ライブディオZXのフロントフォークとディスクブレーキの移植

スクーピーのブレーキは前後ドラムブレーキで非常に非力で止まりません。
そこでホンダの同一排気量のスクーターで一番のストッピングパワーを持つライブディオZXのブレーキを移植します。
またZXのフロントフォークはオイルショック(HDサス)となっていてかなりいい感じの乗り心地になると思います。
ノーマルはスカスカするって人は良いと思います。

フロントを移植する上での利点、欠点

利点

  • ドラムブレーキよりも確実に止まる。
  • フロントフォークがオイルショックになりしっかりした感じになる。
  • アルミホイールにより軽量化と見栄えアップ。(フロントはキャリパーなどが有るので重くなる?)
  • そのまま取付可能である。(相性などの問題はほとんど無い)

欠点

  • 車高が1〜2cm上がる(調整は可能だが加工が難しい)
    逆に言えば利点でもあるかな?
  • フロント用ブレーキレバーが無くなる(削り取る場合は戻すことが出来なくなる)
    戻す必要が無い場合は欠点ではないかな?
  • コンビブレーキが使えなくなる。(前後連動機能は使用できない)
    ただしコンビブレーキ対応のZX用を移植する場合はコンビブレーキ使用可能。
  • 作業が非常に難しい、特に保安部分で有るため不安は否めない。
    エアー抜き作業などは経験や知識がない場合は無理に等しい。

※ズーマーの場合
同じようにズーマーも取り替えできますがフロントフォークの間隔が若干広いためデイトナ製のカラーが必要になります。
あとタイヤサイズをズーマーにする場合はメーター誤差が出ますのでその辺のパーツも必要になります。
スクーピーはそのままのサイズを利用可能ですのでそのままで誤差は出ないと思います。
さらに詳しく?ズーマニアHPで紹介されてますのでそちらも見て作業するとなお良いでしょう。

こんな感じになります。
解る人にしか解らないこの快感(笑)
というよりも確実に止まるための移植ですからね、あくまで(笑)

移植といってもディスクブレーキにするにはいくつもの部品が必要になります。
キャリパーだけの交換では移植できません。
ホイール、フォークと一緒に交換しなければなりません。

ライブディオZX足回りセット
ヤフーオークションでセットで15,000〜20,000円前後程度で取引されてます。
ホイールがアルミの物が軽くなっていて良いと思います。
色はアルミタイプだと金と黒とオレンジ?が有るみたいです。
状態の良い物を選んで手に入れましょう。
オイル漏れや曲がりなど致命的な物は避けましょう。
ちなみにローダウンしたい場合はサスペンションを解体してバネを押さえているゲタ?を加工します。
※規制前のライブディオのフォークは太いのでスクーピーには取り付けできません!!
ので注意しましょう

○必要な物(ライブディオZXの物)

  • フロントホイール(もちろんタイヤ付き)
  • ブレーキディスク
  • ブレーキキャリパー&パッド&レバー&ホース&ブレーキランプ配線
    (スクーピーの物を加工する場合は配線は不要)
    ホースはメッシュの物に変更しても良いと思います。
    もし交換する場合はブレーキフルードの交換が必要です。(フルードはDOT3or4)
  • スピードメーターケーブル(ZXホイール用の物)
    ※スクーピーの物は流用は出来ない
  • フロントフォーク(左右)※三つ又は要りません。


    全長38.5cm(スクーピーは36cm)実質2cmほど取付位置が下がる(車高が上がる)方向に変わります。

基本的にスクーピーとZXは構造がほとんど同じなので特別な物は用意する必要は有りません。
ただしズーマーに使用する場合はブレーキホースが短いので90〜100cmくらいの物を用意します。
あとフォークの間隔が広いのでデイトナのカラーが必要です。

