そうねえ、からすの行水ねえ。
小鳥が水浴びする姿って、ハッピーは見たことがないものね。
あのね、小鳥が水浴びをする時ってね、せかせかしているのよね。
水につかったと思うと、ばしゃばしゃと羽ばたいてすいっと
飛び立つのよ。
それと同じように、入ったと思ったらすぐ浴室から出てしまうことを
「からすの水浴び」とか「からすの行水」とかって、昔からよく
言われているのよ。
そうなのかあー なっとく・・・
車で2・3分の所にその旅館はあったそうだ。
ここからはままの受け売りだよ。
昔ながらの旅館という感じで、ちょうど番頭さんらしき人が庭に打ち水を
していて、「はいどうぞ、こちらですよ」と案内してくれた。
女風呂と男風呂は日替わりらしい。
温泉ってやっぱりいいわねえ。
でも、ままとお姉ちゃんはどちらもノボセ性だからね。
あまり長くは入ることが出来ないんだよね。
ままはままのお父さんにいつもまるで、からすの行水だねって、
からかわれていたんだって。
なんでからすの行水って言うの?
まま、教えてー!
ままがね、このことはいつも反省の意味をこめて、口走っている
ことなんだ。
アッ!いけない!口走るなんて言うと、やっぱり悪口に
聞こえるかなあ?(^w^) ぶぶぶ・・
このホテルはままが勤めている会社で借りている貸別荘から、
15分くらい奥まった所に位置していた。
こんなに近かったんだねって、みんなびっくりさ。
だって、地図でこの辺りだねえって思ってた所よりは遥かに
手前だったからね。
森の中だからねえ。
迷わなくて良かったね。
そして、ついに・・・
普段は、自分のお家だと決して自分勝手に昇り降りしない
階段を降りてしまった。
ハッピーどこ?
みんながおいしいお料理に舌鼓の間、僕はそーっと探検を
したくなったのだ。
ごめんね、だってね、下はどうなのかなあって、すごく
気になったんだ。
ドッグランにいるとばかり思ったパパ達は慌てて、僕を探しに来た。
階段を勝手に降りるなんて、思いもよらず、大胆な僕に
知らない一面を見たような、そんな目をままはしていた。
僕は怒られた。
怒られたことなんて、今まで一度もないのに・・・
ごめんね、まま。
僕はそれほど、このホテルが気に入ったのかもしれない。
このホテルは一階は一般客で、二階がワンコと泊まれる客室
だった。
広い階段を上り、角部屋がお姉ちゃんのお部屋だ。
お姉ちゃんは禁煙のお部屋を要望したし、パパとままは
勿論喫煙可のお部屋だ。
オーナーの奥様は、とても面白い。
どんどん吸っても構いませんよ~♪だってー
私も吸いますし~♪だってー
そして、こうも言った。
今日は貸切ですよー
おおーぅ!なんということだ!
他の日は満室だというのに、今日に限ってこんなことって
あるのおー!?
北軽井沢の『ラピドホテル軽井沢ワンズ・ハート』へは3時にチェックイン
の連絡をしていたけれど、ちょっと遅れそうだ。
ままは迷惑をかけるといけないので、今は○○まで来ております。
少し遅くなりますので、すみませんと車に乗るなり電話をした。
いいえ、大丈夫ですよ。ご丁寧にどうも・・・ごゆっくりどうぞという
お返事が返ってきた。
とても感じがいいわあー
良かったわねえ~♪とご機嫌だ。
ここからだと白糸の滝方面に出る有料道路の方が早いよね、とパパは
そちらのコースを選ぶことにした。
正解だった。
1時間はかかるかなあと思ったけれど、なんと半分の30分で
着く事ができた。
ラッキー~♪
みんな大喜びだった。
まずは、僕は二階に設けられている広い人工芝が敷かれている
ドッグランで遊ぶことにした。
うーん、なんて気持ちいいのおー
僕はいきなり走り出した。
人工芝の感触も僕にとっては良かった。
しばらくここで遊んだ後、パパ達は近くの温泉旅館に向かった。
僕はね、仕方ないよね、お留守番だった。
お利口さんに待っていなければ!
僕はちょっとばかし心細かったけれど、頑張ったよ。
なんで、温泉旅館なのかって?
それはね、温泉の入浴券をホテルから頂いたからだよ。
ホテルにも勿論お風呂はあるけれどね、温泉に入れるなんて、
魅力的だよね。
ホテルの前に着いても、荷物がいっぱいだから、卸すだけでも大変だ。
ままは先にチェックインしなければと玄関の方へ行こうとしたら、
オーナーの奥様がいち早く見つけてくださった。
「いらっしゃいませ~♪お疲れ様でしたあ~」って、
とてもにこやかな笑顔なんだもの、僕は吸い込まれそうだった。
「お世話になりま~す♪」
ままもにこっとご挨拶。
僕も、勿論にこっとね。
いつも思うけど、やしのみ家はどこへ行くにもいつもすごい荷物だよねえ。
まあ、僕の荷物もあるわけだから、あまり大きな声では言えないけどさ。
その割には、あっ、あれも忘れた、これも忘れたってことが多いんだよね。
あっ、これは僕が悪口を言っている訳ではないよ。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない?厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ?
ひょいっ!大丈夫だった、良かったあ~♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん?そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ!ハッピちゃん、可愛い~♪ ハッピーポッターだあー!♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん?僕って今注目されてるの?
今日から二泊三日でお世話になる、こちら
『ラピドホテル軽井沢ワンズ・ハート』はネットでままが
見つけ、その後パパとお姉ちゃんに相談して決めたのだった。
二日連続となるとなかなかなくて、ままは探すのに1日がかりだった。
アンケートのお客様の満足度もしっかりチェック!
5点満点に近くて空室のホテルを探すのは大変だったようだ。
たまたま、他の日は全部満室なのに、まるで僕達を
待っていたかのように3日と4日は空いていたのだった。
ここで惹かれた謳い文句は・・・
「軽井沢でリゾートステイを満喫!
料理長自慢の洋食にゆばを取り入れたフルコース料理!
デザートにもゆばが・・・
食後には満点の星空を眺めながらのんびりお過ごしください」
夕食は6時からだったから、温泉から帰ってきて、ちょっと休憩して、
丁度いい時間になった。
ドッグランの奥の方に広いお部屋があって、そこで今日はお食事だ。
僕もそこでみんなと一緒にお食事ができる。
本来なら、リードを付けなければいけないけれど、今日は貸切
だからねえ。
奥様がノーリードでいいですよーって言ってくださったから、
僕はもうその言葉を聞いて大喜びだった。
だって、やっぱり自由にできるのが一番だよ。
僕はね、でもちょっと甘えすぎたかもしれない。
ノーリードだって聞いたものだから、我が物顔に、そうなんだ、
まるで我が家のように自由に二階の空間を行き来した。
平成18年4月16日の日曜日
平成18年4月3日の月曜日
ねっ!なかなか魅力的でしょう!
ゆばも好きだし、星空にもみんな興味があるからね。
だってね、パパは最近天体望遠鏡を買ったし、お姉ちゃんは
既に持っている。
お豆腐類は大好きだし、ゆばは大好きで食卓に上る回数が多いんだ。
そんなわけで申し込んだのだった。
でもね、お食事に関しては色々要望を述べて、後は
お任せだからね。
たとえ、ゆばが出てこなくとも仕方ないよねって、話していたんだ。
でもね、後でお話に出てくるけれど、ちゃーんと誇らしげに
登場したよ。