<<日曜陶芸家の日誌>>

vol.1 事始め

七輪陶芸、ミニ窯、電気窯 日曜陶芸家の日誌 産地訪問
師匠の紹介 ギャラリー 参考資料

日誌1:事始め

 1日目: 陶芸を始める前に、まず、用意しなくてはならないもの。。。ずばり、粘土である。
      どこで粘土を手に入れるかだけど、最近はすごく便利になったもので、インターネットを介して
      購入できるのである。幾つかのお店のホームページを見ていた中で、「陶芸.com」という
      お店が陶芸に関する商品が一通り揃ってい、至極便利そうに思えたので、そこに発注することにした。
       粘土も実に種類が豊富で、どれを選んでよいのやら迷ってしまったが、とりあえず「七輪陶芸」の本に
      紹介されていた土鍋用の土「鍋白土」。戦国茶人の古田織部の考案した織部風に挑戦してみたくて
      買った「志野土」、七輪陶芸の中でも、焼き締めの効果が得られやすいだろうと思って(適当に)選んだ
      「本備前土」、そして、初心者の僕でも無難に焼けそうな「楽焼粘土」の4種類を買うことにした。
       それと同時に、初心者用の道具セットと気になっている釉薬(ゆうやく)を数種類選ぶことにした。
      初心者用セットの中には、教本とろくろ(22cm)も含まれているので、この先、大いに役に立ってくれるであろう(^^)
       その外には、陶芸の基本をまとめられた書籍類や、産地ごとに書かれた焼き物の本を購入。
      自分の作りたいもののイメージを膨らませてゆく。
      嫁に言われた。。。「簡単なものからやっていかないと、挫折するヨ(^^;;;」 ごもっともで<(_ _)>
      <<2003.12.7.>>

 2日目: 2日目といっても、実際には連続して二日目と言うわけではない(^^; 一応、会社員なのでだいたい
      夜の7〜9時ごろまでは毎日仕事に勤しんでいるのである。だから、作陶に費やせる時間も自然と
      限られてくるわけで(^^;
       それに、もうじき結婚式だからね。。。忙しい真っ只中なんです。。。I need more TIME !!!

      本を一通り読んでみたものの、あまりにも漠然とした情報しか得られていないので、焼成テスト用に
      テストピースを作ることにしてみました。まぁ、結局のところ、自分で試さないと身に着かないしね(^^;

      テキストによれば、
      材料: 原土(粘土、種類別でも混ぜ合わせでも良い) + 添加物(熱の伝導を良くし、割れを防ぐ)
          これが基本らしい。原土の重さに対して、添加物は1〜3割が目安。

      とのことなので、原土 100g + 添加物(シャモットか川砂、またはその両方) 10〜30g
      これを僕なりのテストピースの公式として実行してみることにした。
       ひとまず、鍋白土と添加物の総量20gを使ってテストピースを作ることに。

      ・添加物を入れない状態のもの。
      ・シャモット(または川砂)単味で20g。
      ・シャモット15gに川砂5gを混入したもの(または、その逆)。
      ・シャモットと川砂をそれぞれ10g混入したもの。

      全部で10枚作ってみることになるのかな?
      料理用量りでそれぞれの重さを量り、和紙に包んでゆく。
      粘土をよく練りこんで団子状にし、一つずつテストピースを作っていくうちに「?」が頭に浮かんだ。
      粘土に砂やシャモットを混ぜ込んでいくと、次第に粘り気が無くなっていく。本で書いてあったのは、
      そういう事なんだと、一人で納得していた(^^)
      途中で、別居中の妻(まだ、入籍しただけで式を挙げてないのだよ。。。笑)が義兄と来たので
      作業を終える(ちなみに、途中です、、、)。
      それでも、テストピースを8枚作った(^^)v

      ・ちなみに 粘土100g + 添加物(砂、シャモット)の合計 20g = 120g で
      直径9〜10cm 厚さ6〜9mmの円形のテストピースが出来ます

      <<2004.1.31>>

 3日目: 乾燥に入り、だいたい1日半ぐらい。乾燥の環境は、室内(だいたい室温12〜3度ぐらい)で
      テストピースの下に紙を敷いた状態。表面は白っぽくなり、仕事が出来るように少し場所を移そうとした。
      その時、1枚のテストピースを落としてしまい、縁(ふち)が欠けてしまう(--;
      その掛けた場所から見る限りでは、乾燥もだいぶ進んでいる印象を受けた(^^)
      素焼きは、何時やろうかな?
       七輪陶芸では、ドライヤーなどで早めに乾燥をしてしまうけど、ちょっと道を外れて本来のやり方を
      してたりします(^^;;;
      
