高速道路伸延の陰では

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  ☆2006/6/11UPの筈が2007/1/26UPし2014/7/14更新
 建設省(呼び名は国交省に換えてあっても実態は建設省そのままなので、敢えて建設省…いや建設症と呼ぶべきでしょうか)は、違法の手段を含んだ、あらゆる手段を講じて巨大公狂事業を推し進めることによって社会を破壊する反社会症ですね、実質は!破壊の手口は悪質化してきている(元から?)ようで、官民癒着の不正行為は、もはやお家芸ですよね。

 
さらなる道路建設が社会を壊す
 本題に入りますが、なぜ道路作りに偏向投資すると社会を壊すのか?
じつは、その因果関係はハッキリしています。道路作りに偏向投資すると…
◆未来から借りている恒久的財産である自然を大きく破壊する
◆車利用の増加と走行速度アップにより,温暖化ガス排出と資源浪費も増やす※1
◆温暖化ガス排出削減という国策を蔑ろにすることで,世界の信用をも失う
◆車利用を増やし,走行速度も上がるため,かえって交通事故を深刻化させる※2
◆車利用を増やすので,かえって渋滞を慢性化させる
◆車利用を増やすので,かえって排ガスと騒音公害を深刻化させる
◆破綻直前の財政難にトドメを刺す
◆行政サービスの低下や社会保障費の削減と増税を招いて弱者を切り捨てる
◆車を手軽に利用できるようになるので、主に郊外での車を使った犯罪をも助長する
◆地方の小規模商業や公共交通機関などの生活基盤は,マイカー族に客を奪われる事で衰退し,それがマイカー利用を前提とした体制構築を後押しするという悪循環が生じ,買い物・通勤・通院難民を増やす
◆広大な駐車場を完備したパチンコ店や大型量販店,コンビニなど,クルマ利用を前提とした商業施設をバイパス周りに進出させ,それに附随して宅地等の郊外移転も進むことで街の空洞化に拍車を掛け,中小企業の失業者も増やす
…など、見事なまでの”連携プレー”で弱者切り捨てを進めます。
一見すると、強者にも交通事故や渋滞などで物理的なダメージが及ぶことが見てとれますが、強者は生活防衛力に余裕があるため、弱者ほど深刻なダメージを受けませんorz

※1 一般的な自動車は、60km/h前後が最も効率良く走れるように設計されている為、都心部なら高速道路を走ったほうが燃費が改善するケースも増えることになるが、郊外や地方の高速道路では、効率良く走れる速度を大幅に越えることが普通であるため、主に空気抵抗の著しい増大によって、燃費効率は一般道を正しく走る場合より悪化すると云っても良い。一般道よりも高速道路を暴走したほうが燃費改善すると云うドライバーは、運転能力が無いため一般道で燃費を稼げないだけということになる。

※2 車中心政策により、自動車における旅客輸送は全体の七割近く、貨物輸送は九割を超えている今も、安易なクルマ中心政策を推進し続けている日本は、世界的にも異常な車依存大国であり、これが多くの死亡者を伴なう果て無き交通戦争の要因となっている。

 車中心社会とは、車を利用できる人と利用できない人の差に留まらない、幅広い格差を広げる選民社会であることを当の国民が知らないのは大問題でしょう。

 中でも皆さんが実感しやすいのが、高速道路でのトラック絡みの重大事故と、地方の幹線での対歩行者事故の深刻化、地方の公共交通機関の衰退と、街の空洞化等でしょうか。建設省は、公共交通の利用補助などを打ち立て始めましたが、其れは表面の目立つ火消しに奔走する偽善パフォーマンスに過ぎません。本当に偽善ではないのなら、とっくに土建政治なんかとは決別しているのですよ(笑)
 

 実際に、道路の横断者が轢かれる事故も、高速道路での玉突き事故も珍しいことでは無くなり、また事故には至らなくても、脳疾患や老化などによって周囲の情況に対応する能力を失っている高齢者だって、生活のために日々路上に繰り出しています。商店街のシャッター街化も全国共通ですね。道路工事に拠る自然破壊は、パワーショベルの一撃ごとに幾多の命と悠久の歴史も失われ続けているのだから待ったなし!です。
 

 もちろん、国民は何らかの形で車に依存して居ることは確かで、今さら車利用を無くすことはできません。しかし車への依存過多は弱者を切り捨て環境も壊し、社会を潰すだけ。交通弱者にとっては、車の増加は脅威でもあり、その脅威を遠ざける「必要」が生じているのです。

 つまり、交通事故の深刻化も、全体的な格差拡大も、国家主導の【必要】詐欺による被害に他ならなかったのです!Σ(゜Д ゜;)必要詐欺の結末は「国敗れて道路あり」なんですねorz
一部の層だけを肥え太らせ、多くの人々を切り捨て、社会をも潰す、国家主導の【必要】詐欺の前では、かの「オレオレ」詐欺なんか霞んで見えますねw


必要詐欺の詭弁

 自民党道路族などに言わせれば、「地方の道は不便であり、まだまだ新たな道路は必要だ」某所の知事は「災害時の避難路および物資の輸送路確保としても必要だ」として憚りません。
しかし現実には、都心部と地方とでは根本的に地理条件が異なるのですから、逆立ちしても平等なんて有り得ません。むしろ不可能な平等を棚に上げた偏向投資こそ不平等!

