Tuning

大まかにはチューンナップについてですが、
ノーマルは2ストスクーターに比べ格段に遅いので
それを補う調整なども併せて解説していきます。

すべての改造行為は自己責任で行ってください。

 

ノーマルでは坂を上らないと思っている人へ

最高速を上げたいと思っている人へ

ブレーキの強化(ディスクブレーキ化)

スタートを良くしたいと思う人へ

ノーマルでは坂を登らないと思う人へ

僕自身は以前ライブディオZX(95年式)に乗っていたので今回のスクーピーは『燃費』を考えた購入だったのですが、いかんせん馬力が無いので、どうにかならないか?と考える次第でした。
平成14年8月現在特に改造パーツという物は皆無のスクーピーは
平地ではそこそこ走りますけど、僕の住む地域は坂の多い所で、通勤も峠を一つ越えるため、大変辛いです。
基本的に最大トルクの出る回転数で変速を始めるのが理想的である。
しかし実際純正スクーピーはそれよりも早く変速が始まる。
20km/h〜40km/h位がノーマルでは変速域だと思われる。
実際には6000rpm位を使っているのだと思います。
ノーマルだと平地では普通の2ストロークスクーター(タクトやディオなど)とあまり変わらないが、登りとなるとそのトルクの無さが浮き彫りとなる。
カブと同じエンジンを積みながらそれほど登らないのはトルクが無いのと変速時期が早いからである。

@プラグを交換する。

一番簡単で手っ取り早い方法だが、効果は薄いと言えます。
プラグを交換して何が変わるのか?というと最近のプラグはノーマルよりも放電力が強く、ガソリンを完全燃焼させる為、ノーマルよりも少しトルクが出る。
しかし最高回転数は変わらないので中低速の加速と始動が楽になる程度である。
俗に言う「早くなる」とは違うので混同しないように、あくまで坂を少しでも楽に登るための話ですから。
まぁ一本1000〜2000円くらいなので試す価値は有るでしょう。
ちなみにノーマルは「CR8EH」で16mmの小さいプラグです。

交換するプラグはお店に置いてある対応表などで確認しましょう。
お薦めとしては

などです、スプリットファイアはV電極で放電が広く広がり燃焼効率が良くなりトルクが出ます。
極細電極も同様だと思われます。
イリジウムは耐久性に優れてノーマルの約2倍長持ちするようです。

体感的に変わるのかな?と思いますが、始動もスムーズですし、交換しておいて気分的に変わるかな?という位ですね。
10%以上の変化が無ければ体感できないと言うデータも有りますからね。
一応燃焼効率が上がるので燃費向上にも期待が出来ます。
まぁこれだけで変わるのは極わずかなので最終手段とかプラグ交換するならという程度で良いと思います。

プラグの交換方法についてはこちら

先日NGKイリジウムIXプラグに交換しました。
こいつはすごいです、交換するだけでこれだけ違うのか?と思うほど変わります。
といってもやはりそれなりしか変わらないのですがどうせ交換するならこちらが良いと思います。

A変速時期(回転数)を変更する方法

変速はプーリー内のウエイトローラー(WR)が遠心力で外側に移動することでドライブフェイスとプーリーの間が締まり、ベルトが外側に移動する事で行われます。
まぁ詳しいことは他のページを見て貰ったりするとして、ここではどのくらいの重量が良いのか?
それを検討してみたいと思います。

ウエイトローラー

50cc用ホンダ製のプーリーは基本的に直径16mm、幅13mmのウエイトローラーが6個(同じ重量)が採用されています。
ライブディオなら9gスクーピーは6.5g、ジョルノクレアは6gが採用されています。
要はこれを軽くしてやれば良いのです。
簡単に軽くといってもノーマルから1g程度(合計6g)で効果はそれ以上はほとんど無いでしょう。
軽くしすぎるとかえって最高速が落ち込んでしまいます。
最高速を少し犠牲にして加速に変更するという考え方になります。

※ちなみにYAMAHA用は直径15mm、幅12mm、SUZUKI用が直径17mm、幅12mmです。

ではWR重量をどのくらい減らせばいいのか?
(減らすと言っても削ったりするのではなく軽い物へ変更します)
同時にマフラー、エアクリーナー、プーリー交換をした場合は、基本的にその指示された重量に変更してください。
それで気に入らなければ重量を少しずつ変更して行けば良いのです。
2ストロークなどのチャンバー(マフラー)を交換した場合では高回転型だと半分(6個を3個に変更)にしたりします。
ここでは純正(ノーマル)の状態の話ですのでそんなに軽くしてしまうと加速はするが変速しないで、最高速度が異常に出なくなったり、最悪エンジンが壊れてしまいます。
基本的にWRは全部の合計重量で調整します。
あまりに違いすぎる重量の組み合わせは意味がないと思いますが、1〜2g程度ならOKです。
ホンダ製の物は10〜3.5gが0.5g毎に有るので目的に応じた重量でセットします。
ZEROから0.25g刻みのWRが販売されています。
セットするときはWRにグリスを塗るのが良いです。
(グリスを塗らないWRもあるので注意してください)