       こんな感じです。
      <<2004.2.2>>

 4日目: テストピースの乾燥を始め4日目。表面も裏面もだいぶ白くなってきました。
      乾燥もそろそろ終りかな?明日ぐらいに順次、素焼きに移れると良いんだけど(^^;
      今日、8つのテストピースをそれぞれ量りに乗せ、計量することにしました。
      ・鍋白土のみ100gの2つのテストピースは、81gと79.5g。
      ・鍋白土100g+川砂20gの2つのテストピースは、両方が99.5g。
      ・鍋白土100g+川砂15g+シャモット5gの2つのテストピースは、102gと100g。
      ・鍋白土100g+川砂10g+シャモット10gの2つのテストピースは、102gと100.5g。

      表面を削って、テストピースのデータを書いたので若干の狂いはありますが、この鍋白土の水分は、
      20g(粘土100g中)ぐらいだと思います。
      <<2004.2.4>>

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 5日目: 乾燥したテストピースをとりあえず、悪戯交じりに焼いてみる(素焼き)ことに。。。
      悪戯交じり、、、テキストやこれまで見てきた七輪陶芸のホームページに書かれているセオリーを
      全く無視したやり方である(^^;
       使ったテストピースは、2つ。一つは、鍋白土単味のものと鍋白土に川砂を20g混ぜ込んだもの。
      一応、タイムテーブルに書いて記録に残したので、それに基づいて書いておきます(^^;
      (反省の意味も込めて。。。) 邪魔をしてくれた父と兄に感謝(--;

      ・鍋白土単味の場合:
       16:44 : 徐熱開始 ストーブの上に直に置く
       16:56 : 七輪の上にテストピースを移動、炎の色はオレンジ色(テキストによると1000度ぐらい?)
       17:10 : ひびが入ったので、テストを終了する。 生焼け状態(^^;

      ・鍋白土+川砂20gの場合:
       17:23 : テストピースをアルミ箔に巻き練炭コンロ(上付きコンロ)に乗せる。炎の色はオレンジ。
       17:54 : 素焼きを始め約30分。裏面は、よく見る土鍋の裏側の色に仕上がった部分と、
              酸化アルミニウムの白っぽい粉が付着した部分、生焼けの部分が見受けられた。
              ひびも、やや大きいのが一本入っているのを確認(^^; 悪戯焼きだからな〜〜〜(笑)      

      こんな感じです(^^;
      <<2004.2.5.>>

 6日目: 午前中、約1時間ほどかけて、昨日やった悪戯の続きを試みる。
      焼きが強すぎたのか見事に赤茶けた感じに焼けている部分、土鍋の底の色に焼けている部分など
      実に様々。。。
       この成功(?)に気を良くしたのか、午後から本格的に素焼きのテストに挑戦!
      (と言っても、仕事の合間にである(^^; もちろん、社長(父)や専務(兄)の熱い声援(野次)が飛ぶ中で。。。)
       使用したテストピースは、以下の3つ。
      ・鍋白土単味 Bピース(79.5g)
      ・鍋白土+川砂15g+シャモット5g Aピース(102g)
      ・鍋白土+川砂10g+シャモット10g Aピース(102g)

      1) 炭火を起こす。これが意外に難しい。。。あまりバーベキューなんて洒落たものをしたことが無いからね(^^;
      2) 火が安定したら、フライパンの上にアルミ箔を置き、その上にテストピースを載せる。
      3) ある程度、温度が上がってきたらフライパンに蓋をし、更に温度を上げる。
      4) 更に温度が上がったようなら、フライパンから金網にテストピースを載せかえる。
      5) 素焼きの仕上げのために、七輪へ直接投入。
      6) 素焼きが進んだ段階で、フライパンの上にテストピースを載せなおし徐冷を開始。
      7) フライパンを七輪からおろし、更に徐冷を進める。
      8) 完全に冷めたら、素焼きの出来上がり!

