建物名称 東埼玉資源環境組合第一工場
所在地 埼玉県越谷市
高さ 全高100m 展望台床面高80m
竣工 1995(平成7)年
概要 東埼玉資源環境組合は、埼玉県東部の越谷市・草加市・八潮市・三郷市・吉川市・松伏町の6市町によって構成され、ごみ・し尿処理などの清掃業務を担当している。そのルーツは越谷市と草加市によって1961(昭和36)年に発足した「草加・越谷清掃組合」であり、1965(昭和40)年に他の4市町が加わって「埼玉県東部清掃組合」が成立した。1995(平成7)年には英文呼称(Resource and Environment United-cities of Saitama East)の頭文字を取って「REUSE(リユース)」との愛称が制定されている。現在の東埼玉資源環境組合に名称変更したのは1999(平成11)年のことだが愛称はそのまま引き継がれた。
現行の第一工場は埼玉県東部清掃組合時代の1995(平成7)年に竣工した。1962(昭和37)年に稼働開始した旧第一工場の隣接地に所在し、1日の処理能力は800トンに及ぶ。排気用の煙突に展望台を併設した画期的な構造は松山市南クリーンセンター(1994年竣工)に次いで清掃工場としては国内2例目だが、事前予約や団体限定などを条件とせず誰でも自由に展望台へ入場できるのは当工場が日本初である。観光施設ではないので観覧は原則として平日に限られ、一般的な勤め人にはやや訪問しづらいが、そこを配慮してか月に1度だけ日曜日の公開が実施されている。
なお、し尿処理を行っている第二工場が八潮市に所在するが展望台は設置されていない。
TF式分類 第1種 II類
登頂日 2010年12月8日
 2010年12月8日の登頂記録
清掃工場は我々の日常生活には必要不可欠な施設であるにもかかわらず、住宅地に近接することを歓迎されないのが実情です。そのため排煙や悪臭などの公害対策に万全を期すことはもちろん、近年は建物の外観デザインをスタイリッシュなものにすることで清潔感や親近感をアピールするケースが一般的になっています。
ここ東埼玉資源環境組合第一工場も、一見するとホテルか結婚式場なのかと思わせる洒落た外観。でもやっぱり立地しているのは住宅地からやや離れた田園地帯で、公共交通で訪れようとすると少々不便なのは否めません。

ところで今回の訪問はNHK総合テレビで放送されている関東ローカルのお昼の情報番組「こんにちは いっと6けん」内のレギュラーコーナー「とっておき散歩」で「知られざる!ご当地おもしろタワー巡り」と題する企画を行うこととなり、私がその案内役を務めるというもの。レポーターの女性とともに喜連川スカイタワー、水戸芸術館、港公園展望台、そしてここの4ヶ所でロケを行いました。案内役とはいえこのタワーは私も初訪なのでちゃっかり当サイトのための取材もしてしまおうという寸法です。このときの様子は2010年12月17日に放送されました。

写真は工場棟の2階にあるメインエントランス。一般の展望台見学者もここから入場します。

まずはロビーを通って奥の事務所に通され、本日対応して下さる計画課長さんと同課広報係長さんにご挨拶。撮影を始める前にパンフレットを頂戴して工場の概要などを説明していただきました。

一般見学者は写真中央に見える受付窓口で簡単な手続き(おそらく見学者名簿への記帳)を行います。

ここからの先の写真は、自分の出番を終えてからロケ隊が展望台からの風景や一般見学者へのインタビューなどを撮影している合間に撮ったものです。

展望台入口は先ほどのエントランスを出て煙突棟2階にあります。今回ロケ隊は工場棟からの連絡通路を経由して3階からエレベーターに乗ったのでこの入口は通らなかったわけですが、当サイトとしては一般見学者と同じルートをたどらないとルポにならないので一人エレベーターで下りてきました。とはいえあまりロケ隊から離れて勝手に動き回るのもはばかられたので、工場棟から煙突棟までの経路がどうなっているのかまでは確認できず。

エレベーター内の階床ボタンによると展望台は4階に相当するようです。ちなみに煙突棟よりずっと低い工場棟は8階建て。
展望台はおおよそ18m四方の大型サイズで、室内空間にはかなりのゆとりがあります。
では風景を見ていくとしましょう。展望台は四隅がほぼ東西南北を向く配置になっています。
こちらは北西側の眺め。中央付近でちょっと目立つ高層建築はライオンズステーションタワー北越谷という28階建てのマンション。さらにその向こうにはさいたま新都心の超高層ビル群が霞んで見えます。
北東側奥は組合を構成する一員である松伏町ののどかな田園風景。そして遠景に筑波山を望みます。
南東側の窓からは急速に開発が進む越谷レイクタウンが間近に見えます。手前は伊藤ハムの東京ミートセンター。

この工場の正面にあたる南西側。目の前を流れる新方川を挟んで対岸の水田では、最近各地で流行しつつある「田んぼアート」が展開されているのですが、6月ごろに植えて11月までには刈り取ってしまうのでこの時期はうっすらと痕跡を留める程度です。見ごろは7〜8月だとか。

……と、こうしている間にロケ隊は課長さんのインタビューを収録しているのですが、緊張されているのか何度もテイクを重ねているもよう。先ほどから私の傍らで係長さんが施設や景色について立て板に水で解説して下さっているのを聞くにつけ、係長さんがインタビュー受ければよかったのに、と思いました(笑)

展望台に設置されている望遠鏡は100円玉ではなくて専用のコインを投入して利用します。コインは最初に受付窓口で手続きした際に1人1枚手渡されるのですが、ちょっと悩ましいことになっているようで……。
これがその専用コインです。悩ましいというのは、このコインはあくまでも望遠鏡を見るために貸し出されるものであって、使わないのであれば返却する必要があるのですが、相当数が持ち帰られているそうで、係長さんも少々困った口ぶり。でも「記念」なんて書いてあったらもらってもいいのだと勘違いされても仕方ないですし、どうやら工場側も返してくれとは強く要求していないようで、実質的に黙認状態らしい。
私はちゃんと許可を得て1枚いただいてきましたが、お願いしたときに係長さんが一瞬躊躇したように見えた(苦笑)。
当工場では夜間のライトアップが行われており、そのための設備として窓の上縁に設置されている蛍光灯はブルーのアクリルカバーで覆われています。
これは展望台ではなく工場棟の見学ルート上にある煙道の実物大スライスモデル。説明板に数値の記載がありませんが直径は1.5〜2mくらいでしょうか。煙突の建屋内にはこの鋼板製の煙道が4本通っています。航空写真を見ると煙道は建屋の中央を貫いているのではなく、東寄りの位置に2本×2列で配置されているのがわかります。
ロケの最後はこのタワーが清掃工場の施設であるということの説明用映像を撮るため、ごみクレーンの操作室へ。私も便乗してごみピットの様子を撮影させてもらいました。
東埼玉資源環境組合

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