☆必要工具

  • +ドライバー、マイナスドライバーまたは電動ドライバー(マイナスのネジは有りませんがフォークを外す際などに使用します)
  • メガネスパナとスパナ(17,14,12,10,8mm)の各種
    (電動インパクトドライバもしくはレンチも有れば便利)
    スパナは10mmが無いとコンビブレーキからFブレーキワイヤーを取る際に作業が難しくなります。
    17mmと12mmメガネスパナはタイヤを外す際に必要です。
    10mmのラチットレンチが有ると作業が効率よくこなせます。
    14mmスパナはアクセルワイヤー取付部の締め付けを外す際に使用。
  • 車の車載ジャッキ(無くてもフロントが上がりますがあると安全で便利)
  • ドリル(2〜4mm)出来れば電動ドリル
  • 金属加工用のノコギリ(ブレーキレバー削り取りの為)100円ショップでも売ってます。
  • 金属用ヤスリ(なるべく広い物がベスト、出来ればサンダーも有れば完璧)
    これも100円ショップに有ります。
  • 平型のギボシ(セットで売ってます)※ブレーキレバーの配線加工する場合。
    これも100円ショップか自動車用品の置いてあるところに有ります。
  • ラジオペンチまたはプライヤー(メーターケーブル取付、取り外し)

以上の物を最低限そろえてください。

作業の手順は大まかに

  1. フロントをジャッキアップ(無理に上げなくてもOK)
  2. フロントタイヤを外す。(無理に外さなくてもOK)
  3. フロントタイヤの泥よけ、フロントカバーを外す。
  4. フロントブレーキワイヤー&配線&スピードメーターケーブルを取り外す。
  5. フロントフォークを取り外す。
  6. ZXのフロントフォーク&タイヤを取り付ける。
    (先にホイール、キャリパー、メーターケーブルを組込んでおく方が作業は簡単で早い)
  7. ZX用メーターケーブルを取り付ける。
  8. スクーピーのブレーキレバーを削り取る。
  9. ZXブレーキレバーを取り付ける。
  10. ブレーキランプの配線を行う。
フロントフォークの取り替え

フロントフォークを取り替えるにはまず泥よけとフロンカバーを外します。
下の写真の3カ所のボルトを外し奥側の泥よけを上に上げるように外します。
奧側を外したら割れないように前側を外します。
この時にすでにタイヤを外している方が楽に取り外せますがケーブルなどがじゃまになります。
泥よけとフロントカバー
泥よけは3カ所10mmのレンチで外す。
フロントカバーは運転席側から+ドライバでネジ4本外せば簡単に取り外せます。

ライトを交換する際はこの手順だけで変えることが可能。
ライトの配線はライト側でつまみを押さえてコネクタを下に抜いて外します。
フロントカバーは邪魔にならないところに置いておきましょう。(踏まないように)
このボルトが左右にある。
ラチェットレンチが有ると楽です。
先の少し曲がってるメガネレンチか小さめのラチェットレンチが必要です。
インパクトレンチは使えません。(L字ソケットなど有れば使用可能かとは思います)

メーターケーブルとブレーキワイヤーが泥よけの内側にこの白い物↓で止まっていますので泥よけを外す前に先に外します。
90度回転させれば外れるようになっていますので無理に外さないように。
ケーブル留め

フロントタイヤを外す場合はジャッキアップの前にボルトを緩めておきます
軸は12mmと17mmのレンチで緩めますがかなり堅いので少し長いレンチを使用して
体重を掛けて外します、この時にナットをなめないようにしましょう。
基本的にはZXの物に変えますので不要にはなりますが。
先にメーターケーブルとブレーキワイヤーを取り外せばショックごとタイヤも外せます。
ジャッキアップ
ジャッキは上げなくてもフロント周りが軽いので浮いた状態にはなります。
一応ジャッキが有るとフロントフォークの組み付けが楽になります。
支える程度なので手で回しても上がります(笑)
有れば楽に作業が行えますので出来れば用意しましょう。

フロントフォーク取り替え

フロントフォーク(ノーマルの取付状態)
フロントフォークは12mmのレンチで外します。
三又に付いてる4本のボルトを緩めば(外せば)スルリと抜けます。
先にメーターケーブルとブレーキワイヤーを外すとフォークを外すだけでタイヤ、ブレーキごと外せます。

