Movie Review 2000
◇Movie Index

チャーリーズ・エンジェル('00アメリカ)-Nov 5.2000オススメ★
[STORY]
決して姿を現さないボス、チャーリー・タウンゼントから、ナタリー(キャメロン・ディアス)ディラン(ドリュー・バリモア)アレックス(ルーシー・リュー)の3人は、盗まれた音声識別ソフトを取り戻し、誘拐されたエンジニアを助け出す指令を受けた。3人のチームワークによってどちらもすぐに解決したかに思えたが・・・。
監督マックジー(初監督作)
−◇−◇−◇−
とにかくおバカ全開で、ここまでやってくれると非常に清々しい。コスプレ・裸・ダンス・アクションと次から次へと出来ることのすべてをつぎ込んで見る者を飽きさせない。ストーリー自体はベタっつーか適当にヌルくて何のヒネりもなければ敵もショボイけど、この映画にはそれがピッタリ。とにかくエンジェルちゃんたちがキュートでカッコよければ、それで満足できるんだからね。

3人ともはじけてるが、特にディアスはスゲエっす。子供用ブリーフ穿いての瞳孔開きっぱなし(だと死んでるのでそのように見える)スマイルにやられた。あきらかにイッちゃっててヤバいのにめちゃ可愛い。そういえばこの3人の実年齢って、上からリュー・ディアス・ドリちゃんなんだけど、下のドリちゃんが一番貫禄あるね。芸暦長いし製作にも携わってるし、映画の中でもまとめ役に見えた。最近ホントにいい仕事してる。ただしあの彼氏はどうなのよ?(笑)

あと、どーでもいいけど最近サム・ロックウェルってゲイリー・オールドマンぽくないか?『グリーンマイル』の時もちょっとそんな雰囲気あったけど、今回はマジで顔の崩し方とかキレ方が似てると思った。“プチ・オールドマン”としてこれからもそんな使われ方しそう。

で、パート2もできました。
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イギリス短編集〔未公開〕-Nov 5.2000
[STORY]
一見平凡に見える家族が徐々に崩壊していく――『フローティング』('91)監督リチャード・ヘスロップ(ビデオクリップ等を制作)
新しいアパートに引っ越してきた小説家が奇妙な隣人に振り回されていく――『ウォーター・アパートメント』('96)監督マーク・ハーマン(『ブラス!』
母親と娘、そして母の恋人の3人でドライブに出かけたが――『イエロー』('98)監督サイモン・ボーフォイ&ビリー・エルトリンガム(『フル・モンティ』
伯爵家の当主が自分の人生を振り返る――『センス・オブ・ヒストリー』('92)監督マイク・リー(『秘密と嘘』)
−◇−◇−◇−
4作のうち3作が、今までに作品を見たことがある監督が手がけており(2〜4番目まで)興味があったので見てみた。残りの1作も期待してたんだけど・・・ね。

『フローティング』はとにかく苦痛だった。4つの中で一番長い上に延々と不快な映像を見せられて、もういいよ、と思った。映像自体も嫌だったけど、何かねえ「俺のセンスってどうよ?」って聞かれてる感じ。もちろん「サイテー」って言うけどね。人に見せることを考えず、単なる自己満足のための作品でしょう。さすがビデオクリップをたくさん撮ってるだけあります(めずらしく超毒舌だ)

それに比べてあとの3つはちゃんと人に見せるための作品になっている。始まってホッとしたよ。『ウォーター〜』はオチが読める展開ではあるけどしっかり笑わせてもらった。『イエロー』はそんなに面白いと思わなかったけど、やっぱり“すっぽんぽん”が大好きなんだな(ニヤリ)って思った。

