CDI取付

リミッター解除とは

原動機付き自転車の公道法定速度は30km/hです。
しかし通常の原付には60km/hのスピードリミッターという物があります。
60kmに達するとプラグの点火をカットしてそれ以上加速出来ないようにする機構の事を言います。
普通はスピードを検知してリミッターが利きますが、
スクーピーには回転数リミットというか8000回転までしか点火プログラムが有りません。
そしてノーマルスクーピーの8000回転では60kmにも達することはありません。
ハイスピードプーリーやプーリー加工、プーリーボス交換などでも60km以上出すことは可能です。
しかしマフラー交換などで高回転に高トルク域が移行する場合は8000回転以上の回転数を必要とする事があります。
キタコハイブリッドCDI
8000回転を超える回転数を得るにはキタコ製のハイブリッドCDIという追加CDIが発売されています。
これは8000回転を越えると自動的に追加CDIが点火制御を行う物です。
よって0〜8000回転までの性能はノーマルと同じです。
2stスクーターの様な取替CDIとは違うので8000回転以下で走る場合はこの追加CDI必要有りません。
ハイスピードプーリーだけでも70km/hのスピードを出すことは可能です。
ただWRを軽くしても最高速を伸ばしたいと思う場合にも効果が期待出来ます。
ただ付けただけで速くなるという、たぐいの物ではなく、あくまでセッティングの幅を広げる為の物です。

必要工具&材料

  • 8,10mmスパナ(というよりもレンチが最適)
    メットイン、リアグリップバーを外す際に使用
  • +ドライバー
    センタースタンドロックレバーを外すのみに使用。
  • タイラップ(長さ100mmと250mmが4〜5本づつ)
    これで配線とCDIを固定します、付属してきません。
  • ニッパー(ラジオペンチ、ペンチ、ハサミでも代用可)
    タイラップをカットする際に使用。
  • カッターナイフ
    ビニールテープを剥ぎ取る際に有れば便利、無くても可、ニッパーで代用も可。
メットイン&カウルの取り外し

まずはメットインを取り外します。
メットインを開けて見える4本のボルトを10mmのレンチなどで外します。
センタースタンドロックレバーを+ドライバーで外し、メンテナンスリッド(バッテリーなどの蓋)を外します。
8mmのスパナで後部のリアグリップ(後部持ち手)を外します。

次にナンバープレートの裏側にある泥よけに押すと取り外せるブッシュ(トリムクリップ)が有りますので、真ん中を押して引き抜きます。
同様の物がカウルサイドの下部にあります。(計4個)
次に給油口カバーを開けてそこにあるネジを二本外し、カウルサイド下部に後ろから見えるネジが二本あるのでこれを外します。

写真左の真ん中上
くらいにあるのが
イグニッションコイルです。

内側は特に外す物は有りません。
カウル右(写真で言うと上側)にウインカー、ブレーキランプのコネクタが有るのでそれを外せばカウルを完全に取り外す事が出来ます。
私は面倒なのでそのままカウルを上げて横に置いておきました。
心配な人はコネクタを3つ抜いてカウルを外しましょう。


僕だけだと思いますけど
メットインを外したときにこの板ナットを落として無くしてしまったので
僕はこれをボンドで固めています。
しっかりはまっている物なのでここまでしなくても良いとは思いますが
なくすとなんか不安ですから・・・(汗)

こういうときに役に立つのがパーツリスト
パーツリストは品番だけでなくその構造や組み方も
解るのでDIYする人にはとても便利です。
某Yオークションで500円〜1000円くらいで出てますので
出来るだけ新しい物(第○版)を手に入れましょう。
自分のモデルが乗っていないと変更がある場合
対応出来ない場合も有りますので。

CDIの配線

カウルを取り外せばバッテリーの上に有るのはノーマルCDIです。
銀色でヒートシンクがついているのがそれです。
ここでショートさせる可能性が有るので一応バッテリーのマイナス端子から線を抜いておきましょう。
もちろんキーはOFFにしておいてください
私はそのまま作業しましたが、面倒ならヒューズを抜いていても良いかも?
上側にある配線に黒いテープでコネクタがくくられてますがスクーピーの場合はここには必要なコネクタは有りません。
スマートDIOの場合はここに有るようですが説明書にはここのコネクターと書かれています。
私のスクーピーが新しいから?かも知れませんが全く形状が違うので間違うことは有りません。
無関係なコネクタ
このコネクタは違う物ですのでいじらないで良いです

