建物名称 岡山市東部クリーンセンター
所在地 岡山県岡山市東区
高さ 全高100m 展望室床面高78m
竣工 2001(平成13)年
概要 岡山市東部クリーンセンターは、老朽化した岡南環境センター(南区)に代わるゴミ処理施設として新設された。岡山市が事業主体となって東区西大寺豊地区に造成した新産業ゾーン企業団地に立地し、粗大ゴミと資源ゴミの処理を行う東部リサイクルプラザ「さいせい岡山」が隣接する。1日あたりの焼却能力は450tで、同市の約6割の地域および東隣の瀬戸内市の一部を収集エリアとする。
センターの設計と施工は石川島播磨重工業が担当した。当初から焼却棟には煙突の点検用にエレベーターを設置する計画であったところ、学校団体や市民など多数の見学者の来訪が予測されることから、これを活用して施設の全貌を見渡せる展望台の併設が決定した。センターでは個人の見学も1人から受け付けており、展望台だけの観覧も可能であるが、希望日の2週間前までに予約を必要とする。
TF式分類 第1種 II類
登頂日 2013年4月19日
 2013年4月19日の登頂記録

岡山市東部クリーンセンターに見学を申し込んだのはぴったり2週間前のことですが、当日を迎えるまで唯一の心配が天候でした。私は原則としてタワーの撮影・登頂を晴天の日に限っており、たとえ遠征先に到着してもその時点で雨や曇天であれば取材活動を行わずに帰ってきます。しかし日時を指定して見学を申し込んだ以上は当日天気が悪かったとしても「今日はやめます」と一方的にドタキャンすることは許されない。そういう意味でも晴れてくれないと困るのです。
結果はご覧のとおり文句なしの好天となり、グリーンの濃淡で彩られた塔体が青空に映えるさまを撮影することができました。なんでも岡山県は年間を通じて晴天率が高く「晴れの国 おかやま」を県のキャッチフレーズとしているそうです。さすが!

まずは管理棟へ。すでに申し込み手続は済んでいるので窓口で名乗るだけでスムーズに受付完了。私1人のためにわざわざ案内の職員さんがついてくれます。清掃工場の煙突に付属した展望台に登頂するのはこれで3塔目ですが、先の2塔(富山地区広域圏クリーンセンター東埼玉資源環境組合第一工場)は展望台専用の入口があって受付で記帳したあとは自由見学が可能であったのに対し、こちらは管理棟内から渡り廊下で焼却棟へ移動する必要があるなど独立した動線の設定が困難なことから必ず職員同行のもとでの見学となります。
展望室の内部は極限までシンプルで、内装や設備に特筆すべき点が何もありません。もとより観光施設ではないとはいえ、典型的なお役所タワーといった風情です。
センターおよび展望室の見学者はやはり小学校の団体が大半を占めるほか、市内の町内会や婦人会といった小グループも多いそうです。聞くところによると当日いきなりやってきて見学させてくれという人もときどきいるそうで、職員さんの手が空いていればなるべく対応するようにはしているとのことですが、ルールは守りたいものですね。
ただ、こうして見学者を積極的に受け入れることで、公害防止や環境保全といった行政側の取り組みに市民の理解が深まりつつあるのは実感している、と職員さんの弁。千葉県民の私など完全に“部外者”のはずですが、たいへん丁寧に対応していただきありがたい限りです。
今でこそ岡山市東区などと無味乾燥な地名となっていますが、当地は1969(昭和44)年に岡山市へ編入合併するまでは西大寺市だったエリアであり、西大寺区とするのが妥当だったように思います。その西大寺の市街地はセンターから見て北西、吉井川を渡った向こう側の一帯。地区名の由来となった西大寺観音院で毎年2月に行われる会陽(えよう)は奇祭・はだか祭りとしてつとに有名です。鉄道ファンには1962(昭和37)年に廃止された914mmゲージの軽便鉄道・西大寺鉄道の存在がよく知られています。
南西側には児島湾を挟んで児島半島東端の金甲山付近を遠望します。画面中央に見える緑に覆われた小山は16世紀に備前国を治めた戦国大名・宇喜多直家が最初に居城したと伝わる乙子(おとご)城跡。現在は土塁の一部が残る程度です。
北東側で目を引くのは瀬戸内市に所在する上寺山餘慶寺(うえてらさん・よけいじ)の大伽藍。
展望台のすぐ下では清掃車が計量棟を通過するようすが見えます。左下のソーラーパネルを載せた建物が管理棟。上方の細長い建物は岡山市下水道局の吉井川浄化センターです。

東部クリーンセンター(岡山市公式サイト)

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