そして最高なのが『センス〜』だ。登場するのは1人の男と1匹の犬。舞台は伯爵家の広大なお庭。敷地内を散歩をしながらただ延々と自分の人生について25分ほど語るだけなのに、これが全く飽きない。これってフィクションなんだろうか、それとも本当の話?と疑いながらもどんどん引き込まれて、最後のオチもバッチリ。面白かったなあ。監督の長編が公開になったら一緒に上映してくれないかしら。もっと多くの人に見てもらいたい。
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アヴァロン('01日本)-Nov 4.2000
[STORY]
近未来。若者たちは仮想戦闘ゲーム“アヴァロン”に熱中していた。アッシュ(マウゴジャータ・フォレムニャック)はパーティーと呼ばれる戦闘集団から離れ、独りで戦う女としてゲーマーたちから一目置かれていた。ある時アッシュは昔一緒にパーティーを組んでいた男と再開し、ゲームによって脳を破壊され、病院に収容されているリーダーの話を聞く。
監督・押井守(『GHOST IN THE SHELL〜攻殻機動隊』)
−◇−◇−◇−
押井ファンでも何でもないんだけど(現にアニメは『ビューティフルドリーマー』を大昔に見たくらい。『GHOST IN THE SHELL』だって本作品を見てから見た)『アヴァロン』に関しては、予告を見た時に映像がものすごく好みだったのと、ストーリーが面白そうだったので見ることにしたのでした。

この映画を見る前日、国際映像シンポジウムに参加した。「デジタル・ヌーベルバーグ、発信!」と題して、押井監督とスタッフによる『アヴァロン』製作過程の話や、途中で製作が止まってしまっている『G.R.M(ガルム)』の映像の一部などが上映された。『アヴァロン』は実写映像をデジタルに変換し、アニメやCGを加えてコンピュータ上で再構築したものだそうだ。撮影はポーランドで行われ、キャストもポーランド人、言葉もポーランド語。さらにワルシャワフィルの演奏つき(作曲は川井憲次)こうなってくるともう日本映画じゃないね。現に、見てる間はこれが日本映画だと意識することは全くなく、むしろ外国映画を見てるような気分だった。

試みは面白いし、映像の色や質感はやっぱり私の好みだったけど、ストーリーははっきり言ってつまんなかったというか、眠くなってしまうようなものだった。本題に入るまでの展開が遅く感じたし、思ったよりも戦闘シーンが短かかったり少なかったりで、クライマックスの盛り上がりにも欠けた。もっと派手にドンパチやってくれるものだと思ってたのに、予告で見た長さとあんまり変わらないなんて(笑)これならシンポジウムで見た『G.R.M』のほうが、ほんの数分だったけど面白いと思った。これもストーリーは分からないので完成品を見てみるまで何とも言えませんが(てゆーか絶対見たいので何とかしてもらいたいもんですな)
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僕たちのアナ・バナナ('00アメリカ)-Nov 4.2000
[STORY]
NYでユダヤ教のラビをしているジェイク(ベン・スティラー)とカトリックの神父をしているブライアン(エドワード・ノートン)は大親友。そこに現れたのは小学校の時の幼馴染みで2人の初恋相手アナ(ジェナ・エルフマン)。2人は再び彼女に恋をするが、宗教上の理由と友情で悩むことになる。
監督エドワード・ノートン(初監督作)
−◇−◇−◇−
ユダヤ教のラビは恋愛も結婚もできるが相手は同じユダヤ教徒だけ。そしてカトリックの神父は恋愛も結婚もしてはいけない。大親友の二人がそれぞれ別の宗教を信仰しており、前記のような宗教的制約がありながら、同じ相手に恋をしてしまうという設定がまず面白い。そしてNYの町並みが作品の雰囲気をよりスマートで軽やかなものにしているし、随所に笑えるエピソードも満載。ノートン先生やるじゃん!と思った。・・・しかしこのまま甘い感想ばかり書くわけにもいかないんで、ちょっと厳しいことも書くぞ。

男2人の恋路は、とりあえず恋愛も結婚もできるジェイクのほうがリードし、アナもそれに応えるカタチになる。でももしブライアンのほうも同じように恋愛も結婚もできたとしたら、アナはどっちを選んだのだろう?二人とも同じくらいアナのことが好きだし、性格的にもどっちがどうって決め手になるものが見えなかった。同じくらいイイ奴だけど、男としてジェイクに惹かれてしまった何か“決定的なもの”を表現してもらいたかった。これでは単に「彼ならとりあえず恋愛しても大丈夫なのね」くらいの気持ちしか見えない。

