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平成18年8月5日の土曜日。
おはよう～♪
僕はもうすっかりオーナーの奥様が大好きになって、こっそり
昨夜、いや夜中の出来事を内緒で教えちゃったよ。
それがね、夜中に突然ドスン！って大きな音がしたんだ。
僕は「すわっ！地震かっ！」って、驚いて目が覚めたけれど、なんと、
その音の正体は、実はままがベッドから落ちた音だったんだ。
パパは「どうしたのっ！」って、ままは「うーんっ！なんだかベッドから
落ちたみたいねえー」ってひとごとのように言ったかと思うと、またすぐに
すーっすーっと寝息を立てて寝てしまった。
でも、ドスン！という音と共になんだかゴツン！っていう音も混じって
いたような・・・
ままは頭でも打ったんじゃあないのかなあ？
大丈夫なのかなあ？僕はしばらく眠ることができなかった。
ままは僕がそばについていないとダメなんだよ。

瞬く間にチェックアウトの時間がやってきた。
階下へ降りると、車椅子の乗ったおばあちゃんがいた。
あらーっ！可愛い～♪抱っこさせてーって、大人しいわねえって、
僕のことを椅子に乗ったまま抱っこしてくれた。
こちらのご家族も実はワンコいるけれど、もう年だからって、
親類に預けてきたらしい。
階下に泊まっていたお客様だ。
娘さん姉妹がお母さんを連れて避暑に来たんだね。
お姉さんとは朝のお散歩の時にあったんだよ。
なのに、パパは最初気が付かなかったらしい。
「女は分らない！お化粧するとまるで別人になっちゃうんだもの」
だってさ。
そういえば、お散歩の時にはスッピンだったものね。
確かにままも朝起きてきた時の顔って見られないものねえ。
（こらーっ！）

「あらっ！今日はトルコ桔梗ねっ！」
今日もテーブルには一輪のお花が飾られていた。
お花って、たとえ一輪でもこうして佇んでいると、癒しの効果をもたらす
ものなんだね。
白を基調に回りは紫で縁取られて、朝のすがすがしさが増したようだった。
今朝はいつも受け付けにいるお兄さんも二階まで上ってきて、僕と
遊んでくれた。
お兄さんはオーナーさんの息子さんなのかなあ？
だって、優しい所がご主人様や奥様にそっくりなんだもの。
慣れた手つきで僕を撫でてくれて、僕はにこにこしながら、お兄さんに
擦り寄った。
昨夜煙草を買いに行ってくださったのは、きっとお兄さんじゃないのかな？
ままはお礼を言ったのかなあ？

翌朝「おはよう～♪」と何事もなかったように起きたままは、昨夜の
出来事を果たして覚えているのだろうか？
お姉ちゃんが「ねえー、昨日地震がなかった？」ってパパに聞いている。
うん？なんでままに聞かないのかって？
それはね、ままは昔からどんなに大きな地震でも気付かずに寝ている
ことが多いからだよ。
パパは「それがねー・・・」って、僕が今奥様とお話している調子で、
お姉ちゃんにばらしてしまった。
ままはそれでも、平気で「そうなのよねえーなんだか頭を打ったような
気がするけれど、こぶはできていないし、変ねえー　でも、落ちたのは
確かねえー」なーんてうそぶいている。
お姉ちゃんは「もうー、地震かと思ったわよー　それで、まま頭は
本当に大丈夫なのー？」と呆れ顔だった。

そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪　ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？

「大変お世話になりました。とても楽しかったです。
お料理もおいしくて、何から何まで行き届いたお気遣いを
ありがとうございました。」
パパ達は感謝を込めて、お礼を言った。
「いえいえ、今度は一緒に是非飲みたいですねえ。」
奥様とままはすごく気が合うみたいだ。
「はっぴっぴ、また遊びに来てねえ～♪」
「うん勿論さっ！その時にはおば様また僕にいっぱいお話してね。
そうなのぉーそうなのぉーって、僕のお話をいっぱい聞いて
くれたこと、絶対忘れないよ！」
「ラピドホテル軽井沢ワンズ・ハート」さん、また会う日までごきげんよう～♪
素敵な思い出をたくさんありがとう～♪

僕達は、温かい気持ちを抱えて、次なる場所「アトリエ・あん・バザール」へと
向かった。

ままは一晩ぐっすり寝て、元気いっぱいだ。
でも、昨日は余程疲れていたんだね。
そうかあー　呑み疲れもあったのかな？
それでも、翌日はピンピンしているのだから、元々ままは丈夫なのかも
しれないね。
ともかくも、こぶはできていないし、夢うつつのできごとだったから、
打ち所も「ほわ～ん」だったのかもね。
低血圧のわりには朝から元気なままは今日のショッピングにきっと
燃えているのに違いない！
しかし、人騒がせなままだよねえ。

「今日はお弁当風にしてみました。」
うわ～♪本当だ！
飲みすぎの翌朝は、こういうのが一番だね！ってみんな嬉しがった。