夕飯はパパとままはひな寿司をいただいて、お祝いした。
僕もお裾分けっていうわけにもゆかなかったけどね。
だって、僕は一応犬なんだもの。
でもね、おいしいデザートがいつもより多かったんだ。
今日は女の子のお祝いの日だからね。
一緒にお祝いをしたというわけさ。
えっ!?ほらっ!ままも一応女だからさ。(笑)
そういえば、ままは今年は泣かなかったね!
まま、強くなったの?
僕も知らん顔してたものね。
きっと、その方がいいんだよね。良かったな♪
そうかっ!お座布団が出てなかったわねえとままは
押入れからあわてて取り出し、そうして、「ハッピー、おいでー
ここにお座りよ」って、僕の目を見て話しかけた。
やっぱりねえ。僕は諦めてお座りしたけど、なんとも
落ち着かなかった。
だって、僕は男だぞー!ぷんぷん!
いいお顔をしてってままは言うけれど、できやしない!
まま、できないよー!
仕方ないわねえ。ままもようやくあきらめた。
でも、結構嬉しがってたから、僕はほっとした。
良かったあ~(*^。^*) まま、ごめんね。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない?厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ?
ひょいっ!大丈夫だった、良かったあ~♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん?そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ!ハッピちゃん、可愛い~♪ ハッピーポッターだあー!♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん?僕って今注目されてるの?
あかりを付けましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日は楽しい ひな祭り~♪
お内裏様と おひな様
二人並んで すまし顔
お嫁にいらした 姉様に
よく似た官女の白い顔
金の屏風に うつる灯を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣
着物を着替えて 帯締めて
今日はわたしも 晴れ姿
春の弥生の このよき日
なによりうれしい ひな祭り~♪
CONTENTS
平成18年3月3日の金曜日。
今日はおひな祭りだったね。
みんなの家ではおひなさんを飾ったのかなあ?
やしのみ家では、子供は二人いるけど、二人とも女の子なんだ。
もう上のお姉ちゃんはお嫁に行って、今は福岡に住んでいる。
そして、二番目のお姉ちゃんは20歳の時に天国に逝ってしまったから、
もう今では会うことができない。
でもね、パパやままはいつもそばにいるんだよ!って、言っている。
そういえば、僕も時々一人の時でも、なんだかそばに誰かいるような
気がすることがあるな。
そういう時って、大抵僕がお留守番をしている時が多いけどね。
ハッピー♪って声がしたような気がするんだよね。
暗い話はご法度だよね。
もう止めるね。
「ハッピー!おいで~♪」
僕は多分昨年と同じで、僕は男の子だけれど、きっとまた
写真を撮らされるんだとちょっといやだったけど、
しょうがないな、ままの為にえんやこらだと思いながら
すぐさま走り、お座敷の前でストップした。
だって、一応分らないから、お座敷に黙って入ってはいけない
ことになっているしね。
ままからの言葉を待ったんだ。
そうしたら、「ハッピーお利口さんねえ。聞こえたのね。
おいでー」って手招きされた。
嬉
し
い
ひ
な
祭
り
やしのみ家の下駄箱の上には早くから、そう、2月中旬くらいから、
お内裏様とお雛様が飾られていた。
これははっきり言って品物自体としてみれば、大したものではない
けれど、パパがいつの間にか出していて、ままは驚いた。
ままがその気にならなかった為、パパは痺れを切らして、待ちきれずに
どこから探してきたのか、押入れの奥から引っ張り出してきたのだった。
ごめんね。おひなさん。
いくら品物が悪いからって放っておかれて、かわいそう・・・
今年はお座敷の方にいつも飾られるケース入りの五段飾りはなかなか
飾られなかった。
毎年、押入れからパパが人形ケースを出して、そして、ままが飾る。
お姉ちゃん達が家にまだいる頃は、ままと一緒になって一緒に飾って
いたけれど、今はまま独りで寂しく飾っている。
飾り終えると、脇に付いているオルゴールのネジををキコキコ回す音が
聞こえて、その内、おひなさんの歌が流れてきた。