またこの手の話で2時間9分は長いよ。あと20分は削っていい。確かに恋愛話だけの映画じゃないけど、バスケするシーンはカットしてもよかった。ティーチ・インで、美術館にわざわざ噴水を作ったのにそのシーンがカットになり製作費がもったいなかった、という脚本家の話を聞いたが、鬼のようだが削って正解。あれ以上シーンが増えたら一体何時間になることやら。せっかくのいい作品だって飽きちゃう。でも増やすのは簡単だけど削るのって勇気いるよね。何でもそうだけど、せっかくここまで作ったのにって思うもの。しかしそこはグッと我慢して、あえてもっと削る勇気を見せて欲しかったな。

ノートン先生も出演した『ラリー・フリント』の監督ミロシュ・フォアマンが神父役で出演しているし、スティラーも『リアリティ・バイツ』等で監督業もやってる人。撮影中もスティラーからアイデアを出してもらったりしたようで、そんな先輩方に支えられて初監督作品は完成したのだね。次の監督作も期待してます先生!(と最後はエールを送ってみる)
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いつまでも二人で('99イギリス=アメリカ)-Nov 3.2000
[STORY]
北アイルランドに住むロージー(デヴラ・カーワン)とヴィンセント(クリストファー・エクルストン)は結婚5年目の夫婦。夫婦仲は良かったけれど、そろそろ子供が欲しい時期。そこで病院に通ったり風水を試してみたりするがなかなかうまくいかない。そんなある時、ロージーのペンフレンドだったフランス人のブノワ(イヴァン・アタル)が訪ねてくる。
監督マイケル・ウィンターボトム(『ひかりのまち』
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倦怠期を迎えた夫婦の間に突如入り込んできた1人の男によってその関係が崩れるが、そこで改めて自分と配偶者を見つめ直すストーリー。
警官だったヴィンセントはロージーのために義父の仕事を継いだが、実はあまり仕事が好きじゃない。一方ロージーも嫌味な上司の小言に耐えながらの仕事に飽き飽きしていた。さらに子供を作ろうとがんばっているのになかなかできない――と仲が良くても日ごろの鬱憤は少しずつ溜まっていたのだ。そこに現れたのがブノワ。彼もまた失恋と失業のダブルパンチによって、ペンフレンドとはいえ、一度も会ったことのないロージーに会いに来てしまう。少女時代の自分を知るブノワに対し、新鮮な気持ちを取り戻すロージーだが、ヴィンセントは面白くない。こうして夫婦関係に亀裂が入っていく。

でもそこで、やっぱり夫が、妻がいいと思う二人。しかし仲直りのきっかけがアレなのはちょっと出来すぎというか、やはりナントカはかすがいというやつですかね(ごめんネタバレだ)そうじゃなくて、それがなかったとしてもちゃんと元のサヤに収まるような展開にして欲しかった。収まってからアレが発覚しても全然遅くないでしょ。そこだけが納得できないかな。ま、未婚の私が分かんないだけかもしれませんが(自虐)

原題はU2の同名曲『WITH OR WITHOUT YOU』で、映画の挿入歌としても使われている。予告ではクライマックスと思われるシーンでかかってたので、本編でもてっきり一番いいところかもしくはエンドクレジットでかかるんだろうなーと思ってたのに、何だか期待してなかったところでかかってしまいガッカリ。ところで邦題は間違ってると思う!だって“いつまでも二人”じゃないもん(笑)←とうとう堂々とネタバレ・・・ああでも年取ったらまた二人か。

『HEART』『エリザベス』では恐ろしい形相で圧倒的な存在感を見せたエクルストン。恐すぎてあんまり好きじゃないなぁと思ってたけど、今回のヴィンセント役は表情が柔らかくてちょっと可愛いと思ってしまった。それに比べて、ロマンチック☆なフランス人ブノワを演じたアタルがワタシ的にはイマイチ。エクルストンよりずっと背が低くてずんぐりしててモサい。ロージーの心が揺れ動く相手としてどうよ?と見ながら首を捻ってしまった。好みの問題なんだろうけどね。
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