平成17年8月12日の金曜日。
パパは誰よりも早く起きて、僕を朝のお散歩に連れて行ってくれた。
夜中にう○ぴをするなんて、ちょっとおかしいと思ったから、多分それで、
いつもより早い時間に僕を連れ出したんだね。
パパ、ありがとう。僕の気持を分ってくれて!
だから、僕はパパが大好きなんだよ。
今日、2日目の予定はどうなっているんだろう?
朝食はホテルの好みのお料理を好きなだけ食べることができる、
ビュッフェレストラン「彩」でいただくようだ。
また一人になっちゃうな・・・でも、ちょっとだけ慣れてきたような・・・
昨日の夜よりは早くにパパ達は帰ってきた。
良かったー
「お帰りなさーい」
なにやら、今日の予定のことを話しながらドアーを開けて入ってきた。
何々? 僕は耳を澄ました。
また、僕は一人になるんだろうか?
どうやら、今日はままとお姉ちゃんだけで、お出かけのようだ。
だって、昨夜は僕のお腹の調子が悪かったのを気にして、パパが
「いいよ、僕が留守番するから、二人で行っておいで」って言ってたもの。
それこそ、いつものパターンだ。
僕は何度もこの会話を聞いている。
ままは何でも欲しがるし、パパはその逆で無頓着。
欲があるものといえば、例えばDVD,PC,カメラ等の類にはとても興味が
あり、お誕生日にはお洋服などよりもそういうモノをプレゼントすると
大喜びしている。
「じゃあ、お昼頃までかかると思うけど、よろしくねえー。
ハッピー、良い子にしてるのよー」と
ままとお姉ちゃんは。僕の頭や胸をたくさん撫でてくれた。
「行ってらっしゃーい♪楽しんできてねえー 僕はパパと良い子にして
お留守番してるからねえー」
「どうせ、まま達のことだから、お昼には帰るって行ってたけど、
怪しいよねえ、ねえーハッピー」
そうかもーねえ、パパ、僕もそう思うよ(〃`ー´)クックック
パパは最初の内は、テレビを見たり、僕と一緒におもちゃで遊んで
くれたりしたけど、しばらくすると・・・
あれっ!お散歩に連れてってくれるのかなあ?
リードを持って来て、僕をお座りさせた。
「ハッピー、冬に行った公園覚えてるかな?
行ってみようかアー」
うん、イクイク♪るんるんるんるん〜♪
思った通り、ままから電話があったのは、お昼を少し過ぎた頃だった。
「ねえー、もう少し見たいんだけど大丈夫?」
「いいよ、ゆっくりしてきな」
「本当?嬉しい!じゃあ、後1時間くらいしたらねえ」
ままの声は弾んでいたので、僕の耳元まで聞こえてきた。
「腸詰屋」のホットドッグはまだ暖かそうだ。
「うーん、これはおいしい!」
大きなウインナーソーセージだねえ。
結構ボリュームがあって、結局チーズケーキまでは及ばなかった
ようだ。
今までは腸詰屋ではお土産でハムを毎年買って帰ることはあっても、
ホットドッグは食べたことがないんだって。
きっと僕が思うに、次回からのランチメニューに入りそうだな。
これは残念!
写真を撮っていなかったみたいだね。
ゆったりとしたランチの時間が流れた。
お腹も満足!
お話も満足!
空気も満足!
僕はその間、パパに抱っこされたり、降りてちょっと歩いたりして、
お散歩を楽しんだ。
「ただいまあー♪」
まま達が帰って来たのは、僕らがお散歩を終えてからすぐの
ことだった。
パパが車で迎えに行くはずだったけれど、すごい車の量で
道は混んでいるし、また長い間僕は一人ぼっちになるわけで、
ままとお姉ちゃんは「歩いて帰ってもそんなに遠くないし、大丈夫よ!」
って、テクテクとショッピングしたたくさんの荷物を両手に抱えて帰って来た。
しかも途中でランチ用に「アトリエ・ド・フロマージュ」でチーズケーキや、
生クリームがたっぷり入ったシュークリームを、そして、「腸詰屋」では
熱々のホットドッグをテイクアウトして、荷物が増えたものだから、もう大変!