例をあげると(ノーマル 6.5g×6個=39g)

  • 6g×6個 (36g)ジョルノクレアと同じ(だと思う)
  • 6.5g×3個 + 6g×3個(37.5g)
  • 6.5g×4個 + 5g×2個(36g)
  • 6.5g×2個 + 6g×2個 + 5g×2個(35g)

といった感じになります。
3個か2個でセットする場合は交互にバランス良くセットするようにしましょう。
(3個だと120度ずつ、2個は180度で)
偏ったセットをするとプーリーが変形したり、ベルトが偏摩耗して滑ったりします。
WRはメーカーによって値段や強度が違いますのでよく考えてから購入しましょう。
デイトナなどは3個で1000〜1200円程度します。
重量は色により分けられています。(メーカー毎に違ったりするので注意してください。)
またベルト、WRは消耗品(削れます)ですので2000〜3000kmでの交換をお薦めします。
耐久性はノーマルでは5000km、高耐久の物で一万kmくらいが目安になります。
オイル交換と同時にされると良いかも知れません。
ライブディオZXとベルトは同じですので強化品を付けるのも良いでしょう。
摩耗は使用状況により変化しますのであくまで目安です。
最高速が下がってきたらWRと一緒に交換するのが良いです。
最悪ベルトが切れて駆動系がめちゃくちゃになるといった場合も有ります。

Bエアクリーナー(フィルター)とメインジェットを交換する。

エアクリーナー、フィルターを交換して吸気効率を上げてより多くの混合気(ガソリンと酸素)をエンジンに送り込んでパワーを出す方法です。
今現在スクーピー用のエアーフィルターは発売されていませんので、ノーマルクリーナーBOXの加工やパワーフィルターの装着がその方法となります。
キジマとK&Nからズーマー用の循環対応のパワーフィルターが発売されています、これはスクーピーにも使用可能です。
以前カブ50のエアクリBOXを取り払っただけで乗っていました(笑)
意外にトルクが出ますがこのままではもちろん混合気が薄いのでいずれ壊れてしまいます。

そこでキャブレター内にある「メインジェット」を交換します。
メインジェットはガソリンを通す穴が空いておりその大きさを番号で表す。
番号の大きい物ほど多くガソリンが出るという事である。
その変更の目安

  • エアーフィルターを社外品に交換 #0〜5上げる。
  • パワーフィルターに交換 #10〜20上げる。
  • エアクリーナーレス化 #20〜30上げる。

メインジェットはノーマルでは#72が付いていますのでフィルター交換ならそのままか#75へ。
マフラーなどを交換している場合はもう少し上げて#75〜78へ変更します。
混合気の濃い、薄いはプラグの焼け具合を見て「きつね色」に焼ける様に調整します。
薄いと白く、濃いと黒くプラグが焼けます。
薄すぎるとエンジンが焼けてしましますので注意してください。
アクセル開度の1/4〜3/4位の微調整はジェットニードルのリングの位置を変えて上下させることで、有る程度調整が可能です。
※スクーピーなど最近のキャブレターのジェットニードルは変更が出来ない物がほとんどです。
パワーフィルターはその構造上、かなりの吸気音が出ますので良く検討してください。
スクーピーは基本的に静かな乗り物ですからね。(笑)
ちなみにスクーピー用のメインジェットはまだ有りませんので規制後のライブDIOZX用を使いましょう。
種類は「京浜(ケイヒン)全ネジ・大」という物です。
あまり大きく番手の空いたセットではなく#2〜3程度毎のセットを買う方が良いでしょう。
もちろん一個ずつでも売ってます、ZXは#75が付いてますので友達に貰っても良いかも。
スクーピーではそれほど手を入れる人はまず居ないでしょうから。

KIJIMA製エアードラムの説明と取付

 

 

最高速を上げたいと思っている人へ

最高速を上げる方法にはいくつか方法が有ります。

  1. ハイスピードプーリーに交換する
    もしくはノーマルプーリー加工
  2. プーリーボスの交換
  3. CDIを交換する(8000rpmのリミッター解除)
  4. ギヤーをハイギヤーに交換する(ホンダの他の車種からの流用など)
  5. リアタイヤのサイズを変える。

