■■■モーニングコール■■■   2004年10月21日

 毎朝の電話が日課となりました。 声を聞くと、だいたいの様子がわかります。 母は、なかなか良い声で「おとぅさんと、話したってね。」と言って、父にかわります。 父は、まず「○○くんは、元気〜ぃ?」と必ず聞きます。 名前が出てこないことも多いのですが、必ず息子のことを聞きます。「○○くんは、京都の大学に行っとうよ。 勉強、頑張っとうよ。」と毎回同じ会話が続きます。 そんな会話で始まる日はホッとします。

 母がヒソヒソ声で、話す日は・・・父の機嫌が悪いか、なにかトラブルが起きているのかな・・・と心配になります。 父に代わっても、だま〜っていて、「うーん」と力無く答えるだけです。 そういう日は、父が部屋を出ていったスキに母から再度、電話がかかります。 慎重に対応しなければいけません。 とにかく話をていねいに聞いてあげます。 母に逆らわず、意見せず、「しんどいのに、大変だね。」と声をかけるように努力します。

 神戸には、たびたび帰れないので、この電話と妹への電話とで、両親の状況を知ることとなります。

 母は、この3ヶ月の間に、実家に置いて帰った本 「痴呆の人の思い、家族の思い」 を読んでくれていました。 その間に色々と変化があり、以前ほど父を叱らなくなったようです。 トラブルも多いのですが、母がずいぶん落ちついてきたので、父に少し改善が見られるようになりました。 失禁が減ったのと、お風呂に一人で入れるようになったことです。 これは何でもないことのようですが、私たちにとってはすごいことなのです。 母は、デーサービスを止めてから調子が良い。 と言っていますが、デーサービスへ機嫌良く行かせるために、母がヤキモキしなくても よくなったから かな、とも思うのですが・・・。

 介護する母の気持ちが、ぼけている父にそのまま、伝わるようです。 

 さて、明日はどんな声で答えてくれるかな? 明日のことはわかりません。