「スーパーロボット大戦」は様々なロボットアニメが共演し、多くのファンを持つ大人気のゲームシリーズ。
そしてORIGINAL GENERATION(オリジナルジェネレーション以下OG)は発売元であるバンプレストが過去に登場させたオリジナルの主人公や機体などを中心に世界観などを再構成したシリーズです。
OGはゲームでは1と2が発売されており、評価は高いものになっています。
そしてOG2と今後発売されるであろう続編を結ぶストーリーをアニメーションにしたのが、この作品です。
以前に「魔装機神サイバスター」を名前だけの超問題作を作った過去があるために、発売前には色々と言われました。
ようやく全3作を見終わりましたので、レビューしてみたいと思います。
この作品は30分×全3話と非常に短いOVAです。その中で結構な数のキャラが登場するのですが
かなりここは頑張っており、1話ではATX&SRXチームとギリアム、2話ではマサキ・アンドー、3話ではゼンガー&レイツェルと各話にちゃんと人気キャラを登場させています。
これはファンからすれば、満足のいくものではないでしょうか。ここはスタッフの頑張りを感じました。
そして演技については、大半が中堅からベテランの声優陣なので非常に安定しており、一部のキャラを除いては非常にクオリティが高いものになっていると思います。
あまり期待していなかったのですが、「熱風!疾風!サイバスター」や「Trombe!」など原作の音楽を積極的に使っています。
結構ゲームとアニメでは音楽が全然違うということも多い中、ここは嬉しいところ。
ただアレンジの感じが作品の中に溶け込んでいたかというと、そうではなかったのが残念。全体的に大人っぽいアレンジは
正直この作品にはあっていなかったように思います。
これが正直この作品の良さを下げている大きな原因のひとつと言えます。
まずキャラ設定画が発表された段階から話題になっていましたが、キャラクターの絵がうまくありません。
元であろう河野さち子氏の原画をそのまま使うわけにはいきませんので、動画しやすいようにデザインし直されるのは当然なのですが、
キャラの顔などが歪んでいて、なおかつ色塗りなどが非常に雑に見えます。一見すると誰だかわからないことや「このブサイクは何?」と
気力が下がるような出来であったのが、非常に残念です。
作品に対する集中がこういった部分で削がれていくのは、正直もったいないです。逆にロボットは良く描かれていたと思います。
アニメでは予算や手間を減らすために同じシーンを使いまわすバンクというものがあります。
同じものを何度も見せるという性質上これらの見せ方には非常に監督や演出の手腕が問われてきます。
この技術に優れているのはガンダムで有名な富野監督。ちょっとした工夫で同じように見せないのは
さすがです。ただこの作品で言えば、及第点ではありません。またこれか・・・と短い作品のはずなのに
かなりの数の既視感を覚えました。
またキャラやロボットのアングルや動きも似たようなものが多く、新鮮味が少ないです。
敵勢力の中心であるロボットはCGで描かれることでその不気味さを出すことにある程度の成功はしていますが、動きが人形みたいなので
どうにも迫力がありません。また動きのタメやスピードの緩急が下手で、間が死にまくっているのも問題です。
全体的にチラっと見せるのはうまいのですが、肝心なところでの思い切りやファンが望む豪快さを出せず、淡白におさめる傾向があります。
スタッフが多く参加していた「マジンカイザー」「マジンカイザー死闘!暗黒大将軍」や「真ゲッターロボVSネオゲッターロボ」あたりで
感じた不満そのままです。ロボットアニメという性質上、この部分は「かわってないなあ」と感じた時点で致命的とも言えます。
今回の作品はある学習能力に優れたロボットが暴走することから始まり、謎を引っ張ったまま終盤まで進みます。
その驚異的な学習能力に次第に劣勢になるATX&SRXチームですが、そこらへんの描き方も戦闘シーンの淡白さから
あまりうまく表現できてません。
「何の抵抗もなくやられる敵機」→「学習」→「今まで的だった敵機が攻撃をかわす」→「学習したのか?」の繰り返し
を1話からずっと繰り返されるのでは、あまりにも単調すぎます。エースパイロットの動きが取り入れられたあたりも
もう少しそれっぽく演出すれば生きたのですが、少し動きが他のと違うなとは思うのですが「これは○○の動き!」という
台詞だけでほぼ確定するので、なってません。それ以前に捕まったパイロットたちが作中で全く戦っていなかったというのがポイントなのですが・・・
終盤に明かされる内容も別段驚く謎でもなく、ラストも強大な敵という存在を出さなかったために盛り上がりきらずに終了します。
結局は特に複雑なストーリーではないので、説明することを引っ張っただけで最後にパッと説明して終わり。これではせっかく
魅力的なロボットたちが出てきても、それらの良さが引き出せていないように感じました。
とにかくキャラ絵と演出力のなさが全体的に駄目にしている印象です。時間が短いために設定もやや弱かったのも残念でした。
ただ妙に力の入ったサイバスターの着色とダイゼンガー登場は見ておいて損はないと思います。
特にサイバスターはほとんどの必殺技が出ているので、ファンの方は必見かも。
素材はいいのに調理人の腕が悪いというガンダムSEEDに近い感じですが、スピード感がない分それよりもキツイかも。ただ台詞などで
「なんだそれ?」というのはなかったですが・・・
これを挙げないわけにはいきませんね。GBAで発売されているOGシリーズのゲームです。
・スーパーロボット大戦公式サイト[SRW]:おなじみバンプレストの公式サイトです。
・スーパーロボット大戦OVA公式サイト:バンダイビジュアルの公式サイトです。
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