近年、都市化の進んだ自治体では条例により建物緑化を積極的に促進しています。
東京都 「東京における自然の保護と回復に関する条例」
大阪府 「自然環境保全条例」
京都府 「地球温暖化対策条例」
兵庫県 「環境の保全と創造に関する条例」
各条例は、ほぼ同等の内容でありますが、算定基準は自治体により異なります。
条例の骨子
(1)緑化義務対象敷地面積1000㎡以上の建築物の新築、改築、増築が対象です。
(2)基準緑化面積
・地上部
自治体により異なりますが、概ね空地面積の20~30%以上と規定されています。
・建築物上(屋上、屋根、壁面、ベランダ)
各自治体とも同様で、利用可能な屋上面積の20%以上と規定されています。
(3)地上部緑化面積と建築物上緑化面積の振り替えについて各自治体とも面積の振り替えを認めています。緑化面積を振り替えることによって、
「屋上あるいは壁面を緑化することにより、地上部分の緑化面積を建物上に振りかえ地上駐車場のスペースを拡げることがかのうになります。 これは交通渋滞の緩和、CO2の削減、ヒートアイランド現象の防止等、都市環境の改善に有効であります。」
(4)建築部上の緑化面積の算定方法
屋上、ベランダ、屋根の緑化面積の算定方法は各自治体とも共通であり、全水平投影面積としています。花壇、水流、園路、土留め等も算定できます。
壁面の算定方法は二通りに分かれています。
①ツタ類のように地表(登坂型)もしくは屋上(下垂型)から壁面を伝わって緑化する場合を念頭に、高さ1m以内とする。
②ツタ以外の壁面緑化工法も多く開発されている現状を反映して「補助資材がある場合」という条件で全面積を算定する。