犠牲者がたくさん出てね、民間人の医者と、警察官2名が死亡、
そして、多くの重軽傷者が出たんだ。
とても怖い事件だったんだよ。
テレビで実況中継していてね、国民の10人に9人はテレビに
釘付けだった・・・
犯人のお母さんの呼びかけもあったけれど、全然無視だった。
そして後で分ったことだけれど、仲間同士でもリンチが行われていて、
仲間内で殺し合いが行われていたんだ。
歴史に残る悲しい事件だった・・・
そうそう、それにね、その当時は警官が銃を使用することにすごく
抵抗があってね、最初はクレーン車を使用して、ビルの
解体工事に使う鉄球で山荘の壁を破壊して、それから
突入だったんだよ。
大変な事件だった・・・」
パパと今回帰省した宇実お姉ちゃんは早速乗って試してみたのに、ままは
まだ一度もやっているのを見たことがない。
どうやら買っただけで、やった気分になっているようだ。
というのはパパの受け売りだけれどね。
まま曰くその暇がないそうだ。
だってね、注意書きに色んなことが書かれていたからなんだ。
その中で
①疲労が激しい時
②酒に酔っているとき
③食前、食後の1時間は使用しない
この三点がどうも気になっているらしい。
そんなこと言っていたら、やる時ないわよーって、叫んでいた。
わ~い!ほらほらーっ!ままが大好きなコスモスのお花ももう
咲いているよ。
夏の象徴の向日葵さんと秋の象徴のコスモスさんが
同居していた。
これも軽井沢ならではだねえ。
今日はそれにしても良いお天気だねえ。
空気もとってもおいしいねえ。
この辺りは保安林になっているんだね。
大きくて立派な木がたくさんだ。
いつの間にか森林浴だった。
僕達は気持ちのよいこの道をゆっくりと歩きながら、長いお散歩を
楽しんだ。
でもね、それからは学生も「ノンポリ」といって、政治に全く無関心な
学生が増えて、そういう学生運動はピタリと治まったんだよ。
政治に無関心というのが気になるけどね。」
パパは浅間山荘に関する事件の内容を詳しく教えてくれた。
そうかあ・・・
どうしてそんなに怖いことができるんだろう。
僕はシュンとしてしまった。
そういう暗いお話をした後、これは何というお花なのかなあ?
分らないけれど、形は向日葵に似たパーッと明るい真っ赤な色の
お花畑が僕の眼の前にいきなり広がった。
ああー、救われた!
暗いお話は僕はゴメンだよ。
でもね、こういうお話も知っておく必要があるんだよね。
今が幸せだからって、今があるのは過去があるから。
今があって、未来に繋がるんだよね。
なーんちゃってね。
(;^□^)あはは… この道は哲学の道かな?
知らないお花がたくさん道端には咲いていた。
僕が住んでいる所では見かけられないお花さんばかりだね。
だんだん気分が良くなってきた。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない?厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ?
ひょいっ!大丈夫だった、良かったあ~♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん?そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ!ハッピちゃん、可愛い~♪ ハッピーポッターだあー!♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん?僕って今注目されてるの?
しばらく行くと、パパとままが「あーっ!」と驚きの声をあげた。
なんなの?いったい!
ねえねえ、これってあの浅間山荘なの?
ままはパパに尋ねている。
そうだよ、きっと!
ねえねえ、浅間山荘ってナニナニ?
僕はままと同じ口調でパパに聞いた。
「それはね、宇実お姉ちゃんが生れる約1ヶ月前の出来事でね、
ハッピーには難しいと思うけれど、連合赤軍といってね、過激な5人の
学生の集団が、この浅間山荘に乱入して、管理人を人質にしたんだ。
219時間も立てこもり、銃撃戦の末、やっと管理人を救うことが
できたんだよ。
平成18年4月16日の日曜日
平成18年4月3日の月曜日
のどが渇いたね。
しまったぁーっ!
お茶を忘れてしまったわー!
ままが慌てた。
何故か忘れ物が多いのがままの欠点だ。
でもね、ままは決まってすぐこう言い訳をするんだ。
覚えることが多い人は忘れなくてはいけないのよ。
だって、容量は決まっているんだもの!
だってさ。
じゃあ、容量を大きくしたらいいと僕は思うんだけどな。
ねっ、そうだよね。
えっ、それはもっと大変なことなの?
そうなのかあー
じゃあ、どうすればいいの?
まあ、あまり気にしないことよ。(ままの声)
さあ~、出発だ~♪
お散歩にしては、ちょっと道程は遠そうだけれど、僕はへっちゃらさ。
だって、パパと毎日たくさんお散歩しているからね。
行き道にはあちらこちらに別荘が散在していた。
木陰では僕はほとんど歩いたよ。
まっすぐ行ってぶつかったところで、左に折れるんだ。
それまではずーっと木陰だった。
日向になってからは、パパが僕の足を心配してくれて、背に
しょってくれていたお出かけバッグにひょいと乗せてくれた。
アスファルトって、どうしても熱くなっちゃうんだよね。
パパ、ありがとう♪
パパはいつもより、歩くスピードが速い。
後で聞いたお話だけれど、実はパパは今流行の健康機具の
[RODIOKING]に夢中になっていて、その効果があったのか、
全然息切れがしなかったそうだ。
でもね、他のモノでじゃあ注意書きを守っているかっていうと、
全然気になんかしていない。
例えばゲームやパソコンは時間に関係なくずーっとやってたり
しているからね。
要するに、ままは運動が苦手なんだよね。
ちょっと怖いのかなあー?
僕でさえ、平気なのにね。
うん?どういうことかって?
僕はね、パパに抱っこされて、実はいつも乗っているんだ。
あれってねえ、すごく気持ちがいいんだよ。
ゆりかごって知らないけれど、多分それと同じような揺れ具合だと
思うけどな。
ままもやってみればいいのにね。
そうしたら、お腹が少しへっこむかもねえ。