川辺川ダム予定地の視察 1/5
- 2001年1月4〜5日は、熊本県に在る球磨川の水質を支える「川辺川」に、強引に建設され
ようとしている「川辺川ダム」の予定地まで視察に行きました。Yahoo! 掲示板に有るトピの
リンクを渡っているうちに、このダム計画の問題性も知り、是非この目で…という訳です。

写真は全てHi8ビデオカメラの映像をキャプチャーした画像です。路上での撮影は、車の
フロントガラス内側に 吸盤などを駆使して取り付けた"車載ビデオカメラ"で行っています。
なんと これは、始めての地を独り運転しながら操作するのです。我ながら やりおる…(~~;


画像の場所は、熊本県のド真ん中付近…国見山系を越える
もうすぐ峠に…ルート(国道445号線)で、まもなく峠を越えて 八代郡 泉村に
入るところです。 峠までは、高く深い山懐に抱かれた山村の
厳かで美しい 冬の情景や渓流に大感激でした。ただ当日は
時間が無く、延々と続く 峠越えルートは苛々が積もりました。

カーナビで 九州東岸の佐伯港→五木村までのルートを最短
距離で検索したのでしたが、急ぐ時は峠越えよりも平野部の
幹線道路を選んだ方が 距離は遠くても速く確実であることを
後で嫌というほど痛感するのでした。

峠より2車線となる道峠からは清流 川辺川の上流域である泉村に入るのですが、
あれだけ狭い道を登った先に、やたらと広い駐車場や観光
施設らしい建物などが現れるのでした。 駐車場などは画像
右側に。ただ広い道路や広場が有れば良いと云うものでは
無いことは解かってる…?なんて思いながら先を急ぎました。

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山に渓に吹きかかる土木の息吹峠より先は、道も渓流も「コレ何だ?」というくらい
手が入っていて、変な息吹が掛かっているな…と
すぐ思いました。 雪が積もるような高い山の上に
これほど大きな道路は尋常ではないと思えます。

確かに、雪面に残るタイヤ跡を見ると、通行量が
少ないルートだとは云えないでしょうが、それでも
この拡さは過剰な気がします。私が通った時だと
後続・対向車は数台のみでした。(夕方だから?)

また、排水溝と化した渓流が、本来あるべき姿であるとは到底思えません。もしかして
川辺川ダムを推進するに当たり 障壁と成るであろう土石の流下を、予め抑えることで
反対勢力に向けた言い訳にする魂胆じゃないですよねぇ…?疑いすぎ…?何れにしても
元々ここに在った渓の地に、この先どんなに願っても 再び降り立つことは出来ません。

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大規模に進む拡張工事2大規模に進む拡張工事1その無残な風景に心を砕かれながら
下って行くと、この道が今も拡張工事
中であることが判り、心底驚きました。

こんなに標高が高い峠越えのルートを
全て二車線化するとも成れば、多大な
自然破壊に加え、膨大なエネルギーと
税金も使われますから、それを押し切って行っているということは、それ相応の理由が
存在することに成ります。しかしながら それらしい理由が存在するようにも見えません。

ここに全く道が無く、それでは今を生きられないという場合には、小さな道を作ることも
時に致し方ないかも知れません。でも、既に自動車が走れる舗装された道が存在して
いる訳だから、さらに其の道を拡げたいが為に、全国的にも 希少な清流 「川辺川」の
源流域でもある山や渓を 今以上に破壊するような行為は、私たちの横着と云うことに
成りますから、横着を承知で行うほどに、壮大で重大な理由が存在するのでしょう…?!
(ここを拡張しないと、今の社会全体が沈没してしまうとか…???)

道を拡げれば便利に成る…そんなことは、いちいち議論しなくても 判りきっていること。
今の地元の人たちの通行が便利に成ると思われる事業と、その事業の是非は、実は
別問題だったりします。実質を考えると、ずっと先の人たち まで見ることに成る自然を
今まで以上に壊し拡げられた道も、後に振り返れば その時の地元住民たちの通行を
幾らか楽にしただけで、本当の意味で豊かな暮らしが拡い道から生まれる訳でも無い
ことに気がつき、自らも推した破壊を省み 愕然とする…(-_-;)それが関の山なのでは?

また、峠は片道では無く 向こう側にも道は有る…つまり砥用町 側も二車線化しないと
便利も半分。砥用町 側の工事は平地部だけ…。これから先の代の人たちが ドデカイ
破壊と税金の象徴を望むとでも思っているのかな…? 何を考えているのか┐('〜`;)┌


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川辺川の上流ここは川辺川の上流部で、場所としては五木村に
入る直前の、小さな橋が掛かる場所です。冬季で
あるため流量は少なめですが、水は極めて清くて
渓流の水そのものに見えます。

なお、画像が暗く映っているのは、キャプチャーを
行った機材の画作りの影響ですが、撮影している
時の明るさ調整が適正ではない場合も有ります。

ここは昔からの1.5車線も残っていますが、拡張
工事で道路縁の山林が切り潰されてしまう前に、ゆっくりと旅してみたいものです。

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川向こうで謎の大工事が2川向こうで謎の大工事が1ここまで来ると、周りには
民家なども多くて 道路は
二車線化されていますが、
向こう岸の山腹に水平の
刈り込み(?)を長い区間に
渡って作り、画像のような
工事が行われていました。

ダム湖の上端がココまで及ぶとすれば、護岸補強
という可能性も有りますが、幾ら何でも上過ぎる…。
それは気持ち的にも許せない…。道だったら更に許せない…。要所で橋を掛けろと
いう話しですよ。まあ、手元にデータが無いまま案じても仕方ないのですが。(-_-;)

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