ハイスピードプーリーに交換する

ハイスピードプーリーはキタコ、マロッシが発売しています。
基本的にはノーマルと交換するだけで変速比が変わり、最高速が伸びるようになっています。
物によっては最高速はそれほど上がらないが加速が良くなる設計の物も有ります。
基本的にはズーマー、ライブディオZX用などが使用可能です。

ちなみにマロッシプーリーにノーマルのプーリーボスの組み合わせが加速と最高速のバランスが良いと言われています。
ちなみにこのセッティングの場合ハイブリッドCDIの取付が必須との事。
スクーピーの場合基本的には最高回転数まで回らないように8000rpm以上は点火プログラムがされていません。
これによってスピードリミットではなく回転数のリミットが掛かるようになっていますのでハイプリのみで最高速は上がると思われます。
しかしエンジン特性などによって最高回転数まで回りきらない場合も有ります。
このあたりはウエイトローラーやクラッチ側のセンタースプリングの交換などで調整します。

キタコパワードライブキットTypeUの紹介とインプレ

ノーマルプーリーを加工する事でもハイプリと似た効果を得ることが可能です。
細工用のルーターを使用する事で楽に削ることが出来ます。

プーリーボスの交換

プーリーボスを短い物と交換すると変速域が高速側になります。
簡単に言うとプーリーとドライブフェイスの間が狭くなるのでベルトがより外側に移動する。
要するにハイギア化するので最高速が伸びます。
逆に長くする(ワッシャを入れるなど)することで低速側に振ることが可能。

CDIを取り付ける

CDIはハイブリッドCDIという物がキタコから発売されました。
8000rpmまではノーマルを使用し8000rpmを越えたらCDIが切り替わるというハイブリッド仕様となっています。
これで回転数の上限が上がるので理論的には最高速が上がると考えられます。
しかし非力なスクーピーのノーマルエンジンでは最高回転数に達する事が出来ない可能性も有ります。
実際CDIのみ交換してもさほど速度が出ないことが報告されています。
WRの交換などで変速のタイミングを変えたり、吸排気(エアクリ、マフラー交換)などでパワーを出してから使うのが良いかも知れません。
マロッシのハイプリを使うならCDI交換は必須という話も有ります。

ノーマルのCDIをズーマー用純正CDIにすると加速が良くなるという話があります。

CDIの取付はこちら

ハイギヤーに交換する

スクーピーのギヤ比が解らないですがおそらく他の2ストスクーターよりはかなりローギアだと思います。
回転数が8000というスクーピーに対してディオなどは6500〜7000回転くらいが上限みたいなので、基本的には交換すればギヤ比の関係で最高速が上がります。
しかし非力なスクーピーでは逆に速度が下がる恐れが有りますので行き着く最終手段だと思ってください。
基本的にはホンダの50ccスクーターでは同じ物が採用されていると思いますがこればかりは確認をしてから行ってください。
ちなみにスクーピーのノーマルギアは14Tです。

リアタイヤの交換

スクーピーは90/90-10 50Jというタイヤを装着しています。
ということは必然的に2.15インチのリム幅のホイールという事になります。
そしてこれには3.50-10 51Jというタイヤを装着する事が可能です。
これはノーマルタイヤ径417mmに対して439mmとなっています。
リアタイヤの幅が87mmから95mmに変更になるのでマフラー、泥よけなどに当たる可能性も有ります。
この当たりをクリアすればハイギヤにすることが可能です。
フロントタイヤは交換シナイ方がメーター誤差も無くコーナリングが良いです。
リアが太くなるので多少コーナリングが悪くなりますがグリップ力がアップします。
私は昔レース用にZXにこのタイヤを前後付けていましたがグリップしますが曲がりにくい特性になりました。
ハイプリなどで限界に来たらここにたどり着くことでしょう。

 

ブレーキ強化(ディスクブレーキ化)

スクーピーのブレーキは前後ドラム式で少しスピードを出すだけで全然?止まりません。
チューニングしたスクーピーにはブレーキ強化が必須と言えます。
ホンダでディスクブレーキを採用しているライブディオZXの足回りを流用するのが一般的と言えます。
これらの交換にはいろいろな物と知識が必要になりますので、ここで少しずつ紹介します。

きちんとブレーキの遊び調整をするのも大切な事です。

スクーピーディスクブレーキ化計画はこちら

 

スタートを良くしたいと思う人へ

決してスタートが良いとは言えないスクーピーですが改善する方法があります。
それはクラッチのスプリングを交換する事です。
高回転でクラッチを繋げばダッシュするというのは理解できると思います。
具体的にどうするか?クラッチのスプリングの交換方法を解説します。

基本的には坂を登るという考え方と同じと言えば同じです。
あまり無茶をしてもクラッチ周りの強度の問題もあるので
良いとは言えません。

その方法などはこちら