ねえ、まま、歩くのはいいけれど、大荷物があるってこと
忘れてたんじゃないの?
でも、そんなに汗は出ていなかったよね。
僕もたくさんお散歩したけど、涼しくてとても快適だったよ。
「だってー」とままとお姉ちゃんは、最初は躊躇していたけれど、
「いいよ、いいよ、気にしないで、どうせ僕が見たって分らないし、
テレビを見ながらのんびりするさ、大丈夫だよ。」ってパパが再三
言うものだから、やっとまま達は首を縦にして頷いた。
目的地は、軽井沢の駅前にある広大なアウトレットのお店だ。
大体、パパはままやお姉ちゃん達のお洋服を選ぶのはとても上手
なのに、自分のお洋服となるとテンでダメで、いつもままにお任せだ。
ふーん、そういうものなのかなあー
僕には分らないや。
「何か、じゃあ、これっていう欲しいものがある?」
ままがパパに聞いている。
「特にないよ。」
「もうー、いつもこれなんだからー」
今日はよく歩いたよねえー
僕は朝のお散歩以外は全然歩いていないけどさ。
きっと疲れたんだねえー。
パパもままも宇実お姉ちゃんもお話ししながら、いつの間にか眠りの
世界に入っていった。
そして、僕も・・・
ところが、夜中に、僕はまたう○ぴをしたくなった。
どうしようー・・・お部屋にもブルーのシートが敷いてあるここがトイレ
だと思うけど、なんだかここではしたくないよー
ああーっ!もう間に合わないよー
ままは寝たら最後、何しろ地震でも起きないって分ってるから、
パパのベッドのそばに行った。
パパは今日は一番疲れたんだよねえ。
いくらショルダーバッグといっても、僕をずーっと抱っこして
くれてたんだものね。
僕はモゾモゾしたけど、パパはビクともしない。
しょうがない・・・でも・・・と思っていたら、パパは僕の異変に
気が付いた。
パパ、どうもありがとう。
失敗してごめんね。僕間に合わなかったよ。
パパは僕の粗相を責めず、なるべく静かにそーっとそーっと
きれいにしてくれた。
「ハッピー、久し振りのお泊りだったから、緊張したんだね、きっと」と
言いながら・・・
それから、夜が明けるまで、僕はずーっとパパのベッドのそばにいた。
ままは僕がいつもの缶詰とジャーキーを食べた後で、「ハッピーは良い子に
お留守番できたから、今日は特別よー」って、お芋味とヨーグルト味と
それから、緑黄色野菜のトリーツの3種類のデザートをお留守番の
ご褒美として、出してくれた。
いつも食後は1種類だけしかままはくれないから、おっ!って、僕は
嬉しくなって、アッというまに、平らげた。
温泉風呂へは、僕を一人にしたくないからって、パパとまま&お姉ちゃんは
交代で入った。
温泉ってどんなかなあ?
まだ僕は温泉には一度も入ったことがない。
最近、ペンションの中には、ワンコオッケーの専用のお風呂が設置されている
所もあるらしいね。
その内、僕も連れて行ってくれるのかなあ?
でも、もう一つ、満足が欲しくなった。
昨日行ったお店。
そう、また来ま〜す♪と言ってたお店。
「Lordにはいつ行くの?」
とパパが思い出させてくれた。
「夕食までにはまだ時間があるから、行ってくればいいよ。」
「アヴァン」は5時半に予約してるから、まだ1時間半ほど間があった。
じゃあ、そうするわねえ。
ままとお姉ちゃんは嬉しそうにそう言うと、そういう時って早い早い!
あっという間にいなくなった。
そうして、帰って来たのはなんと、予約時間ギリギリの5時25分だった。
パパはオカンムリだったかって?
どういうわけか、パパはご機嫌だったよ。
きっとまま達が楽し気にしているのが、嬉しいのかなあ?