これが必要なコネクタです。
スクーピーのコネクタは右後ろに青いテープで巻いてある物がたぶん電源のコネクタだと思います。
ここに黒い3ピンのコネクタをつなぎます。
バッテリーのヒューズボックスの下くらいに空いたコネクターが有りますのでそこにも白いコネクタをつなぎます。
CDIはこの写真では純正CDIの上に有りますが右側の太い配線とタイラップなどで固定すると良いでしょう。
取り付ける前に付属のクッションシートを貼り付けておきましょう。
あまり重い物では有りませんし、外周も20cmくらいなのでそれに合うタイラップ(短い場合は二個繋いで使います)を使用しました。
あとはイグニッションコイルの前側の黒・黄のコネクタを抜いて新しいCDIの配線と繋いで新しいCDIからの配線のもう一方をコイルに繋ぎます。
繋ぐのは差し込むだけでOKです。しっかり差し込んでください。
上に見えるのがハイブリッドCDIです。
位置的にはこの辺が一番無難だと思います。
他はスペースが有るかどうか解りませんし、線を押さえる様な固定だと振動でそのうち被服が削れてショートしてしまいます。
配線が挟まっていないことを確認してカウルを戻してください。

戻し方としてはナンバープレート側を最初にはめてからサイド、前という順序で良いかと思います。
ネジは最後で先にブッシュを使って後ろ、サイドを固定します。
ブッシュで固定したら前側を下へ押し込めばはまるのでそれからネジを止めます。
ブッシュ(トリムクリップ)は指す前に真ん中を内側から突き出しておかないと入りません。
ブッシュを刺したら真ん中を押して元の状態に戻します。

完成

以上で取付完了です、外したバッテリー端子を元に戻します。
点検して異常が無いことを確認します。
エンジンを始動して掛かればOK、掛からない場合はキースイッチをOFFにして再度点検してください。
掛かったなら配線はOKですのでカウルを元に戻し、メットインを戻してください。
これで完璧に終了しました。
これで8000回転以上の回転を使う場合プラグが点火シナイという事は有りません。

何度も言うようですがマフラーやプーリー、エンジンの特性などで必ず8000回転以上エンジンが回るとは限りません。
走行中に8000回転の頭打ちを解消したい場合にのみハイブリッドCDIは効果を発揮します。
ハイプリなどを付けている場合8000回転以上の回転数にならない場合もあります。
また回ったとしてもあまり効果が期待できない場合も有ります。
最終的なセッティングの幅を広げたり、マフラー交換などによる高回転の頭打ちの解消にご検討ください。

説明書にはプラグコードなどを変更している場合や、高回転を使う場合はNGKやDENSOのイリジウムプラグに交換を推奨されています。
とくに高回転では点火間隔が短くなるので低い電圧で放電するイリジウムプラグの使用が効果的だと思います。

このCDIでエンジンが高回転まで回るからといって回しすぎるとエンジンの寿命を縮めるのは確かです。
高回転に見合ったエンジンオイルやプラグ、クーラント、強化ベルト、そしてブレーキ強化を行って走行してください。
今までとは比べ物にならないほどブレーキの弱さが出てきますので走行には十分注意されてください。

オマケ

純正CDIのリセット方法

純正のキャブレターやバイスターター(いわゆるチョーク)を取り替えた場合は
CDIのリセットをしないと点火時期が狂ってしまうらしい。
取り替えてメットインをはめ込む前に作業しておきましょう。

用意する物は

  • 電線コード(太さ1〜2mm、長さ20cm前後)
  • +ドライバー(強いて言えば必要は無いかも)

リセット手順(サービスマニュアルより)

  1. キーをOFFにする。
  2. バッテリー+端子とサービスカプラ(バッテリの下の方にある空いてる2Pカプラ線が青/黄)を電線コードで繋ぐ。
    社外CDIを接続してる場合このカプラを外して繋ぐ。
  3. キーをONにして1秒以上待つ。(ヘッドライト点灯確認)
  4. 繋いだ電線を外す。(するとヘッドライトが消灯する)
  5. 消灯を確認したら、そのまま待つ。
  6. 再度ヘッドライトが点灯すれば完了。


適当な電線を用意して矢印のカプラを外してバッテリーの+端子と接続します。
カプラは凹なので電線をねじ込めば良いです。
2Pカプラですが電線は一本しか有りませんので
よく見て接続してください。

くれぐれもショートに気をつけてください。
下手するとガソリンに引火しますので、くれぐれも慎重に。


私はこんな電線を作ってみました。
Y端子をバッテリーに固定して使います。

実際にやってみたところ
私の場合はキーOFFでバッテリー+に端子を取り付けて
カプラに電線をねじ込んでキーONにしたんですが
ヘッドライトが付かず、そのままでねじ込み直したら
約1秒後ヘッドライトが付きました。
そして電線をカプラから抜いたらヘッドライトが消灯しました。
それから5秒くらいでリレーの動く音がしましたが
ヘッドライトは点灯しませんでしたが、
メーターランプが点灯したのでOKだと思います。

終わったので一度キーをOFFにしてエンジンを掛けても大丈夫だったので
そのまま乗ってみました。

今まで始動時アイドリングが高回転で困っていた症状は
改善されませんでしたが、
社外CDIに切り替わるまでの走りが少し良くなった感じがしました。
気のせいかも知れませんが・・・

点火タイミングが元に戻る?とかって聞きましたので
少し低速が良くなるのかも知れません。
バイスターターやキャブを交換したら
CDIリセットをした方が良いみたいです。
おまじないという事でやってみてはいかがでしょうか?

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