調の極限で見事に調和し、大陸的異国ムードは、騒音と高層建築の谷間で生活する都会の人々を、魅了するに充分である。最近、サロベツ原野は、大型酪農を目的に、国が総合的な開発を進めつつある一方、東洋高圧株式会社による泥炭地利用の工業化も進められ、昭和44年に化学工場を施設し事業が実施されている。このようにサロベツ原野の一部は利用されつつあるが、また、この湿原には雪解けと共に咲くミズバショウに始まり、6月下旬から7月上旬にかけてエゾカンゾウ、ワタスゲ、ヒオウギアヤメの大群落など、最盛期を迎える自然の花園の、一望見渡す限りの景観は実にすばらしく、他の地方に類例をみない。なお、春から秋にかけて絶え間なく咲きみだれる高山性湿地性植物が多く、訪れる人の目をひいている。原生花園に咲く主な花や植物は、次のとおりである。エゾカンゾウ、ワタスゲ、ノハナショウブ、エゾイソツツジ、ミズバショウ、ショウジョウバカマ、クロユリ、ツルコケモモ、ヒメシャクナゲ、ヒオウギアヤメ、アサヒラン、トキソウ、コバイケイソウ、、タケギボウシ、ホロムイツツジ、ホロムイ、リンドウ、ヤナギラン、モウセンゴケ、ガンコウラン、マンネンスギ、ギボシ、エゾリンドウ、アキノキリンソウ、ナカバヤシロワレモユ、クサレダマ、サワキキョウ、ハクサンチドリ、ノビネチドリ |
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