取り替え後フォーク突き出し状態(約1cm)
スクーピーはノーマルではフォークが突き出ていません。
ZX用は長いので車高を上げたくない場合、1cmほど上に突き出して固定します。
ZXに取り付けていた状態の跡がある場合は下側をそれに合わせると左右を測る必要が無くなります。
1cm以上だと泥よけが付きませんので注意してください。
スピードメーターケーブルの回転方向が合うようにZXに付いていた方向に取り付けます。
フォークを左右逆に取り付けるとスピードメーターが動きません。(笑)
取り替えたらスクーピー用のメーターケーブル、ブレーキワイヤーを取り外します。
先にフロントフォークとタイヤ、キャリパーなどを組み込んでフォークを差し込む方が楽に作業が行えます。
フォークの方向を確認する手間も省けるしフォークの間隔は同一なのであとはジャッキで上下の調整をすれば楽に取り替え可能です。
ここで元のようにブレーキホースとメーターケーブルを固定する金具に通してからフォークを固定します。
ケーブルとホースがタイヤに当たらないことを確認してください。
フォークはレンチを使い手でギュッと締められるだけ締める程度でOKで、あまり締め付ける過ぎるとと変形しますので程々にしましょう。

※もしノーマルよりも車高を落としたい場合はZX用ローダウンフォークを使用するか、フォーク内部の加工でフォーク自体を短くします。

ブレーキランプ、メーターケーブルの配線

メーターケーブル
メーターケーブルはメーターに直結してますのでラジオペンチで回せば簡単に外せます。
取付も同様ですが取付時には差し込み方向が有るので奧まで入ることを確認してください。
ズーマーではタイヤサイズが異なるためメーターに誤差が出ます。
スクーピーではタイヤサイズを変更しなくても良い(同じ)ので誤差は無いと思います。
ケーブルもZX用で十分に長さは有ると思います。
ズーマーでは長い物が必要だと思います。
ブレーキの配線(丸ギボシ)
フロントブレーキレバーからたどってブレーキランプ用の配線を抜きます。
右側の二本です、リアもつながっているのでミドリと黒それぞれ一本ずつ取りはずしてください。
ここでZX用の配線が有る場合は同じように刺せば良いだけです。
もし無い場合はここから抜き取りブレーキレバーの取付のところからセンサーごと抜き取ります。
センサーから配線を取り出し平型ギボシを取り付けます。(ZX用レバーに合わせてください)
配線の被服が収縮してるところまで5cmも無いのでギボシのカバーを入れてギボシを圧着するのがやや難しいです。
取り付けたら一応ブレーキランプが点灯することを確認してください。
コンビブレーキ(Fブレーキワイヤー解体後状態)
コンビブレーキはフロントとリアブレーキがワイヤー接続されていますのでフロント関係のワイヤーだけ外します。
手前側に有るのがフロント用ブレーキワイヤーです。
そのほかは元通りにしておきます。
上に見える平型ギボシはスクーピーの配線を加工した物
左の下側にあるボルトを10mmのレンチで外ずし上に持ち上げると外れます。
上側のワイヤーは12mmのスパナで緩めて外します。
下側はタイヤから外して引っ張れば簡単に外れます。
バネが有るのでこれは同じようにして納めてください。(たぶん有った方が良いと思うので)
ワイヤーが取り外し終わったら元に戻しリアブレーキが利くことを確認してください。
スクーピーの物を加工して取付の例
ZXのブレーキの配線は下側に有ります。
ブレーキレバー側は平型ギボシ♂でスクーピー側のメーター内は丸ギボシ♀となってます。
ZX用の物が付いているならそれを使用して無い場合はスクーピーの物を取り外してレバー側を加工します。
+と−の区別とかは特に無いスイッチなのでどちらに取り付けても問題有りません。

ブレーキレバー切除

スクーピーのフロントブレーキレバーは邪魔なので削り取ります。
ZX用のスロットルカバーが有ってさらにセルボタンを移動(無効に?)する場合は削り取らなくても取り外せばOKです。
そうで無い場合はレバーを削り取ります。
スクーピーのアクセル部分を分解するには底の部分の二本の+ネジを外せば簡単に外れます。
削り取り状態(未完成?)
削る場合は最初に金属用ノコギリでカットして最終的にヤスリで削り仕上げる。
もしくはドリルで穴を開けてつなげて折りヤスリで削り仕上げる。
という方法が有ります、アルミなので簡単に穴も空きますし切ることも可能です。
最終的にこの角がレバーと干渉しない様にしっかり削りましょう。
私はめんどくさがりなのでこのくらいで(笑)
削り取ったりする際は出来ればアクセルワイヤーを抜き取りさらにセルボタンを外します。
アクセルワイヤーは14mmのスパナで緩めてから本体を回して外します。
セルボタンはかなり外すのが難しいです。
バネが飛んでいって無くさないようにしましょう。

