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SDガンダム ガシャポンウォーズ

SDガンダム ガシャポンウォーズ
バンダイ (2005/12/01)
おすすめ度の平均: 5
5 非常に楽しみ
5 昔なつかしガシャポンウォーズですか

 「SDガンダム ガシャポンウォーズ」は1987年に『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』が発売されて以来、多くの続編が形を変えて発売されてきた人気シリーズです。 しかし1999年ワンダースワン版を発売した後は、売り上げが悪かったのか続編が発売されませんでした。

 5年以上のブランクを経て、あの任天堂と共同開発という形で発売されたのが今作です。今回はそれが 非常に功を奏した良作に仕上がりました。ではレビューを始めましょう。

あまりにも大きかった任天堂の存在

 従来BANDAIや子会社のベックなどの系列だけでこのシリーズを開発していたと思われますが、正直シリーズを追うごとに 余計な機能やロードの長さなどが目立つようになり、爽快感が損なわれていったように思います。(元々最初の作品も敵の思考時間が長すぎてストレスが溜まりましたが・・・) そういう意味で今回任天堂という外の風を入れたことで、今までとは様々な点で大きく変化をもたらしました。

 公式サイトを見ると「子どもも楽しめて、見やすく、待たせる時間は極力なくし、わかりやすい」という任天堂のコンセプトがBANDAIやベック側の 開発者に大きな衝撃を与え、当初の予定とは大きく内容が変更されることになったことがわかります。 残念ながら、BANDAIとベックの当初考えていた形では正直快適性や爽快感、ロードによるストレスを解消できたとは過去のゲームを見る限り思えません。 ここまで好評価を得られたのは、コンセプトを貫く姿勢を取った任天堂の担当者の方が今回の最大の功労者と言えます。 そして予定を大きく変更されながらも、ここまで仕上げたのは間違いなくBANDAIやベックの技術力の高さがなせる業でしょう。

 そういう意味で、このゲームは共同開発がいい方向で進んだ結果が見事に現れていると言えます。


システムの大幅な変更

 過去のシリーズのシステムで要と言える”ユニットの生産”。これを今回は任天堂の意見により、カットしました。 ある意味思い切った判断とも言えますが、個人的に”生産”は強いユニットを生産完了して使えるまでの生産時間が設定されていたのが 「早く使いたいのにもどかしい」というストレスを生む原因でした。またそのユニットが完成するまでが無駄な時間になっていた面も 否定できません。そういう意味でこの判断は正解でした。

 その代わりのシステムとして、ユニットは敵の所有するユニットからランダムで入手できたり、あるモードクリアやパスワードなどで 得る形になりました。そしてカードゲームやガンダムVSシリーズでおなじみのコストによるカプセルデッキシステムを採用することで、自分なりの 部隊を編成する楽しみも味わえるようになっています。


多くのユニットと特徴づけ

 どうしてもキャラクターもののゲームの多くはバランスの悪さが弱点として挙げられます。しかしこのゲームはユニットのバランスが比較的うまくまとまっています。 そして必ず各ユニットには得意な地形と苦手な地形が設定されており、また「グー」「チョキ」「パー」というじゃんけんの要素を属性として設定し、じゃんけんで勝つ場合は戦闘が有利に進み、逆であれば不利に働くというシステムがさらに各ユニットの個性を引き出しています。

 上記の設定のため、どんな強力なユニットでも不利な状況が重なれば楽には勝てないというゲームとして抜群のバランスを生み出すことに成功しています。これだけの特徴が出れば、自分なりに得意なユニットも人によって大きく変わるというのはゲームとして素晴らしい バランスがあってこそだと思います。ちなみにユニット数は約150なので、少なすぎるということはないでしょう。


多彩なモードと優れた操作性とインターフェイス

 このゲームには多くのモードが用意されています。システムの説明を受けながら進める「シナリオ」、自分のデッキを戦いながら作っていく「カプセルウォーズ」、決まったシチュエーションの中で勝利していく短編シナリオ「100問バトル」、ある条件下で厳しい戦いをする「チャレンジ」 など大きく内容が異なり、それぞれが高いレベルなので非常に飽きにくい仕組みになっています。

 操作性は、基本3Dグラフィックでありながら2Dのような形にした結果、非常に快適でスムーズなものになっています。最近のゲームは3D的な操作を求めるものも 多く、3D酔いや方向がわからないなどが理由でストレスが溜まるものが多い中で評価すべき点です。またインターフェイスもモードが多い割にわかりにくい部分が なく、ボタン配置なども特に違和感がないのはハードの特徴を完全に把握しているであろう任天堂のサポートがあったおかげであると思います。

 BGMも各原作で使用されたBGMのアレンジやオリジナルがいい感じで入っていて、ゲームを盛り上げています。特に「逆襲のシャア」のメインテーマは 力入ってるのが伝わります。


かわいい&かっこいいグラフィック

 登場キャラクターはそれほど多くありませんが、かわいらしくコミカルに描かれていて、ハロ一座で始まった路線がうまく進んでいる感じです。

 また各ユニットはかわいい上にかっこいいという素晴らしいバランスを保った3Dグラフィックで描かれています。 そしてその動きがコミカルだったり、おなじみの決めポーズを取る様は、このゲームの大きな魅力。

 しかもそのチマチマ動く様子はまさに”SDガンダム”らしさが出ていて、面白いです。 背景も細部までよく描き込まれており、特に気になるところはありませんでした。


気になる点

 ここまではべた褒めですが、気になる点も少々。

 「登場ユニットの偏り」:初代とZとSEEDが非常に多く、出ていない作品もあるというのは残念でした。

 「カード」:最初の先行後攻決めやターン開始時のカードはどちらかというとメリットが感じにくい。

 「武装」:ユニットの武器が「なんでこの武器がないの?」という疑問があるものが少々多いです。

 「CPUの弱さ」:ちょっと対戦キャラの思考が足りない上に、個性があまり感じられません。

 「硬直時間」:硬直時間が若干長いと感じることが多いかも。その間ダメージ受けまくり・・・

 「運要素が強い」:戦闘後に入手できるユニットは基本ランダムですが、若干偏ってる感じが気になります。


総合的評価

 久しぶりにファミコンのゲームをやってるような感覚に陥って、はまってしまうほど面白い良作でした。 OPもゲルググとボールのかわいらしい友情が微笑ましかったです。

 いつもの自己満足というか中途半端なものが通常多いBANDAIらしさが全体に出てないのが○ですね。 ガンダム好きなら充分に楽しめる質とボリュームがありますし、細かい部分まで配慮が行き渡っているのが何より素晴らしい。

 初代&ZとSEEDの色が強く出ているので、ガンダム好きな親子で2世代対決をするのもいいかも。 ぜひプレイしていただきたいゲームの一つです。

 今回の開発でBANDAI側は目から鱗という経験をしたことを恐らく出るであろう続編でぜひ生かしていただきたいと思います。


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関連リンク集

SDガンダム ガシャポンウォーズ公式サイト:BANDAIの公式サイトです。
SDガンダム ガシャポンウォーズまとめwiki:攻略法やデータなどをまとめたサイト。
バンダイネットワークス株式会社:BANDAIのネットショップです。


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