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「うわあー、いいんですか？申し訳ございません。」
ままは申し訳なさそうにお礼を言ったが、内心とても嬉しかった。
日中はそんなに煙草を吸うこともないのだが、お酒が入ると
途端に本数が増えるんだよね。
身体に良くないと分っているけれど、アルコール＝煙草の
図式は変えられそうにない。
今年に入って煙草が値上がりしたせいもあるだろうが、喫煙者の
パーセンテージも少なくなったとのこと。
でも、パパもままも止める気はなさそうだ。
「煙草は心の日曜日」という言葉が大好きなんだよね。
ストレスがたまって病気になるよりはいい！
そういう考えはビクともしないようだ。
そんなに害があるものなら、政府が規制して、売らなきゃ
いいんだって、いつもままは言っている。

地蔵温泉の旅館に着くと「ああー、昨日の・・・」と番頭さんが覚えて
いてくれて、「もう場所は分りますよね、ごゆっくりどうぞ～♪」とにこやかに
接してくれたそうだ。
そうさ、僕はお留守番だからね。
今からのお話はお姉ちゃんから聞いたお話だよ。
えっ？ままから聞かなかったのかって？
(；＾□＾)あはは…　そうなんだよ。
ままは、このお風呂でねえー
とんでもないドジをやっちゃったものだからね、恥ずかしくて
話せなかったんだね、きっと。

それがね、昨日と違って、湯船には一人しか入っていなかったそうだよ。
ゆっくりできていいわ～とままはのんびりと身体を洗って、髪の毛を
シャンプーした。

帰りは運動茶屋公園「道の駅」に寄った。
売店コーナーの他、軽食コーナー、日本ロマンチック街道資料館や、
高山植物資料館、ベルツ記念館等があった。
でもね、お土産を買うだけで、これらの資料館へは行く暇がなかったんだ。
日本ロマンチック街道資料館の中には、昔、軽井沢と草津を結んでいた
草軽電鉄の模型があるそうだし、なかなか面白そうだったのにね。
草津温泉で時間を使ったし、仕方ないな。
次回にお預けだ。

なんだかんだって、それでもホテルへの帰宅時間が遅くなってしまった。
夕食に間に合うだろうか。
しかし、オーナーさんは「夕食の時間はお風呂に入られたからで
結構ですよ。」と融通を利かせてくださった。
急げイソゲッ！ホテルに着いてすぐに、また昨日入った地蔵温泉へと、
向かった。
草津温泉ではゴシゴシできなかったからね。
普通の石鹸は使うことができないんだ。
もっとも、ままはそれこそ、お湯をかけるだけでせいいっぱいだったしね。
草津温泉のお湯の温度って、どれくらいあったのかなあ？

ふぅー、お腹いっぱいになってきたね。
ペペロンチーノが出てきた時には、もうままはお手上げだった。
最後のデザートに出てくるであろうクリームチーズが頭に浮かび、これは
パスだわ！と勿体なくもお残しだった。
でも、いつの間にかなくなっていたから、パパがきっと食べて
くれたのかなあ。
こうして、いつもままは残すから、パパが太るんじゃないの？
ままは、パパにいつもこんなはずじゃあなかった、契約違反だって
言っているけれど、太っちょになったのはきっとままのせいじゃあないの？
パパは結婚当初は63キロしかなかったんでしょう？
まあ、そういうままも41キロしかなかったんだからさ。
(；＾□＾)あはは…オアイコだね。

デザートはね、ままはしっかり頂いたよ。
ほらね。
ありゃりゃ、これはまたまた写真を撮るのを忘れた証拠だね。
あまりにもおいしくて、ついつい撮るのを忘れてしまったね。
影も形もない。
いや、少しだけあるね。(笑)

いやあー、みんな心地よくお酒を飲んで、僕も一緒になって騒いで、
とても楽しかったな。
みんなが騒いでいる間、奥様は僕のことを、色々お世話してくださった。
ドッグランで一緒に遊んでくれたし、僕が粗相した時も、ままに
いいです、いいです、食事の途中ですから、私がやりますからって、
面倒を見てくださったしね。
本当に僕は嬉しかった。