こんな感じです、ZX用のブレーキレバーは少し長いので握るときの違和感はほとんど無いです。
この状態ではメーターのカウルにブレーキホースの取付部が当たるか当たらないかくらいです。
ZXのレバーの当たりそうな部分も削ればもう少し解消されます。
レバーの握り具合はそう悪くもないので大丈夫です。
これでかなり止まります、マジで。
現状はほとんどディスクバッドが無いので普通よりは効かない状態でしょう。
いずれバッドは交換する予定です。

ブレーキフルードの交換、充填、エアー抜き

組み込んだ状態(ブレーキフルード充填)でそのまま組み付けた場合は一応エアー抜きを行います。
輸送中などでエアーが入り込む可能性も有りますので念のために行ってください。
ブレーキフルードリザーバータンクの蓋を開けてパッキンを取りフルードの入った状態でレバーを数回握ります。
するとエアーがホースから上がってきて抜けるのでこれを数回繰り返してください。
気泡が上がってこなくなって、ブレーキが利くようで有ればOKです。
ここで一応リザーバーの中だけでもフルードを新しい物にしてからエアー抜きをした方が良いです。
フルードを入れる前に古い物をティッシュやオイルペーパーなどで吸い取り、新しいフルードを補充します。
ここでかなりフルードが汚れている(変色している)場合はフルードの交換をお薦めします。
中古の足回りのほとんどは交換した方が良い状態の物が多いです。

もしブレーキホースを交換していたり取り外していた物を組み付けた場合は必ずブレーキフルードの充填、エアー抜き作業を行います。
もし自信がなかったりする場合は必ず専門知識のある人、バイク屋さんに頼んで行ってください。
エアーが入っているといざというときにブレーキが利きません。
やり方は
ズーマニアHPでも紹介されていますのでそちらを参考にしてください。

フルード充填、交換に必要な物としては

  • 3mmくらいの(透明)ビニールホース(現物を確認しましょう)オイルを抜き出す為に使用。
    ホームセンターで売ってます。(出来れば耐油性の物を使いましょう)
  • オイルの受け皿(500ccのペットボトルなどでも可)
  • 8mmのレンチ(メガネの場合はホースより先にナットに取付る事)
  • DOT3か4のブレーキオイル(せめて350ccは必要かな?)

作業はブレーキキャリパーにあるゴムの蓋の付いたナットにスパナ、ホースを取り付けます。
緩めるとフルードが出てきますのでリザーブタンクにあふれないように、無くならないようにブレーキオイルを補充しながら充填します。
充填する際はレバーを握るとフルードが押し出されます。
できれば二人で作業すると楽に作業が出来ます。
一人の場合は補充、抜き取り、補充を細かく繰り返します。
リザーブタンクのフルードが無くなるとエアーが入るので最初からやり直しになりますので慎重に行ってください。
抜き取りホースが透明なら新しいフルードが出てきたのが解るので便利です。
新しい綺麗なフルードが抜け出たら交換終了です。
ブレーキフルードを交換する場合も同様に行います。
ブレーキフルードは水分を含むとその機能が低下します。
古くなったフルードは茶色などに変色しますので点検窓などからみて古い様で有れば交換しましょう。

完成と試運転

完了状態
これで完璧に終了しました。
必ずエンジンを掛けないで押して止まるかどうか試運転をしてください、いきなり走行してはいけません。
乗り心地は最高ですね〜リアのスカスカ感はまだ否めませんけど。

最後に

この作業全般は一人でも行えますが基本的に知識と経験の無い人にはかなり困難な作業になります。
ブレーキという保安部品の作業になりますので確実な作業と確認が必要です。
くれぐれもミスの無いように行うこと、自信がない場合は経験のある人に頼む(見て貰う)ことです。
すべての改造行為は自己責任ですのでその事を肝に銘じて行ってください。

リアホイール交換

リアホールは無加工で交換可能です。
一応少し噛み合わせが悪いのでリアブレーキの調整ネジを最大に緩めて交換してください。
そうしないとアルミホイールがリアブレーキと干渉して入りません。
リアブレーキシューも同じ物なので強化品でもなんでも好きな物をどうぞ(笑)

 

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