です。つまり、電子内容証明郵便(e内容証明)とは、インターネット上から出せる内容証明郵便のことです。
パソコンで内容証明を希望する文書を作成し、インターネットで「新東京郵便局」に送信(アップロード)すれば、郵便局側で内容証明の処理を自動でやってくれるというものです。
すなわち、用紙や封筒も郵便局が用意してくれるうえ、3通分の手紙の印刷、封筒の宛て名の印刷、封入、内容証明郵便の発送とすべてやってくれるのです。
当然、同じ文書で3通(相手への送付用、郵便局の保管用、自分用の控え)が印刷されますから、3通が同文であることの確認も自動で完了しているわけです。なお、電子内容証明郵便については、法律(郵便法、電子郵便約款)で規定されています。
これにより、自分で同文の手紙を3通作成する必要も、宛て名書きをした封筒を用意する必要もありません。何よりも郵便局に行く必要がありませんので、窓口で手続きしたり、待ち時間もありません。しかも、インターネットで24時間受付しています。(普通の内容証明郵便でも、大きい郵便局なら24時間受付のところはあります。)
■ 電子内容証明では、文字数・行数の制限がないから自由に書ける
また、電子内容証明郵便の特徴としては、文字数の制限が緩和されています。郵便局から出す場合の約3枚分の文字数が、電子内容証明では1枚分で記載できます。内容証明郵便を自分で郵便局から出す場合は、1枚あたりの文字数制限(520字以内)と行数制限(26行以内等)がありました(用紙の大きさは自由)。
一方、電子内容証明サービスでは、文字数・行数の制限はありません。用紙の大きさはA4サイズに決まっていますが、10.5ポイントの大きさの文字なら1枚あたり約1,500字まで、文字数・行数を気にせず自由に書けるということになります。(ただし、最大5枚まで。縦書き・横書きどちらも可ですが混在は不可)
他には、手紙文3通のうち1通が、差出人である自分用の控え(謄本)として印刷され、送られて来るという特徴もあります。(簡易書留で届きます。)
このサービスを利用するには、日本郵便(株)の『電子(e)内容証明サービス』の専用サイトに利用者登録(会員登録)をして行います。料金の支払い方法は、クレジットカード決済か料金後納(法人向け、要事前審査)ですので、一般の方はクレジットカードの登録が必要です。
なお、文書作成ソフトが Microsoft Word(ワード)に限定されており、電子内容証明専用の余白があらかじめ設定してある、無地の文書ファイル雛形(ワード、拡張子docx)をダウンロードして、その雛形を使って文書を作成し、アップロードする必要があります。
以上のように、電子内容証明サービスを使えば、インターネットから簡単に内容証明郵便を出すことができます。ですから、文章の量が多い場合や文字数・行数を確認しながら文書を作るのが面倒だとか、時間がないという人は、電子内容証明サービスを利用した方が良いでしょう。
■ 電子内容証明では、署名や印鑑は押せない
ただ、人によっては郵便局から出す普通の内容証明郵便の方が、メリットを感じる場合もあります。例えば、電子内容証明の場合は、印鑑を押せません。通常の内容証明では、文書の真実性を担保するという意味で署名したり印鑑を押すことができますが、電子内容証明では署名も押印もできません。
署名や印鑑は内容証明郵便の要件ではありませんから、それらがなくても問題はありません。無効にはなりませんし、法的な効果に影響はありません。しかし、文書の真実性を高めたり、文書を作成した本人の強い意志を示すという点において、署名や押印は役に立つ手段となりますので、署名や押印を重視したいとか、格式ばった書面で心理的圧力を加えたいというような場合には、普通の内容証明郵便にした方が良いかもしれません。
ところで、電子内容証明郵便は、料金体系も違います。参考までに、郵便局から出す場合との料金の比較を以下に掲げておきます。