機材と録音方法について
■ 車を使って確実に手早く録音
私は現在、マルチトラック レコーダーはカセット式のアナログを持っていますが、ピッチの
再現性に不安が有るし、テープの使い勝手やコスト面でも現在のデジタル録音メディアに
比べて不利と成る上に、私の演奏レベルは、音楽的な裏付けも、練習の時間も無いので
"それなり"であり、本格的な録音の必然性も無く、実に簡易なスタイルで行って居ります。
何と…車のオーディオで伴奏を再生し、MDウォークマンにワンポイント ステレオタイプの
コンデンサー マイクで集音…という、実に安易な方法で録るのです。(~へ~;)お気軽だ…
先に お断りしておきますと、居住空間と荷室(トランク)が仕切られている車(セダンなど)
では、この方法は物理的に不可能ですので、色々楽しめて 便利で 楽でローインパクトな
ハッチバックの軽乗用車や小型車にて お楽しみください…。ははは
録音には、MD 等の録音機とマイク以外に、ヘッドホン等のモニター装置と 適当な灯かり
(置いて使える 蛍光灯ランタン等が良いでしょうか…?)を忘れないでください。マイク延長
ケーブルも、録音の自由度を広げるために、是非ほしいものです。
機材や楽器などを 手元に置けて便利な 小型のテーブルや、多目的に使えるバスタオル、
ペット ボトルに入れた手洗い水や携帯食(お菓子?)なども有ると助かると思います。
冬季には、防寒着や手を温める術(携帯カイロが常識のようですが(?)ポットで持ってきた
お湯を満たした湯たんぽ なんかは意外と良いかも…?!)が無いと、ちょっとキビシイです。
●車は、トンネル内の通行スペースを確保した上で、トンネル内の風でオカリーナの息が
飛ばされたり、マイクに風が当たって風切り音が入るのを防ぐために、前から風を受ける
ような向きで出口近くの左側に停めます。要するに車を、大型の風防箱として使います。
車を出口の近くに停めるのは、もし車が来ても視認されやすく、万が一の地震などからも
迅速に逃れられるだろう…との考えです。
●バックドアを開け、マイクは車内のスピーカーの音と車外の音がバランス良く入ることを
考えて、左右のリヤ スピーカーに挟まれるように、車内の奥の 真ん中付近に固定します。
フロント シートのヘッド レスト後方に、何らかの方法で固定するのが良いと思います。
マイクの向きはバック ドア向き(トンネルの奥方向)です。このとき上下を逆さまに すれば
伴奏がステレオでも右左が逆転しません。もちろん演奏の音像は中央に定位されます。
●楽器音を仮録音してみて、マイクの最大入力 音圧レベル内に収まることを確認します。
よほど大きな音の楽器でなければ大丈夫だとは思いますが、手軽に使える安価で小型の
コンデンサー マイク(コンサートの隠し録り などでは お約束の?アレ)などは、ダイナミック
マイク(カラオケ屋さんなんかで良く見かけるアレ)に比べて感度が高い反面、大音圧には
弱い傾向に有るので 一応はチェックし、録音レベルを下げても歪む場合には、マイクとの
距離を少しずつ離し、最も鋭い音を出しても音色が崩れない距離を見出します。
●演奏の直接音に対するトンネル内の残響音の割合を、マイクまでの距離で決定します。
楽器がマイクに接近した状態(オンマイク)では、直接音が大きく入るため、録音レベルを
下げることになり、残響音は相対的に小さくなります。全般に楽器の音色が はっきり浮き
上がり、乾いた感じにも聞こえるでしょうか。周囲の雑音や電気的ノイズは少なく成ります。
楽器がマイクに遠い状態(オフマイク)では、逆に直接音が小さく入るため、録音レベルを
上げることになり、残響音は相対的に大きくなります。全般に楽器の音色像は高域(風音
など)が甘く不鮮明になり、残響音に溶け込んだ感じにも聞こえるでしょう。周囲の雑音や
電気的ノイズは多く成ります。
こうした距離による変化を利用することで、"自分好みの音"を、ある程度は演出できます。
自分で吹きながら残響の具合をモニターしても判り難いので、試し録りするのが最善です。
段階的に距離を 離しながら吹き、「いま何メートル…」とか言い添えると判り易いでしょう。
