僕は一度怒られてからはしばらくはお姉ちゃんのお隣の
お椅子に座って、パパ達が食べるのをじーっと見ていた。
うーん、おいしそうだな~♪
楽しそうだな~♪
僕はワンコだから、パパ達の食べ物は食べさせてくれない。
そのことは十分に分っているつもりだけれど、今日はなんだか
気になった。
今日は特別の日だから、ひょっとして食べさせてくれるかも
しれないなという淡い希望もむなしく、やっぱり期待はずれだった
けれど、でもいいんだあー
その代わり、デザートがいつもの量より多かったんだも~ん♪
やっぱり、今日って特別な日だったよ。
客室があって、ドッグランがあって、そしてその奥が多目的ホールに
なっていて・・・そこで、今日はお食事だったけれど、ドッグランと客室の
間のドアーをままは急いで閉めた。
ごめんなさい・・・僕は少しはしゃぎすぎたようです。
調子に乗っちゃって、ごめんなさい・・・もう二度としないよ。
余計なハプニングを作っちゃって、せっかくのパパ達のお食事が
ストップされちゃったね。
先ずは、本日のメニューを紹介するねえ。
宴たけなわでパパ達はご機嫌だった。
途中で何度か奥様がいらして、 「はっぴっぴ、お利口さんにして
るのねえ。」と奥様が何度も僕のことを撫でてくれた。
最初に僕はまず謝った。
「うん、僕あれからは大丈夫だったよ。もう二度と下の階には
行きませんから・・・さっきは、ごめんなさい。」
奥様はとても気さくな方で、お姉ちゃん曰く「奥様というよりも
優しいお姉さんという感じね。」って、言っていた。
僕は奥様とお話していて、分ったよ。
奥様ってね、実は犬の気持ちが誰よりも分るのではないか」ってね。
だってね、パパ達がお酒を飲んでお話に夢中になっている時に、
「はっぴっぴ、ドッグランに行こうかあー」って、奥様が誘ってくれたんだ。
勿論、尾っぽをフリフリ、奥様の後に続いたよ。
そして、一緒に歩きながら奥様は僕の目のことをすごく気遣って
くださった。
ずーっと奥様のそばを離れることもなく、まるでリードをしている時の
ように左側にいて、歩を合わせ・・・
そうさ、二人三脚でもできそうなくらいに、一緒にドッグランをグルグルと
周ったんだ。
実は、僕の左目が失明していることは、奥様にはさっきままが
お話したのだけれどね。
奥様は僕とお話ししながら思った事を、旅行から帰った後のメールに
こんな風に書いてくださった。
それは長くて温かい文章で溢れていた。
イタリア料理&フランス料理&和風料理と勢揃いだ。
こんなにおいしいお料理が次から次と出てくるフルコースでは、
パパ達が夢中になるのも無理ないな。
夏野菜のチーズ焼きは表面はパリッとしていて、中はとろりとした
チーズが夏野菜にフィットしていて、グラタンが大好きな家族だからね、
もうそのおいしさに大喜びだった。
ちなみにお姉ちゃん曰く「おふくろの味」はまま特製のグラタン
なんだってー
それほどグラタンは大好きなんだ。
ミネストロースは、、本来だったら、チーズ焼きの次に運ばれる
はずだったけれど、みんな今日は飲んでいたからね、後にしましょうか?
と順番を変えて運ばれてきたのだった。
お腹の具合はどうかなと様子を見ながら、頃良い時にという、そういう
細かな気配りにパパ達は感心した。
ミネストロース
夏野菜のチーズ焼き
ミネストロース
高原野菜のサラダ
貝柱のクリーム煮
紅鱒の山椒味噌焼き
又はサーロインステーキ
ライス
ゆばのティラミス
コーヒー又は紅茶
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない?厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ?
ひょいっ!大丈夫だった、良かったあ~♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん?そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ!ハッピちゃん、可愛い~♪ ハッピーポッターだあー!♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん?僕って今注目されてるの?
高原野菜は新鮮で宇実お姉ちゃんはおいしい~♪おいしい~♪って、
パクパク~~♪
なんてったって、今じゃあイッパシのヴェジタリアンだからね。
お野菜が苦手なままもおや?食べてるね。
次は貝柱のクリーム煮だ。
これはどちらかというとフランス料理風だ。
クリームがミソなんだってー
そして、メインディッシュは・・・・
パパはサーロインステーキ、ままとお姉ちゃんは紅鱒の山椒味噌焼きだ。
こってりと山椒味噌がかかっていて、なんとも風味がよく、僕の鼻を
刺激した。
おいしそうだねえ。
パパはお肉が大好きだからね、ままはお魚が大好きだからね。
お姉ちゃんはどちらも同じ位大好きだけれど、今は蛋白質を摂る時には、
お魚の方にしている。
平成18年4月16日の日曜日
平成18年4月3日の月曜日
「・・・・・神様は飼い主を選んでハッピーちゃんをやしのみ家に授けたの
でしょう ね。
つらい思いをした事等微塵にも感じさせないで元気一杯可愛い愛想
をふりまいて、健気にいるはっぴっぴを見ていてそう思いました。
本当 に幸せですね。
ハッピーちゃんの不思議がありました。
皆さんお帰りの後もずっと思っていたのですが、「エヘッ」と笑いながら
目を合わせているとお話して いるみたいなのです。
機能的には見えていなくても実は何もかも見えて いるよ!って、
何でも知っているよ!って話しかけているように思いま した。
これはやしのみファミリーの愛情が作り出したものでしょうね。・・・・・」
なんて嬉しい言葉なんだろう!
僕はままにメールを読んでもらいながら、感激した。
なんだか泪がじわーっと沁みてきて、そうだよ、失明した左目からも
ポトンと泪が出てきたんだ・・・
紅鱒の山椒味噌焼き
サーロインステーキ
貝柱のクリーム煮
夏野菜のチーズ焼き
高原野菜のサラダ
ゆばのティラミス