土に関しては、諸先輩が多くの努力を重ね、多くの考えが存在しています。土地柄や気候によっても、また、その土地の排水の良し悪しや地下水位までも考慮しなければなりませんので、一口で決めつけることはできません。まして、私のような経験の浅いものには、まだ未経験のことが多くありますので、ここで何かいうことは本当はまだ早いのですが...

強いていえば、鉢用にはひたすら排水、通気、保肥、保水の良好な配合を試しています。ホームセンター等で入手可能な材料に限定していますので、「畑の土」などの普遍性のない土は対象外です。ベースはもちろん赤玉土ですが、そのほかの混ぜ物は...

1)有機質

乾燥牛ふん、ピートモス、バーク堆肥

●腐葉土は使いません(雑菌、有害微生物、害虫の卵等の混入リスクがあるから)

●ピートモスは北欧産が良い。北海道産(2号)は敬遠する。この国産ピートモスは、繊維が長く太いので、逆にマルチングには最適(互いに絡まって風に飛ばされにくい)。GAMIは、マルチ用には長繊維ピートモスとバーク堆肥を半分ずつ混ぜて使っています。

●有機質は分解速度の異なるもの2種類以上を併用し、体積比で全体の6割以上を混用するのがお奨めです。GAMIの場合は体積比で、有機質6割(牛糞、ピートモス、バーク堆肥各2割ずつ)、通気性改善資材1割、赤玉(小粒+中粒)3割としています。

 

2)排水・通気性改善資材

パーライト、木炭(もみ殻くん炭、ナラ炭破片等)

伊丹バラ園によれば、パーライトにはコガネムシ幼虫の忌避効果があるそうです。私の実験では、これは事実です。パーライトを用土に混ぜた十数鉢で、2年間テストした結果では、コガネムシの幼虫が潜り込んでいた鉢はひとつだけでした。全用土の10%程度を混用します。ちなみに地面を掘るとコガネムシの幼虫がぞろぞろ出てくる環境です。

●「炭」を初めて使用する場合は、「もみ殻くん炭」をおすすめします。ナラ炭の破片は、バーベキュー用燃料として安価に入手できるので便利ですが、使用上のノウハウがかなりあるようです。細かい破片にしても、もみ殻くん炭と同等の効果は得られておらず、かなり難しいかなと考えています。結果がまとまったら、ここで報告します。

●ホームセンターで売られている「黒土」は使いません。混用もしません。「黒土」とは名ばかりのものが多く、良品に出くわしたことがありませんので...
なお、質の悪い黒土を1割でも混用すると、「重い土」にはなりますが、排水性はてきめんに悪化します。

 

3)その他

●赤玉土は、湿潤と乾燥が繰り返されると、風化して微細化していきます。この点からも、点滴灌水で土の過度の乾燥を防ぐことは通気性確保にも有効になります。また、湿った状態で凍結すると一度に微粒子化してしまいます。通気性確保のための資材や有機質を十分に混用していない場合には、土替えが必要になります。

●ベテランが推奨する土の中に、「荒木田土」というのがあります。これの本来の定義は、「荒川流域の沖積地に分布する粘土質の河成水積土の一種」です。保水性がよく鉢土として優れているそうですが、このタイプの土があるところは水田になっているケースが多いそうなので、要するに田んぼの土だ、といってる人もいます。園芸店で袋物が手に入りますが、高価なのでGAMIは試していません。

●混ぜておいて損はないと思われるのが「珪酸白土」(ミリオン)ですが、高価です。また、多め(〜数割程度)に混ぜた場合は、初期の肥料やりに注意が必要です。ミリオンは多くの肥料分を吸着しますので(だからこそ保肥力に優れているのですが)、はじめは肥料効きが悪くなる場合があります。


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