モスプラント/Moss plant
地球に優しい苔の力

1、苔はCO2と水と日光を原料として酸素と泥炭を製造しています。
  (CO2削減)

2、苔緑化層の貯水による潜熱効果で大気温を下げます。
  (ヒートアイランド現象緩和)

3、苔緑化層の断熱により建物への熱伝導を抑制します。
  (省エネ)

1、CO2削減

(1)地球とCO2

年代 大気中のCO2
46億年前
地球の誕生
地球は高温で大気は水蒸気とN2、CO2で満ちていました。
40億年前
海の誕生
気温は徐々に低下し、水蒸気は海となりました。海は大気中のCO2を溶かし、海水中のカルシウムと反応して大量の石灰岩を造りました。
30億年前
生物の出現
海水表層にプランクトン(シアノバクテリア)が登場し光合成を始めます。
10億年前
大陸の出現
地球の造山運動により大陸が出現します。陸地に沿った浅海に多様な生物が繁殖し、 その残遺体が堆積岩中に有機質として炭素を固定化します(石油)。大気中のCO2濃度は徐々に低下し酸素が増えてきます。
5〜5.5億年前
藻類の繁殖
オゾン層の形成
海中では藻を始めとする1万種以上の生物が繁殖し、活発な光合成により酸素濃度が高まり、 上空ではオゾン層が形成されます。
4億年前
陸上生物の誕生
陸上で初めての生物として、 が誕生します。その当時の大気中のCO2濃度は現在の10〜20倍であったと言われています。
3億年前
石炭紀
熱帯性気候の中で巨大なシダ植物繁茂します。地殻変動、巨大隕石の衝突、 火山噴火等で水中や地中に埋没した植物は石炭となり炭素を地中に固定化します。
6.5千万年前
恐竜時代
炭素の地中固定化が進み、恐竜が誕生します。CO2濃度は現在の5倍程度であったと言われています。 その後も炭素固定化が進みやがて人類の誕生を迎えます。
5百万年
人類の誕生
CO2濃度は人類の生存できる濃度まで下がり、産業革命前は 280ppm程度であったと言われています。
産業革命〜現代 地中に固定化された化石燃料の消費によりCO2濃度は増大し現代は 380ppmまで上昇しています。

産業革命以降の化石燃料の大量消費により大気中のCO2が再び増加し、地球温暖化という大問題になっています。 気象庁のデータによると海洋の二酸化炭素吸収量は年間約22億トン、 陸上の二酸化炭素吸収量は年間約9億トンと報告されています。
一方、化石燃料やセメント製造によるCO2放出量は年間約72億トンであり大気中のCO2増加量は年間約41億トンです。



まずはCO2発生源の削減が喫緊の課題です。同時に増大したCO2から炭素を再び地中に固定化するCO2吸収源の確保も長期的な重要課題であります。
 その為、森林保全、海洋保全、都市緑化等が地球温暖化対策の重要課題として議論されています。

(2)炭素循環(一般樹木、草木)

通常、樹木はその成長期には、光合成により大気中のCO2を吸収し有機化合物と酸素を作ります。 しかし、成長期を終えた樹木(地上部分)は微生物の作用により腐食(酸化)し、吸収したCO2と同量のCO2を大気中に放出します。 燃焼した場合も同様です。この概念をカーボンニュートラル(炭素循環)と言います。
 樹木の地中部分(枯死根)や落ち葉は腐食分解の過程で一部は有機物として土壌に蓄積されます。 (土壌炭素蓄積

(3)苔は炭素循環しません

苔も一般植物と同様に光合成によりCO2 を吸収し炭素を固定化します。 苔は通常の植物と異なり極めて貧栄養な状態で生育しているため、たんぱく質、炭水化物等の栄養分はほとんどありません。 その為微生物の活性も低く、非常に分解腐食しにくい植物という特徴があります。1)
分解腐食(酸化)しない苔は炭素を体内に蓄積したままゆっくり堆積層を形成し、徐々に炭素濃度が増してピートモス(泥炭)となります。 更に地中深くに埋蔵されて数千年〜数億年を経て石炭となります。

(4)地球の炭素吸収源

・海洋での海洋性植物プランクトンによる光合成 (→海洋性動物の残遺体→石油))、 珊瑚と共生する褐虫藻の光合成 (→石灰岩)、 水生植物の残遺体(→泥炭)、 森林が蓄える土壌炭素蓄積、 そして苔(→ピートモス)が 炭素を地中に固定化するメカニズムの主役を演じています。2)

東京農大・都市緑化研究室でスナゴケ乾燥重量を精密に測定した実験では、 「近江窯業株式会社製スナゴケ壁面緑化資材:GIF-T」のCO2固定量は1.0〜1.5kgco2/u・年(炭素換算 273〜500gc/m2・年) と報告されています。4)

森林総合研究所 平成14年度研究成果発表会の報告では、 杉、ヒノキ類の植林森林の土壌炭素蓄積量は杉0.14kgco2(炭素換算38gc)/m2・年、ヒノキ0.047kgco2(炭素換算13gc)/m2・年、と報告されています。 苔の炭素固定量は、杉、ヒノキ森林の10倍以上であることが推定されます。


2、ヒートアイランド現象緩和

(1)貯水能力

 苔は高い貯水能力を持っています。 和歌山大学システム工学科山田の実験によると、スナゴケの乾燥時重量(通常0.5〜0.6kg/u)に対し、降雨時の貯留量は6.4〜10.3?/uでありました。 これは自重の10〜20倍にあたります。この貯水力がヒートアイランド現象緩和の決め手となります。5)6)

(2)水分蒸発

 井原の別の実験では、スナゴケからの水分蒸発量は最大600cc/u・hであったと報告されています。

3、苔緑化層の断熱効果

(1)屋上緑化

 苔で建物を緑化すると、室温の変化を抑制し省エネ効果を高めます。 須崎他の実験では苔に貯留された水分の気化熱、及び緑被の熱伝導の緩和により、 夏季のスナゴケ屋上緑化の緑被表面と裏面の温度差は最大15℃にも達していたと報告されています。7)
 大阪府立大生命科学研究科による測定では、スナゴケ屋上緑化により外気温とコンクリート表面の温度差の80%以上を抑制できる と報告しています。10)

(2)屋根緑化

 また、小嶋等は スレート屋根のスナゴケ緑化部分と緑化していない部分の屋根裏温度差を計測した結果、その差は最大12.2℃にも達したと報告しています。8)

(3)壁面緑化

 近畿大学生物物理工学部細胞工学研究室では、 スナゴケによる熱の緩和効果は水平面で23℃、壁面で12〜13℃であったと報告しています。9)

(4)セダムとの比較

 三輪はスナゴケとセダムを比較し、セダムの多肉植物特製としての蒸発発散量の少なさを指摘して、スナゴケ緑化の効果に注目しています。11)

  セダム

4、苔の強靭な生命力

・苔は4億年前の太古の昔、海から地上に上がった最初の植物です。火山噴火により生じた溶岩台地にも最初に生育します。 空気中から水分を吸収し、自然に委ねるだけで成長します。

・苔には根がありません。基盤に吸着する仮根により横へ横へと世代交代を繰り返しながら増殖します。土壌、肥料は必要ありません。

・乾燥すると葉を閉じて筆状の仮死状態となりますが、水分を吸収すると生き返ります。


 苔は、雑草も生えない場所にも生えています



済州等の溶岩台地


京都国際会議場前のコンクリート側壁


宝が池遊歩道。石積みにびっしり苔。


大阪護国神社の石垣


梅田阪急のガード横
雑踏のわずかな隙間にも


岸和田城の堀端