ままは、急いで身体を流し、浴槽に浸かろうとした。
そうしたら、なんと慌てたものだから、まだ泡が少し付いていたらしい。
「あらっ！そこっ！」とそのオバサンはままを見て笑いながら指差した。
あらーっ！すみません！もう、慌て者だもので・・・」
ままは恥ずかしげに再度お湯をかけて、きれいにした。
そうして、湯船に入り、お話の輪に加わることにした。
そのオバサンは確か64歳とか言っていたけれど、とても若々しかった。
読売カルチャーセンターで編み物教室の講師をしているそうだ。
他にも市川市の公民館等でも何箇所か教えているらしい。
そのバザールの出展者はそのオバサンのお友達で、やはり皆さん
先生をしている方達ばかりらしい。
「ええ、是非寄らせていただきます。」
とままとお姉ちゃんはすぐにお返事をした。
「そうですか。お待ちしております。案内の葉書がロビーに置いて
ありますので、お持ち帰りくださいね。」

しかし、すました顔で「失礼しま～す♪」と言った後にこんなドジを
やらかすんだからねえ。
僕はもう大笑いだったよ。
まあ、いつものままではあるけれどね。

「ただいまあ～遅くなりましたー！」
「いえいえ、大丈夫ですよ～♪おかえりなさ～い♪」
いつもにこやかで優しい対応にはほーっとした。
僕はちゃんとお留守番していたかって？
うん、ちゃんとお出かけバッグの中で寝ていたよ。

今日はいっぱい遊んだし、お腹が空いたねえ。
さてさて、二日目の夕食の時間だよ。
楽しみだねえ。
僕は、食べられないけどね、見るだけだけどね。
それでも、興味津々だった。

夏野菜のマリーネはお姉ちゃん用に特性メニュー。
お姉ちゃん、良かったねえ。
新鮮なお野菜のマリーネはとってもおいしそうだねえ。
トマトが真っ赤で食べ頃。
お姉ちゃんはわ～い！と思わず口を押さえて喜んだ。
サーモンのマリーネは粒胡椒が効いていて、ピリリと舌を刺激。
程よく浸かった酸味も食欲をそそったようだ。
次はタブーレサラダだ。
このメニューはフランス料理だね。
でも、元々は中近東のお料理なんだってね。
でも、今ではフランスでは定番のお惣菜なんだそうだよ。
多分これにはクスクスという粉状のパスタを使っているんだろうな。
あっさりとした夏向きのサラダだね。
次は本来ならばスープだけれど、昨夜と同じく呑み助家族に
機転を利かし、奥様は順番を変えてくださって、スープはもっと後で
登場だ。

そして、その代わりになんと特別番外編の野沢菜の登場だった。
これじゃあー、日本酒がいいねえ。
日本酒党のパパは大喜びだ。
嬉しいね。
特別メニューが出てくるなんて～～♪
勿論、ままもビール党だけれど、野沢菜は大好き！
生ビールのおかわりに余念がなかった。
そして・・・
アッ！煙草が切れたっ！
どうしよう？
ままは、早速奥様に買い置きがあるかどうか尋ねてみた。
煙草はなんでしたっけ？
マイルドセブンライト８ですけど・・・
置いてないんですよね。でも、買って来てもらいますよ!
と、すばやく内線で階下に連絡をしてくださった。

ただね、喫煙者のこれだけはやってはいけないというルールは
守るようにしているよ。
だから、歩きながら吸うとか、喫煙場所以外で吸っている人を
見ると、どうして？と悲しくなってしまう。
ルールはルールだよね。
そうして、守らない人がいるから、いけないんだと僕は思うよ。
愛煙家の印象が悪くなるでしょう？

パパ達の酒宴はいつも長いんだよね。
僕は、さっさと夕飯を食べて、お腹いっぱいになったところで、急に
眠気がしてきた。
昼間、たくさん遊んだからね。
小さい僕の身体は眠いよーと訴えていた。
だから、僕は素直にお出かけバッグの中で一眠りしたよ。
小休止だ。

