Movie Review 2001
◇Movie Index

スコア('01アメリカ)-Sep 26.2001
[STORY]
ニック(ロバート・デ・ニーロ)は金庫破りのプロだったが、そろそろ引退を考えていた。そんな時、ブローカーのマックス(マーロン・ブランド)が大きなヤマを持ちかけてくる。自分が住む町での仕事はしない主義のニックは一旦は断るものの、マックスと話を持ちかけてきた若者ジャック(エドワード・ノートン)に説得され、ニックは引き受けることにしたが・・・。
監督フランク・オズ(『IN&OUT』
−◇−◇−◇−
ノートン先生にはできうる限り一生ついていくと決めてるので(笑)もちろんこの映画も見ました。でも今回はノートン先生ではなく、ニックという役(デ・ニーロ本人にではない<ココ重要)に萌え萌え。頭が良く、冷静かつ大胆で、年輪を重ねた風格があるかと思えば、恋人と言い争って落ち込んだり彼女のために料理を作ったり、とモテ要素いっぱい。でもそれがデ・ニーロにピッタリの役なのかと言うとそうでもない。プロの泥棒ならば、もっと身体は絞らないと。ていうか、一時期の過剰なまでの役作りはもうしないんですかね。最近は“その時のオレ”のままで出てませんか?どんなにがんばってもオスカー取れないからやる気なくした?(あ、言っちゃった)まぁ安定感はあるけどね。

逆に不安定でこちらに緊張感を強いるのがブランドなのだ。この人もう歩き方もヤバいし、セリフを言う時の息が荒くて苦しそうなの。なんか心配になっちゃって、彼が出るシーンは集中できなかった。
そして我らがノートン先生ですが“クソ生意気な若造”をとても楽しそうに演じていました。大物と組んでも気負いがなくて、ちゃんとうまく距離を計れる人だなぁと改めて関心したりして。ただ役が役だったからなぁ(クソ生意気な人はキライなの)それだけ上手いってことなんだろうけど(結局褒める)

ストーリーも意外にも面白くて(メンツだけ揃えたストーリーないがしろ映画だと思ってたからさ)始まってすぐにニックが金庫破りをするシーンで引き込まれ、中だるみはあったものの、大きなヤマに取り掛かるあたりからはこっちがドキドキしっぱなしだった。なんか『ルパン三世』ぽい!って思うところもあったり(笑)車を運転するシーンなどで流れる音楽も好みでした。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

コレリ大尉のマンドリン('01アメリカ)-Sep 23.2001
[STORY]
1940年ギリシア・ケファロニア島。静かなこの島にも戦争の足音が近づきつつあった。島の男たちは イタリア軍と戦うためにアルバニアへ出兵することになり、医者の娘ペラギア(ペネロペ・クルス)は 恋人のマンドラス(クリスチャン・ベール)と婚約し、彼は出兵するが傷ついて戻ってくる。
1941年、ギリシアは降伏しイタリアとドイツ軍が島を占領し、ペラギアの家にイタリア軍の コレリ大尉(ニコラス・ケイジ)が宿泊することになった。ペラギアは彼が奏でるマンドリンに 心を打たれ、彼自身にも惹かれていくが・・・。
監督ジョン・マッデン(『恋に落ちたシェイクスピア』
−◇−◇−◇−
原作は同名のベストセラー小説。もちろん読んでません(笑)ケイジと監督目当てで見たので。

大戦から大地震までと、かなりの年数を経た物語なので、原作を読んでなくてもこれは随分端折ってるんだろうな、というのがよく分かる話だったけど、ポイントポイントはしっかり押さえてあって、ストーリーはうまく纏まってると思った。ただそのかわり、登場人物たちの性格や感情があっさり流されてて引っかかった。特にペラギアとコレリが恋に落ちるまでの過程と、コレリの部下カルロが、コレリを絶対に守ると決意した過程。「ひょっとして私の知らないところで何かあった?」と思わず聞きたくなったぞ(笑)

