おばあちゃんは今85歳だ。
どこも悪くないんだよ。
お耳が少しだけ遠いくらいで、元気そのものなんだ。
きっと、色んなことに興味があるから、いくつになってもそうして、元気なんだね。
80歳まで洋裁教室をやって、それからは今までの趣味を生かして、今言った俳句や、
老人会でダンスをしたり、旅行をしたりと、一人でも映画は観るし、そういう
姿勢がきっと元気の元なんだね。
ねえ、ままもおばあちゃんみたいになりたいでしょう?
(影の声:うん、うん)
僕もおばちゃんの真似をして、色んなことに興味を持つように頑張るよ。
お友達ともたくさん会ったりしてね。
おばあちゃん、今日は楽しかったよ。
僕またひとつお利口さんになったかも〜〜♪
おばあちゃん、☆ありがとう☆ヽ(#^ー°#)v
平成17年3月10日の木曜日。
昨日の夕方、おばあちゃんはやしのみ家に到着した。
パパがお熱でうなされてることも知らずに・・・
「キンコーン」
ベッドで寝ていたパパは、ままがまだ帰ってきてないから、2階から
熱くなってる身体をヨイショ!と起こし、ズキズキと痛む頭を抱え、
重い足を引きずりながら階段を下りた。
「あらーっ、どうしたの?」
玄関のドアーを開けてもらって足を一足入れる間もなく、おばあちゃんは驚いてしまった。
顔色は悪く、ちょっとどころか疲れ切ったパパの顔を見たおばあちゃんは、驚きの声を発した。
しょっちゅう喧嘩はしてるよ。
でもね、すぐ仲良くなってるよ。
お互い意見を言わなければ分らないでしょ!
ということらしい。
まあ、そうだけどね。
面白いんだよ。
宇実お姉ちゃん達が小さい頃の話だけどね、ままとパパが言い争ってるとね。
「ねえ、まま達って、今喧嘩してるの?」と聞かれ、
ままはなんと答えたと思う。
「ううーん、違うわよ、今ね、パパと議論してるのよー」だってー
「ふうーん」
まだ小さかったお姉ちゃん達は本当に「ふうーん」だったのかなあ?
疑問だ。
今度お姉ちゃんが帰ってきたら、聞くことにしよっと!
「いやあー、熱が出ちゃいまして・・・おばあちゃんのお布団は敷いてありますので・・・」
パパは、茅ヶ崎からかれこれ2時間半かけて遊びにやってくる
おばあちゃんが疲れてるといけないからと、いつでも横になれるようにと、いつも予め
お布団を敷いている。
パパ、大丈夫なの?
お熱があるんだから、今日はいいんじゃないの?って思った。
だって、お座敷にはお炬燵もあるし、ままが帰ってくるまでそこで休んでもらえば
いいんじゃないの?
僕はそう思った。
お散歩の途中で、「○○ちゃん、あの竹を見て御覧なさい」
なあーに?竹がどうかしたの?」
「竹の秋って知ってる?」
「えっ、何それっ!」
「竹の秋というのはね、ほら、見て御覧なさい、あの竹が今そうなのよ。
枯れているでしょう。」
「うん、ただ枯れてるだけじゃないの」
「あのね、春には竹の子が取れるでしょう。
栄養分が取られちゃって枯れちゃうのよ。
逆に青々とした竹のことを竹の春っていうのよ。
つまり、俳句では「竹の春」は秋の季語。
「竹の秋」は春の季語なのよ。」
「ふうーん、知らなかったわー!」
ままはこの年になっても知らないことばかりだわっ!って、今更のように驚いていた。
実は、おばあちゃんは2年ほどやしのみ家にいたことがあるんだよ。
その時に入った俳句の句会を今でも続けていてね、今日はその句会がある日なんだ。
公民館で開かれるから、僕の今日のお散歩コースは公民館までになった。
つまり、おばあちゃんと一緒に始まる時間に合わせて、お散歩だ。
始まりの時間に間に合わないといけないから、ちょっと早めに出た。
だって、僕は例の如く寄り道が多いからさ。
でもね、パパの性分なんだ。これはね。
おばあちゃんは、いつもありがたいことだとパパにいつも感謝している。
今日はだから、感謝も◎だった。
「優しいのね○○さんは。。。」って、いつもおばあちゃんは言う。
だけどね、ままが言うには、ままに対しては結構キビキビ言うんだってさ。
だから、優しいとは心の中で思っていてもついついままも気が強いから反駁する。
そこで、喧嘩さ。
でもね、よーく考えてみるとままにとって「いいこと」をいつも言ってるんだって。
僕も竹を見上げてみた。
ほんとだっ!
今の時期は青々とした竹と、枯れた竹と様々だ。
両方の竹があるね。
なるほどねえー
おばあちゃん、僕もかなり勉強になったよ。
おばあちゃんは俳句をやってるおかげなのかなあ?
色んなことを知っているんだね。