でも、ほとんど仮眠状態んだけどね。
うっすら目を開けて見ると・・・
次には、金目鯛の豆鼓蒸しが出た。
豆鼓蒸しかあ。
お酒と醤油がたっぷりだねえ。
少しだけ塩気があって、白髪葱にｼジュワーとごま油がかかっていて、
風味もいいようだね。
だって、僕の鼻が動いたものね。
金目鯛はみんな大好きだ。
でもね、豆鼓蒸しでは食べたことがなかったから、パパ達は
金目鯛もこうして食べるとまた違った味わいでいいねえー、と
しきりに首を縦に振っていた。
そして、出番を待っていたパンプキンスープがやってきた。
うーん。おいしいねえ。
なんとクリーミィーなんだろう。
生クリームがとろりとかかっていて、おいしいねえー

大体、動作がのろいからね、宇実お姉ちゃんの方が先に湯船に
浸かったんだ。
お姉ちゃんから話しかけたのか、その湯船につかっているオバサンから
なのかは、忘れたけれど、「今日は、良いお天気で良かったですねえ。
今日はどこかお出かけでしたか？」とか「どちらからいらしたんですか？」
等々お話がはずんでいた。
「千葉の流山からなんですよ。」
「あらーっ！私は市川からなんですよー！」とそのオバサンは
びっくりして、そして、とても喜んだそうだ。
「実は・・・私は毎年こちらへ来ておりましてね。浅間牧場とは反対の方に
折れてすぐの所なんですが、お友達の別荘を借りて、手作りバザールを
やっているんですよ。よろしかったら、どうぞ、明日いらしてくださいねえ。」
お姉ちゃんとそのオバサンとの話がはずんでいるので、ままは
気が気ではない。
な～に？手作りバザール？

明日は、毎年行っている軽井沢駅前の軽井沢プリンスショッピング
プラザと、旧軽銀座通りを練り歩く予定だったけど、要するに
ショッピングデーということだから、楽しみがまた一つ増えたというわけさ。

うーん、だんだんのぼせてきた。
ままとお姉ちゃんは「では、明日楽しみにしておりま～す♪
お先に失礼いたしま～す♪」とお辞儀をして浴槽を出ようとした。
ところが、ままはここで大失敗！
なんと、浴槽を跨いだ先にはなんと、ちょう風呂桶があって、ままの右足は
その風呂桶にすっぽり入り込んだではないか。
おおーっ！ままは思わず声を上げそうになったけれど、グッと我慢。
今、見られちゃったかなー？どうかなあー？と思いながら、又もや
「では、お先に～♪」となんでもなかったように更衣室へと逃げ去った。
ところがところが・・・その後のお話は後でね。

そして、いよいよメインデッシュの出番だよ。
パパにはサーロインステーグリーンペッパーソース、ままとお姉ちゃんには、
舌平目のワイン蒸しだ。
パパはもうご機嫌だ。
大体いつも香辛料はたっぷりだからね。
グリーンペッパーソースは気に入ったようだ。
舌平目だなんて、なんと高級なんでしょう。
お魚好きのままは大喜びだ。
大体、先程出た金目鯛にしても高級魚だ。
ワイン蒸しの舌平目は柔らかな舌触りで、ソースもミルクたっぷり、
クリーミィーで、香草もたっぷりだねえ。
ままとお姉ちゃんは目を細めてもぐもぐだ。

そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪　ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？

夏野菜のマリネ又はサーモンのマリネ
タブーレサラダ
パンプキンのスープ
金目鯛の豆鼓蒸し
舌平目のワイン蒸し又は
サーロインステーキグリーンペッパーソース
ペペロンチーノ
クリームチーズケーキ
コーヒー又は紅茶

おば様どうもありがとうございました。
僕は今でも時々その時のことを思い出すんだ。
これは思い出し日記だからね。
ままは一ヶ月以上も前のことを書いているわけだ。
だから、記憶がちょつと薄れている部分もあるけれど、そこは
勘弁してね。
あっ！思い出したことがあるよ。
ままはね、ずーずーしくも、酔ったついでに、ホテルのパソコンを
お借りしたのだった。
もうすぐ４００００ヒットだからって、ままはカウンターの数字が
気になったらしい。
奥様は快く引き受けてくださった。
何から何まで随分とお世話になった。
あーあ、明日でもうお別れなんだね・・・