前作もそうだったけど、歌うシーンや踊るシーンはその楽しさが伝わってきて、こちらまで楽しい気分にさせられる。こういうシーンの演出が得意なんだろう。そんでもって戦争中の話とはいえ恋愛メインのストーリーだから油断してたけど、戦闘シーンが思いのほかリアルで驚いた。見てる最中にテロ事件のことをはっきり思うことはなかったけれど、見たあとでいつも以上に動揺して凹んでしまった。こんな時はロマンチック☆なシーンだけ見たいもんだなぁ(泣)

上に書いた通り登場人物たちの描写がいまいちだったので、キャストに関してもあまり残るところがない。でも最初から最後まで出ていたせいか、この中ではペネロペ・クルスと彼女の父親を演じたジョン・ハートが印象深い。ペネロペはあまり演技うまいとは思わないんだけど、可愛くて華がある人だから見ていて飽きないし、ハートは出てるだけで存在感あったし。トップクレジットはケイジだけど、主人公はこの父娘だったかもしれない。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ブリジット・ジョーンズの日記('01イギリス)-Sep 22.2001
[STORY]
出版社に勤めるブリジット・ジョーンズ(レニー・ゼルウィガー)は32歳の独身。両親や親戚は彼女を心配してかバツイチで堅物の弁護士マーク・ダーシー(コリン・ファース)を紹介するがお互い良い印象は持たなかった。そんなある時、ブリジットは会社の上司ダニエル・クリーヴァー(ヒュー・グラント)と社内メールを交わすうち、親密な関係へ発展していく。
監督シャロン・マグワイア(ドキュメンタリーやCM制作を経て初監督)
−◇−◇−◇−
原作はヘレン・フィールディングの同名小説(私の感想はこちら)今回彼女は製作総指揮と脚色も担当している。

原作が好きだったので、映画化に関しては楽しみ半分、不安半分だったんだけど(たいてい原作をぶっ壊してくれるからさ)自分の持っていたイメージを壊されることなく、素直に楽しむことができた。でも原作の持つイタさ(ブリジットの持つイタさかな)がずいぶん削られてしまっていて、非常にお洒落でロマンチックな作品に仕上がっていると思った。個人的にはブリジットの母親が巻き込まれる事件のエピソードは入れて欲しかったね。これを入れても2時間ちょうどくらいに纏まったんじゃないかな。でもラストは原作より好きだ(笑)思いっきりやってくれてる。

てなわけでレニー・ゼルウィガーはスゴイ!公開前から6キロ増やしただの出版社で働いてみただのと役作りの噂は聞いてたけど、そのがんばりがストレートに出てるので見ていて気持ちがいいくらい。ただちょっと若くて可愛すぎるかな。もっとオバサン入ってないと、この物語の説得力は薄れてしまうんだなと思った。ただ彼女自身の魅力が大きいので、十分面白く引き込まれてしまった。

“寝取られ王”(←私が勝手に命名)の異名を取るコリン・ファースは、今回もやっぱりある意味(笑)寝取られ役ではありましたが、最近私が見た中では一番いい役だった。原作を読むと、彼がなぜこの役にキャスティングされたか分かるんだけど、逆にマークは元々彼を想定して書かれた登場人物だったかもしれない。

原作と比べちゃいけないと思いつつ、ついつい比べて見てしまったなと、この感想を書きながら反省(まぁしょうがないよね)
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ウォーターボーイズ('01日本)-Sep 15.2001
[STORY]
鈴木(妻夫木聡)ただ1人が所属する男子校の水泳部に、美人の女教師・佐久間(眞鍋かをり)が就任し、いきなり部員が増える。しかし佐久間がシンクロをやりたいと言い出したことで部員たちは逃げ、鈴木を含む5人が取り残された。それでもシンクロの練習をしはめるが、佐久間は妊娠が発覚して産休を取ってしまった。そこで5人はイルカの調教師(竹中直人)にシンクロを教わろうとする。
監督&脚本・矢口史靖(『アドレナリンドライブ』)
−◇−◇−◇−
今年の夏、女の子たちが『チアーズ!』なら、男の子たちはこの映画で爽やかな感動を与えてくれる!(なんてなー)

