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伝説の旅 ◆声問のチドカンウシ |
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稚内の声問川筋にチドカンウシという山がある。吾々が射た山という意味であるというが、昔大洪水があって、二日二晩この地帯一面洪水に洗われて、付近のアイヌ部落がほとんど全滅し、この山も僅かに頂上の部分だけが水から出ていたので、一人のアイヌがそれを見て、その山頂めがけて毒矢を射かけたところ、矢が山頂に命中するとたちまちのうちに大洪水がひけてしまったという。(奥野清介「伝説と異談」)
他説では洪水のときこの山の頂だけが、僅か射石ほど水の上に出ていたので、チドカンウシと名付けたともいう。(永田方正「蝦夷語地名解」) |
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