 災害補償の観点では、渋滞を誘発し避難の妨げとなるため、車を使って避難することは避けなければ成らないことは予め判っています。救援物資の輸送については、高速道路は数ある輸送路の一つとして機能するというメリットがあることは間違いないものの、高速道路の守備範囲は限られており、災害時に陸の孤島となり易い末端の地域には殆んど無関係です。
むしろ社会全体を崩壊させるというデメリットのほうが圧倒的に大きいため、防災の観点でも高速道路などの建設は中止し、既存の道路網の維持と活用に重点を置くべきであることは容易に判ります。

 渋滞削減の観点では、(車は)車体が占有する面積、および走行に必要な空間(車間距離や車線幅)が大きいため、電車に比べて輸送効率が著しく低く、道路建設は渋滞解消に対して殆んど効きません。むしろ車利用を前提とした体制の構築を誘導し、車の増加で渋滞は酷くなるばかりであるため、道路を増やすことはナンセンスです。
参考:まちをこわす「クルマ『中心』社会」、まちをつくる「LRT」

 交通安全の観点では、道路を増やすことは車を増やすことでありナンセンスであることは先にお知らせしたとおりで、さらに走行速度のアップによって衝突のダメージも大きくなり、交通弱者の死傷率も上がります。もっとも運転能力が無い者にまで安易に免許を配布する今の悪質な制度を改める等の改革を行えば、交通事故は劇的に減るのですが、さらなる道路建設が交通事故のリスクを上げることに変わりありません。騒音・排ガス公害といった観点でも同じことが云えます。

 雇用の観点では、自民党道路族と土建業界の一部を中心に、無駄事業の削減に反対する声は根強いのですが、既存設備の維持に加えて、公共事業の大部分は、環境保全や農業等の事業に転換してゆくしか存続の道は無いのです。構造転換の過渡期は失業保障でも手当て出来るので、無駄事業の削減を否定できる正当な理由にはなりません。


土建と車中心社会からの脱却
 纏めると、今以上に道路を造り続けて車利用を増やさなくても、直ちに生存できなくなる人は居らず、そこに建設の【必要】は存在しません。一方、道路建設を止める【必要】は存在します。社会崩壊を回避させる決定的方策は、道路建設と車利用の抑制なのです。

 では、どうすれば建設と車利用を抑制できるでしょうか?

幾つかは先の項でも答えが出ておりますが、このページでは大まかに提言いたします。
●道路建設を抑制し,節約される予算を本来の社会保障に充てる.
(公共交通の利用補助やモーダルシフト推進,その他一般財源にも廻す.)
●税制改革や燃料使用の制限などによってマイカー利用を抑制する.
●車に依存しすぎないようモノの高速&大量輸送は税制等で冷遇し,地産地消を進める.
●農業や自然維持など,これからの社会に向かう産業(投資)を優遇する.
●道路交通の教育を徹底し,免許制度も改め,運転できない者から免許を没収する.
●知の多様性を認め広めることで,金銭など物質至上の価値観への偏倒を予防する.
(法に依らない自由な言論・教育の展開…例えばボランティアを含む個人による教育活動も認めるなど,知的な教育活動を支援する.)
●既存の道路は,災害で寸断されにくいよう補強しつつ維持する.
(要所は予め復旧体制を整えたとしても,大型道路の新設に比べれば安いもの)

必要詐欺の犯人と鴨(B層)へ

B層(PDF注意)とは、要するに頭の弱い層のこと.

『建設工事で潰した(潰す)幾多の尊い自然と命たちも、交通事故で殺した(殺す)幾多の尊い命たちも、崩壊する社会も、責任もって蘇らせてくれるのですよね?私たちの子や孫といった世代に押し付ける巨額の借金も納得してもらえるのですよね?』

責任を持ってお答えください。何だったらコチラで答えてくれても良いですよΣd(゜∀゜d)ォゥィェ!!!
(反対の為の反対は、不毛なので受け付けられません。悪しからず!)

国交省に「今すぐムダな道路乱造を止めるよう改革せんかぁ〜ゴルァ!」とツイ凸する

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