      こんな手順を踏むことにした。以後、タイムテーブル順にまとめてみました(^O^)
       13:55 :炭火を起こすが、なかなか起きない(--; 最後の手段!みたく練炭コンロに木炭を突っ込み、
             一気に着火させる。。。良い子は危険なので、真似をしないように(^^;

       14:25 :種火が安定する。やり方をしっかり把握していないので、思いっきり適当┐('д')┌
             炭火を継ぎ足し、空気口を1cm開きにする。
             フライパンにアルミ箔を敷き、その上にテストピースを載せ七輪に。(画像A)
       14:45 :炭を足し、アルミ箔で蓋をする。(画像B)
       14:55 :テストピースを金網に載せかえる。空気口を半開きに。

       15:08 :金網を取り除き、七輪にテストピースを直接投入!
             その上に更に新しい炭を置き、温度が上がるように勘考。
             一気に温度が上がらないようにするために、空気口を一度全閉。(画像C)
       15:15 :先ほど閉めた空気口を徐々に開け、温度を更に上げる。(画像D)
       15:40 :上に載っている炭を一度どかし、テストピースの状態を確認。割れやひびは無い模様。
             ちょっぴり安心(^^) テストピースの表面はかなり白くなっている。素焼きが進んだのか?
       15:54 :素焼きもこの辺かな?と思い、テストピースを一度フライパンに戻す。炭を2,3かけら一緒に
             その上に置き、七輪の上に置く。(徐冷開始) 更にアルミ箔で蓋。
             空気口は全閉。

       16:14 :フライパンを七輪から下ろし、アルミ箔の蓋を取り除く。熱を冷ますため、暫く外に置いておく。(画像E)
       16:25 :フライパン自体は冷めたようなので、室内へ持ち込む。触ってみるとテストピースはまだ熱い。
       16:45 :テストピースの熱もかなり取れたようだ。ほんのり温かい(^^) (徐冷終了)

画像A 画像B 画像C(この後空気口を閉める)
画像D 画像Dを上から見たところ 画像E

      試行錯誤の上で、何とかここまで出来ました(^o^)
      今度は本焼きまで出来たら良いな〜!
      <<2004.2.5.>>

 8日目: 2004年10月に入り、いろいろと動き回ってきました(^^)
      まず、10、11日と多治見市(岐阜県)であった「多治見茶碗まつり」、多治見市の隣の市にある道の駅
      「土岐美濃焼街道『どんぶり会館』」と今年4月にオープンした道の駅「志野・織部」へ行ってきました。
      茶碗まつりは、昨年と同様の盛況ぶりで、今年もいくつかのアイテムを買ってしまった(^^;
      続く翌週の日曜日の17日は、長野県山口村の馬籠にある大黒屋茶房の横にある売店で、取り皿を
      一枚購入し、その帰りに岐阜県陶磁資料館(多治見市)へ寄りました。
       ここらあたりで、再び作陶への意欲も湧き出し、以前、ヤフーオークションで見かけた「ねんどやさん.com」が
      愛知県藤岡町にあることを確認し、メールで問い合わせ。
      七輪窯をより発展させたミニ窯を作ってみたいと思い、店頭に道具土(より土)があるかを問い合わせ、24日に
      訪れました。
       ねんどやさん(山内陶料)の店主は、当日は、村内のソフトボール大会があるため、午前10時までに
      来てほしいとの事で、8時半に家を出ることに。
      嫁さんは、3週連続でのお出かけのためか、やや疲れ気味(--; すまん。。。
       長久手から、猿投グリーンロードに抜けるまで、万博会場の整備のためかひどく渋滞(--;;;
      来年から暫くは、郵送してもらった方が得かもなどと言いながら、車を走らせる。
       お店との約束よりも20分ほど前に店舗前に到着。いわゆる町工場風の趣の会社でした。
      住居の玄関で声をかけ、事務所に通されました。
      自営業者に良くありがちな気のいい奥さんと如何にも職人の店主。
      聞けば、測定器などを用いて、粘土中の成分を分析し最良の配合を工夫しているらしいです。
       店主にミニ窯について掻い摘んで話し、アドバイスをもらうことにしました。
       店主のアドバイスに従い、より土(道具土)と八草粘土を購入することに。混ぜ合わせて使えば、
      より土単味で作るよりもしっかりしたものが出来そうかな(^^)?
       山内陶料さんを出発し、帰り道に瀬戸市にある愛知県陶磁資料館へ立ち寄りました。
      岐阜陶磁資料館に比べると、格段の施設の立派さ。企画展の世界の土器を展示した「土と炎の芸術」を見る。
      嫁は、土器の多様さや土偶(土人形)の造形の面白さに興味津々でありました。
      <<2004.11.1.>>
 

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