HDVカメラについて
2003年3月― 世界初の家庭用ハイビジョン カメラGR-HD1がビクターより登場。
それはBSデジタル ハイビジョン本放送が開始されてから、僅か3年4ヶ月後のことだった…。
そのHD1の記録フォーマットを承認する形で ソニー、ビクター、キャノン、シャープの4社により
2003年9月にHDV規格が策定された。720pおよび1080iのハイビジョン映像をMPEG2圧縮し、
従来のDVテープにDVと同じ時間記録できるように考えられた革命的な規格である。
そしてHDV規格が策定されてから1年の2004年10月― ついにHDV 1080i 対応の家庭用
ハイビジョン カメラHDR-FX1がソニーより登場。ビクターHD1が720pである為、ソニーFX1の
1080i も もちろん世界初。DV画像比で4倍以上の情報量を25Mbpsに圧縮するという技術的な
ハードルも、HD放送を超えたいという思いで乗り越え、プロ機に匹敵する撮影能力を獲得した。
1975年にベータが誕生し、後の様々な規格の誕生と進化とともにビデオ記録と文化も進化
してきたが、いずれも標準テレビ放送の規格である、NTSC(480i)枠内での進化であった。
ところがHDVカメラの登場によって 夢のまた夢だったHD映像クリエーションが我が手に獲得
されるコトとなった。まさに家庭用ビデオ始まって以来の革命である!
そんなHDV カメラが少しでも広がって、大切な映像記録の品位を大幅に改善し、文化も深化
することを願って、私なりの使用レポートを発信することと致しました。
多くの方は、ハイビジョン カメラなど一部のマニアのための特殊な機材だというイメージを抱き
そうですが、要するに荒い画像しか撮れなかった従来のカメラが、やっと美しく改善されて
まさに見たままのイメージで撮れるように成ったのだと思ってほしい!
左:2003年7月…事実上はHDV規格
一号機となった、ビクターGR-HD1を
お借りする機会を得て、通常の撮影
パターンで簡易にテスト!HDV 720p
単板は如何に応える?
右:2004年10月…待望のHDV 1080i
3板ソニーHDR-FX1がメイン機材と成ったので、当然レポート。
なぜ2台か? もちろん奥のは知り合いの機材です(^o^;ゞあはは
キャプチャー画像と画質評価について
キャプチャーは、いつも通り全てI・O DATA のUSBビデオ キャプチャ
ケーブル【USB-CAP2】を用い、HDR-FX1再生→S端子から行った
(FX1ではメニュー設定で4:3テレビを選ぶとレターボックス出力される)。
キャプチャーするとビットマップ化→手作業で上下カット&JPEG変換。
デフォールト設定(派手めに味付け)では、白飛び黒潰れが過ぎるため設定を吟味。其れぞれ
機械的中立より明るさ+3 コントラスト‐1とし、色合いと鮮やかさは敢えて中立とした。
FX1発生のカラーバーを同じ設定で取り込んだので、全体の調子を見る参考にしてほしい。
暗部の階調もシッカリ出したつもり。ダイエットで崩れているが、色や明るさには影響ない筈。
結果的には薄暗くてピーカン感も出ず、しかも黒浮き気味になったが、階調を自然に出すため
には、この調整しかなかった。PCにおける階調と ビデオにおける階調の違いが黒浮きの原因
かも知れないが、概ね正しく調整できたと思う(僅かに色が薄かったりする?!)。
なお、元サイズ1080×1440画素のまま掲載したいところだが、そもそもチョット横長形状である
HDVの画素は、PC上で扱う際に正方画素データに変換せねば成らず、1.3333…倍でオーバー
サンプリングした1920画素表示と成るので、不正確(水平方向に崩れボケるなど)に写るという
点を参考までに。もっとも今は、PC環境とサーバー容量の都合でDV 変換モノが精一杯だが…。
画質評価は、ソニー液晶テレビKL-L26HG2とHDトリニトロン搭載カラーモニターKX-32HV50を
コンポーネントで、ソニー液晶プロジェクション テレビKDF-50HD900をi Linkで接続して行った。
評価の確度が上がるよう、一部はソニー液晶ハイビジョン テレビKDL-L26RX2でも見ている。
もちろん、何れの機種も情報を最大限に引き出すべく、モニターライクな設定を行っている。
また、ビクターGR-HD1で撮影された720pのテープは、ソニーHDR-FX1でも再生&一時停止は
出来る。その際1080iにて出力されるようだが、1280×768画素のディスプレイでは、リサイズで
元の画像サイズがキレイに復元されるらしく、変換に拠るダメージは感じないので、FX1再生で
評価した。 |