車から歩いて30分ほどの小道を歩くと、デティフォスが見えてきた。雨と滝の水しぶきが舞い上がり、強風とともに痛いくらいの水を浴びながら近づく。
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この滝は今までのよりもはるかに雄々しい。水しぶきが下から上がってくる。そして、ここも誰もいなかった。ここまでのルートといいこの滝といい、自然の怖さを感じた。服もビチョヌレで車中で着替えることに。
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なんとか滝を脱出し、吹雪で凍った路面と強風でスリップする車を、こわごわ運転し、2時間ほどで東部の中心街エイイルススタジルに着く。人のいる街にほっとする。で、食材補給のためBONUSへ。
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東部の海岸へ抜けるショートカットコース(もちろんダート)を走る。ものすごい急斜面を登り、下る。途中車を止めて景色を撮る。
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そのダートでスコットランド人のヒッチハイクを拾う。彼らは強風と雨のなか4時間半待っていたそうだ。まじ死ぬぞ。海外でヒッチハイクを拾うのはどうかなとも思ったが、この過酷な環境下では「助けないとやばいよ」という使命感が
出てくる。話してみると、のーてんきな兄ちゃんたちだった。
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海が見えてきた。雨も止み、晴れ間が見えてきてほっとする。しかし、強風はつづきハンドルが風にとられる。緊張の運転は続く。兄ちゃんたちとの会話も英語だから疲れるし。
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これでもアイスランドのメイン道路、国道1号線。砂利道。走りにくいことはないが、そばがガードレールもない崖。夜と冬は絶対走りたくないなあ。
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南東部の街ホプンを目指す。土砂が落ちてきたら終わり的な道である。けど選択肢はないので、黙々と走る。
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強風のあまり、波のしぶきが海側へ戻されている。あまり見ない光景にびっくり。つーか、アイスランドは見たことない自然の景色ばかりで全てが見所だ。
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郊外のほとんどの橋は両側1車線。先に来た方が優先。人も少ないし、税金かけられないからということなのかな?
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ホプンのレストランで。兄ちゃんたちを降ろし、今日は外食。しかし、これにスープ+ジュース2杯で8000円とは。アイスランド人はどーやって生活してんだ。
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翌朝、ホプンの街を出る。街の終わりはこの看板が必ずある。看板は全て絵で表示してるので分かりやすい。
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ヨーロッパ最大のヴァトナヨートクル氷河のその一部。湖に氷が浮いていた。
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氷河の小さいのがなぜか岸辺にあったので持って撮影。氷はきれいに透き通っていた。
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不思議な形をして浮く氷。下には大きい氷が支えていた。まさに、氷山の一角ってやつね。
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国道1号線走行中も側に氷河が見える。
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氷河地帯を抜けると苔むした土地が続く。
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内陸にはいり、火の山峡といわれるエルドギャウと温泉があるランドマンナロイガルという場所を目指す。
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ここらでも雪が降ったようで、周りに雪が残っていた。遠くの山々の雪は来年まで解けないんだろうな。
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夏は観光バスも走るとガイドブックにあったが、ここの道もすごい。バスが走る道ではない。我々は窪みを避けながらひた走る。
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川を渡る。目的地に行く為には川を何カ所か渡らないと行けないとのこと。正直怖い。けどここまで来たし引き返すのもなあ、ということで行ってみる。えーい。
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道を間違えたようだ。気がつくとこんな雪山に来てしまった。引き返して、違う川を渡った。そしてこの後エルドギャウ近くで我々はとんでもない目にあう。
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やってしまった。エンジンは死に、車内に水がどんどん流れてきたので、後部座席から荷物を持って脱出。水が冷たい。たまたま通りかかったアメリカ人写真家のスティーブが助けてくれ、ことなきを得る。車は後でレッカー。ショック。
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来た道を戻り、川から最寄りの街まで100キロあったが、スティーブは嫌な顔せず連れて行ってくれた。途中、ヨメが虹が2重になってるのを発見。こわばった気分が少しほぐれた。
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端から端まで見える虹を今まで見たことがあっただろうか?車は、我々を助けてくれたスティーブのジムニー。
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ヴィークという街で宿の人に事情を話し、車の救出依頼をした。翌朝レッカーされた車がやってきた。しかし、エンジンがずぶぬれで動かず、ここから200km先の首都レイキャビクの修理工場までレッカーとなった。
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悲劇なのは、水没は保険がきかないとのこと。いったい幾らかかるかるのか。とはいえ、あの場所にスティーブがいなかったら、我々はあの寒い大自然の中、野宿する憂き目にあったかもしれない訳だから不幸中の幸いと思うしかない。
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レッカー車と一緒に我々も同乗する。途中、訪れる予定だった、美しい滝スコウガフォスを見つける。
関係ないが、レッカー車に同乗するのはこれで3回目。
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2、3日前から腰が痛かった。水没した際にさらに痛めたようで、車の修理点検の間に病院へ。痛み止めの注射も打った。
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結局、車はエンジン周りはほぼ全壊のようで、とんでもない額の修理代請求が来た。日本で新車が買えるくらいの値段。
命が助かっただけよかったといい聞かせる。そして、その日は空港近くのYHに泊まった。
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