正直言って、5人が真剣にシンクロに取り組むまでのシーンの笑いドコロが寒くてどうしようかと思った(練習成果を先生に見せるシーンだけは別ね。ここは大笑い)それと眞鍋かをりや平山綾ら女の子の演技もヤバくて。予告で見たシンクロシーンが待ってるからそれまでがんばれ自分!と気持ちを奮い立たせたほど(←大袈裟)

この序盤、もう少しどうにかならなかったのかなぁ。取っ掛かりがもっと笑えれば文句なく大好きな映画になったのに。まぁそのへんも『チアーズ!』とカブるかも。カブるといえば、ストーリーの造りや主要登場人物たちの設定が『フル・モンティ』とカブってると思った。アレな人がいたり(自主規制)土壇場で主人公がやりたくないとゴネてみたり、裸だったり(そりゃそうだろ)

シンクロに取り組む28人は皆オーディションで選ばれ、練習のため合宿もしたそうだ。だからみんないい色に焼けている。泳げない金沢君が最初から真っ黒に日焼けしてたのもご愛敬(笑)彼らが演技を終えた時の顔、あれは演技ではなく本物だったね。だから素直に拍手を送ることができる。欲を言えば、映画のモデルとなった川越高校の、20分もあるという演技と同じくらいの長さを映画でもやってほしかったなぁ。もっと見たかった。演目が映画も高校のも一緒だったから、もしかしたらやってたかもしれないけどね。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

チアーズ!('00アメリカ)-Sep 5.2001
[STORY]
5年連続で優勝しているチアリーディングチームのリーダーとなったトーランス(キルスティン・ダンスト)は、今年も優勝めざして頑張っていた。しかし転校生ミッシー(エリーザ・ヂュシュク)から、振り付けが他校からの盗作だと指摘されてしまう。急遽振り付けを変えて大会に出場するトーランスたちだったが・・・。
監督ペイトン・リード(短編やドキュメンタリーなど多数監督)
−◇−◇−◇−
元気いっぱいの青春映画。たまにはこういうのもいいよなぁ。嗚呼、若いってスバラシイ。でも、主役のトーランスが老け顔(というかサル顔?)で、はちきれんばかりの若さ!っつーのが半減してたような。彼女に恋するクリフ役のジェシー・ブラッドフォードは口歪んでるし(それは関係ないだろ)個人的にはミッシー役の子が美人で役柄的にもカッコ良かったが。

それはさておき、チアリーディングシーンは必見。日本人のもTVで見たことあるけど、やはり本場はレベルが違う。そもそもあの手の格好や掛け声があちらさん向きですからね。フォーメーションやアクロバットにいろんなバリエーションがあって、映画だということを忘れてしまうほど。『センターステージ』を見た時も思ったけど、こういうのを誤魔化しナシで見せてくれると、ドラマ部分が多少ヤバくてもまぁいいか。という気になる。『センターステージ』もドラマ部分がかなりイヤだったけど全体的には嫌いな作品ではないし、本作もむず痒くなるシーンがいっぱいあったが、それでも最後には爽快さだけが残ったし。

(ここからネタバレ)トーランスのチームが優勝できなかった、というのが、この作品をさらに爽やかにしている一因じゃないかな。それまでのシーンがお約束の連続だっただけに、「どうせ最後は優勝するんだからさ」って思ってたのだ。それが違ったから驚いたと同時に「うん、これでよし!」って素直に納得できた。(ここまで)

続編も見てみたくなったな。ライバルチームとの戦いをもう一度。今度はミッシーがチームのリーダーとなって頑張ってくれないか。
home