「ガチャフォース」はカプコンが発売したゲームキューブ用の対戦型ロボアクションゲームで、 ”ガチャボーグ”と呼ばれる小さなロボットを操り、悪の軍団”デスボーグ”を仲間たちと協力して戦います。

　2006年1月1日になぜか急にプレイしたくなり、ゲームキューブ本体と一緒に購入しました。 今考えると「なぜ？」と思うのですが、出荷数が少ないのに安く購入できたのは非常にラッキーで、お得な買い物でした。 名作の誉れ高い「ガチャフォース」のレビューを始めたいと思います。

　「ガチャフォース」が高評価の理由はいくつかありますが、その中でも素晴らしいのが戦闘の要であるバトルのシステムを 「機動戦士ガンダム 連邦 V.S. ジオン」（以下連ジ）のエンジンをカスタマイズしたものを採用しています。

　 連ジの戦闘システムは非常に格闘ゲームの良さとロボットをうまく融合されており、現在のその後継作が作られています。 そもそも連ジの開発はカプコンで行われており、それを流用できたというわけです。 それだけ優れたエンジンを利用したことで、ストレスの少ない魅力的なシステムに仕上がりました。 流用といっても、ガンダムには世界観的に使えないようなこと（巨大化など）もできるように大幅なカスタマイズがなされています。

　間違いなくこのシステムを採用したことがこのゲームの人気を支えています。

　「ガチャフォース」のもう一つの魅力は、操作できる”ガチャボーグ”の数が非常に多いことが挙げられます。 　たとえ優れた格闘ゲームでも使用できるキャラが少ないと、評価が極端に下がる原因になります。しかしこの ゲームではなんと200を超えています。しかもカラー違いやレアカラーなどによって能力も変わるため、さらに多いイメージがあります。 さすがにこれで数が少ないと思う方はいないのではないのでしょうか？

　ロボットアニメで言えばゾイドやトランスフォーマーなどに近いものから、忍者・天使・ドラゴン・UFO・タンク・戦艦・宇宙刑事・戦隊ロボ・巨人など個性が強いものが多く、それぞれ使い勝手が大きく異なるため、自分のお気に入りや使いやすいマイボーグを探すだけでも かなり楽しめます。合体やら変身やらまでフォローしているのは、さすが。

　そもそも「ガチャフォース」のタイトルは、ガチャボーグの部隊という意味です。つまりこのゲームは1戦闘を戦うガチャボーグを 制限されたコスト内で組み込むことが出来ます。
　元になった連ジでもコスト制がありますが、種類の違う機体を選べるのは「宇宙用」と「地上用」まででした。 もちろん強いガチャボーグは必然とコストが高く、弱いものはコストが低くなっています。そのため最初は制限されるコストが 少ないため、いきなり強いガチャボーグを編成してしまうと他のボーグを入れられず、戦力的には弱体化することになったりします。

　さらにガチャボーグは倒した敵だったり、いくつかのデータを集めることで入手でき、入手しやすさはそれぞれ設定されており、強い ものは当然入手しにくいため、当初は弱いボーグだけで編成しなくてはなりません。ですが戦っていれば制限されるコストも上昇しますし、 使いやすいガチャボーグが入ってくると、それをどのようにして組み込もうかと考えるそのやりくりが非常に面白いのです。これもこのゲームの楽しさを支える重要な要素です。

　このゲームの出来は非常に素晴らしいのですが、気になる点もいくつかあります。

　「キャラデザイン」：ちょっと子供っぽすぎるので抵抗を感じる人が多いようです。

　「ボーグのデザイン」：ガチャボーグ全体のイメージが80〜90年代なので古くさいと感じる人もいるかも。

　「ボーグの入手率」：やりこみ要素の柱ですが、入手率とランダム性の強さで、同じものが偏って増えるのがちょっとストレスになりました。

　「編成画面」：所有ガチャボーグが増えると非常に見づらい部分とガチャボーグ管理画面が洗練されていない印象でやりにくさを感じます。

　「ストーリーが陳腐」：ストーリー自体は王道といえば王道ですがそれほど長くなく、中身がないと言えばないと言えるラインです。また仲間との訓練などで水増ししているので、それが気に入らないという方もいるかも。

　「出荷数」：これが一番かも。非常に少ないため入手しにくい状態。いいゲームだけにもったいない・・・

　全体的に言えば、弱点が少ない素晴らしいゲームです。 公式サイトを見てもわかりますが、なにより開発スタッフ陣が非常にノッて楽しんで作ってるなあというのが伝わって来るのが嬉しいです。 　自分自身がゲームを作るようになったためか、開発者の声や楽しさが聞こえてこないものが多い最近のゲームにちょっと嫌気を感じていただけに、 より評価を高めています。

　またローディング時間が非常に少ない上に短かいため、テンポよくゲームを進められるように工夫されている点も○。 なぜPS2に移植されないのかなあ？と思う点はありますが、GCだからこそこの点が保たれているためだと思います。（処理落ちがひどくなりそうですし）

　テーマソング「戦え！ガチャフォース」も熱くていいですね。できればOPテーマでも良かったかな？と。カラオケにも収録されていますので、ぜひ聴いてみてください。

　「最近のゲームはどうも小奇麗で・・・」「ロボット好きだけどいいゲームが見つからない」「連ジシリーズは好きだけど、そろそろ飽きてきた」という方々に ぜひプレイしていただきたい一品です。


　よろしければレビューを読んでのご感想をお聞かせください。

・ガチャフォース公式サイト：カプコンの公式サイトです。

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