このときは残響の具合を見ることが目的なので、録音レベルは自動調整が便利でしょう。
●先項で決定した距離に見合った録音レベルを決定します。
特にデジタル記録では、録音レベルが 0dB(上限)を僅かでも越えれば音は歪みますので、
自分の演奏内容や、楽器のチェンジにも 対応し得るだけのマージンを考えて決定します。
ちなみに、マイクへの入力レベルが適当ならば録音レベルは自動調整でも良いのですが、
それだと 強弱などの表現がリニアに記録されない可能性が有りますし、演奏間の静かな
時に「シュー」という雑音が多く成り易い等の問題も出てきますので、できるだけ手動調整
するべきだと思います。
で…ただ「歪み」といわれてもイメージし難いので簡単に補足しますと、マイクの最大入力
レベルのオーバーでは 主に音色が変化し、強いて言えば潰れたような音に成るといえる
でしょうか。そして録音レベルのオーバーでは、主に音割れと 耳障りな雑音が生じます。
●(伴奏を使う場合は)仮に鳴らしてみて、楽器の演奏に見合った音量などを決定します。
自ら吹きながらヘッドホンでモニターしても、細かいバランスが判り難いので、おおまかな
音量で試しに録音して確認し、伴奏の音量や、低音・高音などを調整。スピーカーの音で
車内に置いてある物(コンビニ袋など)がビリビリ鳴っていないことも確認します。
伴奏のソースは何でも良いのですが、MDやCD-R 等に録音したものなら、セッティングや
操作が簡単で 再生ピッチも正確なので、快適なレコーディングが行えるでしょう。(^-^)♪
ただし、カー オーディオにリモコンが無い場合では 伴奏のスタート・ストップが不自由です。
伴奏に小型のmidi 機器を充てられるなら、オーディオに接続すると、手元で移調やパート
伴奏の音色チェンジなどが その場で出来るので、自由度の高い録音が行えます(^-^)v
何れの場合でも、車のリヤ ゲート付近に置いた複数の機器を操作するのですから、車に
付いているルーム ランプだけでは良く見えず、適当な灯かりは必須です。
なお、ここで書いた方法では、MD の操作を素早く行うためにMD 本体をバック ドア近くに
置いているため、録音を開始した後にMD 本体のピック アップ モーターが 高速回転する
音が集音されてしまう場合も有りますので、録音を始める前にバス タオル等をMD本体に
厚く覆い被せて動作音を閉じ込め、録音スタートはリモコンで行うと良いと思います。
●最終試し録りもOKなら、あとは美しい残響音の中での演奏録音を お楽しみください。
ここまで手間を掛けて準備して 演奏がダメだったら、マジでガックシ…はは…は…(苦笑)
MD の操作に手間どったり、来ない筈の車が来たり?、急に風が吹いて落ち葉がカサカサ
動いたり、暗闇の中に幽霊が出たり…???相当な根性が必要だと思いますが?!(^-^;ゞ長く
吹き過ぎて、車のバッテリーを上がらせたり、風邪を引かないよう程ほどに…。
で…録音には車を使わないことが望ましいので考えてみると、風防箱としては一人用の
着替え用テントを用い、マイクにはウインド スクリーン(ふさふさの長い毛を使った風防)、
伴奏を同時録音する場合には フラットな周波数特性のモニタースピーカーとバッテリー
駆動のアンプなどをリュックなどに まとめて行くのが良いと思います。
え?なんで伴奏を同時録音することしか書かないのか…ですって? いや…別に限定は
致しません…私は伴奏を 裸の耳で聞きながら吹くのに慣れてしまいましたし(?)、冒頭で
MTR を使わない理由も書きました…。別に録れる人は、どうぞ別に録って下さいませ♪
その方が装備が軽く成りますので、むしろ望ましいです(^-^)v
♪o(^-^o)(o^-^)o o(^-^o)(o^-^)o♪
録音というのは、実に色々な項目が有って 本当に難しく、ここに書いたことなど"ほんの
お遊び"のレベルでしょう。一つの方法に囚われず、色々と試しながら自分のスタイルを
確立していってください。少しでも録音の質が上がれば 気分も幾らかは良く成るでしょう
から、めげずに…ははは |