なんでもレビューhighmix～『第3次スーパーロボット大戦α』をレビュー！

第３次スーパーロボット大戦α /PS2

　「スーパーロボット大戦α」はスーパーロボット大戦シリーズのターニングポイントになったゲームで、現在のスパロボの流れを作った作品であるとも言えます。

　「スーパーロボット大戦α」から始まるαシリーズは「α」「α外伝」「第２次α」を経て、ついにこの「第３次スーパーロボット大戦α」をもって完結となります。参戦作品や圧倒的ボリュームで話題となったこの作品を、今回はレビューしたいと思います。

過去最多の参戦作品数

　「スーパーロボット大戦」は元々非常に多くのロボットアニメが競演するという夢のようなゲームです。その参戦作品とその数はいつも新作が出るたびに話題とサプライズの中心となっています。また新作情報出た→趣味に偏った参戦作品のデマ情報なども恒例の行事です。
　そしてこの「第３次スーパーロボット大戦α」は史上最多の31作品が参戦しています。これは多くのロボットアニメファンを呼びこみ、評価に値する点であると思われます。特にガンダムSEED、バーチャロン、イデオンの参戦は発表当時に相当話題となりました。

良いと思われる点

　このゲームは素晴らしいと思える点が多いですが、ここで挙げておきます。

　『戦闘シーン』：いつも驚かせてくれますが、今までで最高。とにかくよく動きます。早送りまで可能。

　『OPデモ』：作品紹介的なOPデモは今までで最長。また戦闘デモもいい選択をしています。

　『ロードが短い』：とかくロード時間は気になるものですが、このゲームは待たされる感はあまりなし。

　『インターフェイス』：快適性なども考慮に入れたシステム設計で従来から随分とアップしています。

　『初心者用機能』：用語辞典や攻略Q&A、操作説明などは初めてスパロボに触れる人にも優しいです。

　『マルチシナリオ』：４人の主人公はそれぞれ個性的で魅力的。出だしはずいぶん工夫が見られます。

　『やりこみ要素』：４人の主人公全てでクリアすると、おまけシナリオをプレイでき、隠し要素も満載。

　『戦闘BGM変更可』：OG2で初めて採用されたシステムですが、これだけの曲数だと効果を発揮します。

　『サブシナリオ』：横道をそれたストーリーを楽しめるのは○。

気になる点

　このゲームにはいいところも多いのですが、気になる点も多く存在します。

　「BGM」「キャラの立ち絵」「声の演技」でいいものと悪いものの差が激し過ぎます。ひどいものは素人？という感じで、テンションが下がります。

　また前作「第２次α」から採用された『小隊システム』ですが、ずいぶん改善されましたが編成に時間がかかり、ゲームのテンポを悪くしています。また機体それぞれの個性も損なってしまっていると思います。出撃可能機体数は増えるが敵も増えるというストレスにも繋がるのは正直評価しにくい部分と言えます。最近のゲームにありがちな面倒な手間が多いというパターンと同じです。

　小隊システムでも触れましたが、キャラ・ユニットともに個性がなくなっている気がします。これはこの第３次αだけでなく、最近のものはこの傾向が強くなっています。ある意味個性の強さが魅力のロボットたちが参戦するのに、これは寂しい気がしますね。

　参戦作品が多い割には、展開にサプライズが少ない。これは参戦作品自体がサプライズだったからかもしれませんが、どうも単調になってしまった感じです。

総合的に

　全体的に言えば、いい点も多いけれども悪いところも目立つバラツキのあるゲームと言えます。「おおっ！」と褒めたその横で「なんだこれ？」というものがあるという感じですかね。とにかく「もったいないなあ」と。
　ただαシリーズをプレイしていた方にはぜひプレイしたい要素も多いですし、参戦作品も魅力的なものが揃っています。戦闘シーンは2Dグラフィックとしては国内最高峰といえますし、一見の価値ありです。カットインはダンクーガ以外は力を入れたMXに劣る面はありますが、純粋な戦闘シーンの動きは第3次αの方が上だと思います。

　ボリュームもありますし、短くなりがちなロボットゲームを長くプレイしたい方に、おすすめのゲームです。

　よろしければレビューを読んでのご感想をお聞かせください。
（他に取り上げて欲しいものがあれば、そちらもお知らせください。）