そういえば、もうすぐ女の子の節句だものね。
お散歩の途中で見つけた桃の木は誇らしげに僕にご挨拶してくれた。
「ハッピーくん、(*^ー゜)ノ コンニチハ☆
今日は強い風だけれど、この風は春の風なのよ。
春の訪れを皆さんにお知らせしてるのよ。
きっと、明日からは少しは春めいてくると思うわ。
そうすると、お散歩も一層、楽しくなるし、よかったわねえ。」
僕は、こないだから、あの桃の木が気になっていたんだ。
可愛いピンク色したあの木が。
だから、「ねえねえ、ハッピーくん!」って呼び止められた時には、
はっきり言ってドキッ!としたよ。
僕って、やっぱ可愛いものにはめがない。
弱いってことが重々分ったよ。
まま、それっておまじないなの?
最近ままはちょっとだけお散歩のお歌を変えた。
「ハッピーハッピー、ハッピピノピ!ハッピー、ハッピー、
ハピピノピ!
ハッピーはとってもいい子だね〜♪
ハッピーはとってもお利口さん♪
ワンツーワンツー♪」
ねっ、掛け声にも、お歌にも必ずいい子とお利口さんが付くでしょう?
ただ、変わったのは最初のグリーンの部分。
というか付け加えた部分だけどね。
その付け足し部分は、実はこないだ宇実お姉ちゃんが
帰ってきた時に、いつも口ずさんでいたお歌なんだ。
あまりにも口ずさむものだから、どうやらままの頭に焼き付いて
しまったらしい。
笑っちゃうよね、おかしいね。
そういうわけでもないけど、僕はどうやらおまじないが効いているのか、
今のところ、なんの抵抗も無く・・・
そうなんだ、まだ一度も怒ったことってないような気がする。
反抗期ってないのかな?
人間の世界にはあるようだけどね。
今度ままに聞いてみよう。
ままはこの「いい子とお利口さん」は一日百回位は言っても
いい位だとモノの本に書いてあったからって、それを忠実に守って
いるらしい。
反抗期についてもきっとお勉強してくれるかなあ。
ともかくも、今のところはこのおまじないが効いているようだけどね。
思わず固まってしまったものね。
でもね、とっても嬉しかったんだー♪
お散歩をしていると、色んな木やお花に声をかけられるんだ。
本当だよ。
だから、僕は普段は垂れているお耳をピーンと立てて、耳を
そばだてるんだ。
「桃の木さん、ありがとう☆
そうだよね、もうすぐ春なんだよね。
だから君もそんなに可愛いピンク色の肌をさせてるんだよね。
僕は通る度に愛でさせてもらってたよ。
いつも僕らを楽しませてもらってありがとう☆」
平成17年の2月23日の水曜日。
今日は、春一番が吹いて、風がすごかったね。
僕はハパパとお散歩したんだけど、もおー僕はどこか遠くへ運ばれるん
じゃないかと思ったよ。
体重は一応3300グラムは今のところあるから、まあ大丈夫だとは
思うけどさ、でもね、本当に春一番って強風が吹くんだね。
目だって思わずつぶった位だった。
冬の北風さんと違って、暖かい南風さんはまるで
「おーい!もう春の出番だよ〜!冷たい北風さんは
そろそろお家に帰ってくださいーい!」と言ってるみたいだった。
平成17年2月26日の土曜日。
こないだの春一番が吹いた日はなんと最高気温が15度もあったのに、
今日は7度も低い8度だ。
こういうのを「三寒四温」って言うんだってね。
春になるにはなかなか大変なんだね。
はい、今日から春です、っていうわけにはいかないんだね。
でもね、それでも、今日は晴れていたから、お散歩は快適だったよ。
今日はままがお休みだから、ままと一緒だよ。
「ハッピーとままとイッチニ、イッチニ!」
掛け声が辺りに響く。
但し、誰もいない時だよ。
何故だかいつも「ハッピーはお利口さん、ハッピーはいい子だね」って、
必ず付く。
だから、僕はその度に、いい子にしなきゃ!って
しっかり尾っぽを振りフリしながら意を固くする。